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都市と田舎の問題
[日本の政治]
2020年6月24日 10時36分の記事

今朝のテレビ朝日『モーニングショー』では都知事選挙に因んで東京の問題点に焦点が当てられていました。その焦点とは『2025年問題』。番組で取り上げていた2025年問題とは、橋やトンネルなどのインフラが老朽化し、その耐用年数の限界を迎える問題と、団塊の世代が75歳上になる高齢化社会・医療問題です。どちらも東京に限った問題ではなく、日本全体の問題としてあると考えます。そう言う意味で、この『2025年問題』を東京都知事選の焦点としてこの番組で取り上げるのは、現在の議論すべき本質的問題から争点・焦点をずらすためと考えます。今の東京で最大の問題は、新型コロナウイルス対策・防疫体制に集約され、それにつきます。それは、この問題が改善されない限り、オリンピックも経済も生活もないからです。そして、この問題をしっかりと乗り越えることができない限り、東京の未来も、日本の未来もないからです。

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番組では東京はこれからどうなるのか、先行きの予測を立てて考えなくてはならないと盛んに言っていました。しかし、本ブログなどで申し上げてきましたが、もうすでに『どうなるか』で考えてはならない時代になっています。思考・志向すべきは『どうするか』なのです。
どうなるかという受け身の考えでは、その問題設定によって思考が限定、誘導され、ともすると未来のことを考えているようで、まったくトンチンカンなことを考えてしまうということになるのです。我々の未来は我々の意志にあるのです。
このモーニングショーのコメンテーターである玉川徹さんは、都市インフラの老朽化について、対応するしかないという意味での「やるしかないでしょう」とおっしゃっていましたが、その通りなのです。どうなるかではなく、どうするかということであれば、やるしかないと意志を固めて、とり組み始めるということで良いのです。実はほんの5分で終わる議論を、番組では随分時間をかけてやっていた印象です。
この2025年問題を提議していたのは、中央大学経済学部名誉教授の佐々木信夫氏でした。この方、都庁にお勤めと経歴にありますから、東京の都市計画において長年、中心的な存在となってきた方と考えます。ですから、お話しを聞いていてとても腹立たしく思ったのが正直なところです。
今回の新型コロナウイルス問題で明らかになったことは、東京の医療インフラの脆弱性です。医療設備、病院の体制、防疫体制、保健所の問題などがありますが、最重要インフラであるにも関わらず、結局は何もやってきていないことが明らかになったわけです。この中央大学名誉教授様も含めて、どうすべきかという思考では考えてこなかったと考えます。都民の生活に根ざした計画ができていないからこそ、最も大事な時にこの医療インフラの脆弱性があらわになったと考えます。そう考えるとこの中央大学名誉教授の佐々木氏が、今頃、のこのことテレビに出てきてコメントすることなぞ恥ずかしくてできないものと考えます。母校の名誉教授ですが、番組を観ていてとても恥ずかしく、腹立たしく思いました。
番組では、明らかに新型コロナウイルス問題から論点をずらしているものと考えます。
また、東京の交通インフラの老朽化と大きな財政負担が言われていました。それでいて、一方でテレワークということも言われているのですが、普通に考えれば、インフラの維持・低コストと効率は、テレワークとは相反するものです。効率的に便利なインフラの中で生活するのならまとまって住んだ方が良いわけで、山の中でテレワークをするということはその反対であるわけです。このような視点から見れば、実はテレワークは住むところによってインフラのコスト高の生活なるわけです。このようなポイントも同番組では整理されて話されていたとは思えませんでした。

田舎の崩壊が東京の一極集中をもたらした
以下の記事では、東京都の人口が1400万人を超えたことが報じられています。この記事を観て、実はとても驚きました。日本では人口減少になっている中で東京都の人口は増えているわけですから、明らかな一極集中です。
そこで私はふと考えました。東京はここまで人口増となるために何か特別なことをしてきたのかと。東京で生まれ育った私としては、そんな特別なことをしてきてはいないと考えますし、むしろ、住んでいるものからしたら、もっと住みやすいところにしてほしいと思うばかりなのです。しかし、実際は、上述のように医療インフラなど、無策のために必ずしもそうなっていないと言うことなのです。

