13　ギュンターとディングレーの介抱９ - 「アースルーリンドの騎士」

オリジナル小説「アースルーリンドの騎士」
「二年目」のミラーサイトに成っちゃいました。
昔はこっちが本家だったんですが………。

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13　ギュンターとディングレーの介抱９

[★二年目　連載]

2010年11月26日 15時52分の記事

ディングレーの兄弟仲は複雑…。

サッテスはそれを良く、知ってて

ローフィス同様結構ディングレーが可愛いみたいですね…。

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ディングレーは再びカーテンの向こうへ、消えて行くサッテスの幅広の背を見送る。

サッテスはローフィスの父親の、知り合いだった。
流石ローフィスと関係のある者らしく、口が悪く頭の回転が速く、気が、利いていた。

ローフィスには入学当初から面倒見て貰ってたから、サッテスの前では王族の仮面は、通用しなかった。

散々な所をとっくに見られていたので。

サッテスが戻って来て…双丘の奥に何か、塗られると、マレーは頭を捩った。

指が奥迄差し入れられ…触れられると、かっ！と体が熱くなり同時に…擦られた場所に痛みを感じる。

けど数度…サッテスの指が行き来すると、その粘りけのある塗り薬のせいか…少し痛みが、引いて行った。

が…触れられる場所で途端、股間が固く成るのを感じ…マレーは唇を噛む。

サッテスはさっ！と指を引き抜くと、寝台から身を起こし告げた。
「君も飲み薬だ」

マレーは、振り向かずに頷いた。

ディングレーはサッテスが極力表情を抑えているのに気づく。
その顔は軽い伊達男風だが、ローフィス同様気骨があるのを知っていた。

以前グーデンの部下にひどく扱われた美少年の手当てをした後、ぶすっとして小声で素早くぼやく。

「…マジでこっそり、グーデンを闇討ちしてやらないと気が晴れない…！」
側に居たローフィスはすかさず言った。
「あんたの気はそれで晴れるだろうが、この子はそれで済まない…。
ディアヴォロスに任せるのが懸命だ」

サッテスは年下の提言にますます表情を険しくし…そう言ったローフィスを睨んでたが。

サッテスは見つめるディングレーに気づくと告げる。
「オーガスタスはどう出る気だ？」

ディングレーは俯く。
「ローフィスの言う通りなら…退学覚悟で対決する気構えだ」

サッテスは大きく頷く。
「…で？お前は？」

ディングレーはふうっ！と大きな吐息を吐き出した。
「…解ってるだろう？
殴って性格がマトモに成るんなら俺が兄貴を殴ってる」

サッテスが、笑う。
「絶縁覚悟でか？」

ディングレーの、俯く頭が揺れる。
「…親父に言われてる。
曲がりなりにも兄貴だ。
王家の体面はお前が護れ。と」

ディングレーが顔を上げると、サッテスは泣き顔のような笑顔を作った。
「お前は良く出来た弟だ」

ディングレーは吐息が漏れた。
「…ディアヴォロスが居た時は…グーデンも大事にしたくないから、俺の取引に応じた…。

けど今はオーガスタスを舐めきってる…。
正面切って火蓋を切れば…退学に出来る。と………」

サッテスが呻く。
「…兄貴が言ったのか？部下に、お前を殴れと」

ディングレーは顔を、上げた。
「…殴られようが、屁でもないがな！」

サッテスの顔は同情に歪んでいた。
「だが…心はそうはいくまい？」

途端、ディングレーは顔を、下げた。

つづく。

今日も読んでくれてありがとうチューリップピンク

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『北領地[シェンダー・ラーデン]の恋人』
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