「東京の人口 初めて1400万人超える コロナ禍でも一極集中続く」(2020年6月20日 NHK)

そうなると、この東京一極集中の問題は、実は都民の問題ではないのです。その本質は田舎の人の問題なのです。地方と言うべきかもしれませんが、田舎の方がわかりやすいので、そう表現します。田舎の人が東京に魅力を感じてくるから、東京都の人口が増えるわけです。しかし、都民としては人口が増えることよりも、住みやすい環境を求めるのが必然なのです。
東京一極集中の原因は、実は『東京』に原因があるわけではなく、『田舎』に問題があるのです。それを理解しないで、東京をいくらいじっても東京一極集中は変わることはないのです。問題を解決をするためには『田舎』を変えなければならないのです。抜本的に。
いつまでも、このことをしないでいると『田舎』の疲弊は止まりませんし、そのことよって東京一極集中となるわけですが、それでは東京のレベルも下がっていくだけなのです。良いことは何一つないと考えます。東京一極集中を是正するために東京をいじくるのは東京をダメにし、さらに田舎もダメにして、日本をダメにする結局は『田舎発想』なのです。
東京生まれ東京育ちの私が考える『田舎』の問題は、都市を理解していないことにつきます。それは同時に『田舎』を理解していないことと同義なのです。だから、田舎が崩壊していくわけです。実はとても単純なお話しなのです。
そして、頻発しているのは、都市の価値観で田舎を作ろうとするから、田舎が崩壊し、そして壊れた田舎から『都市』をもとめて都市に人が流れていくことです。テレビを観ていると東京(都市)の価値観で田舎を作ろうとする試みばかりです。このようにする時点ですでに東京の一極集中は起きていて、中途半端な東京である田舎は、結局、崩壊し、人が東京に流れるわけです。
実はこのことの本質は田舎の人間社会計画ができていないということであり、田舎の人間社会を壊してしまったということなのです。そして、同時にそれは田舎の周辺で『都市』をつくり出すこともできなくてしているということなのです。
『田舎』の疲弊は、都市を理解していないからであるのと同時に、田舎を理解していないから生じる問題なのです。
だから、結果として東京一極集中が止まらないわけですが、そこで起る東京の問題は、東京の陳腐な田舎化なのです。今の東京都知事選の候補者のほとんどは都市を理解しているように思えません。みんな、田舎モノばかりなのです。だから、本当に低レベルな戦いになっているわけです。このポイントで観ると東京都知事選の本質がよく見えていきます。田舎モノが目立ちたいがためにやっているような人たちばかりで、東京の生活に根ざしたことを言っている人が本当に少ないのが、最大の問題です。このことは本当に都民にとっては不幸なことです。
今の国政の政治問題も、みな、田舎の問題なのです。どこぞの田舎での大量の買収問題、疑惑が絶えず、国の公文書を平気で改ざんする田舎選出の政治家の政権、田舎から大量に選挙民を公費のサクラを観る会に呼び寄せるケチくさい田舎政治家、世界を見通せない田舎モノの政治家の失態。すべてが、田舎政治家に起因しています。そして、それは明らかに田舎が崩壊していることを示しているのです。本当にどうにかしてほしいものです。そして、また田舎から観るべき議論や意見も出てこない。とにかく、モラルも含めて田舎を健全なものに立て直すことが、日本において早急に必要なことなのです。これが日本の最大の問題なのです。

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1967年生まれ。東京都出身。中央大学法学部政治学科卒。高校がミッションスクールの聖学院高校で高校・大学時代は聖書研究に没頭。
大学在学中から元航空自衛隊幹部の田村秀昭元参議院議員の秘書、以来、元防衛庁出身の鈴木正孝元参議院議員、元防衛大臣の愛知和男元衆議院議員の秘書、一貫して政界の防衛畑を歩む。
2005年から国民新党選挙対策本部事務局次長、広報部長を歴任。2010年より保守系論壇で政治評論を行う。 yujikatagiri111@yahoo.co.jp
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