|
第百話「天寿・そして死後の世界へ」(近世百物語) (播磨陰陽師☆雑記 管理人)
|
◎近世百物語・完全版
第百話「天寿・そして死後の世界へ」
近世百物語・完全版も、すでに百話目となりました。
これで、すべての物語を終わりますが……私の霊体験は、日々、し続けていることもあり……これで終わりでは、ありません。
また、続きを書くかも知れませんが……今の時点、みなさんにお話しして、問題のない部分が……これで終了することにします。
さて……今まで、多くの先輩や、師匠が亡くなりました。
もちろん、曾祖父も、祖母も……かなり昔に、亡くなりました。
生きていれば、このようなことは起こりますが……私はそれを悲しまず、未来につなげて、生きることにしています。
それは……大きな木が、倒れることに似ています。
大木が朽ち果てて、倒れれば……その場所に、新しい芽が、芽吹くのです。
しかし、私に取っての……亡くなった人々は……静かに眠ってくれている、だけの、存在ではありません。
亡くなる時に、挨拶に来る人もいます。
また、ある人は……亡くなってから、しばらくして……毎晩、夢の中に、その姿を表すこともあります。
いづれにしても、静かにしているのは……死にそうになっていた時、だけの、お話です。
われわれの播磨陰陽道は……死後の世界に自分の意識を留めておくことを目標とし、さまざまな技法を伝え残しています。
諸先輩やら師匠達が、死後の世界から語り掛けて来ることを見ると……私が幻覚を見ているのか……さもなくば、その技法が真実であるかの、どちらかだと思います。
どちらでも、良いですが……夢の世界から多くを語り掛けて来て、それが、時々、正しいのですから……信じないワケにも、行かないと思います。
今年、2009年の九月の中頃に……私が、夢日記を書き始めて、ちょうど千日目を迎えます。
その間、さまざまな霊的な夢を見ました。
もちろん、ただの夢や、記憶を整理する種類の夢も多いですが……基本的に、毎日、夢を見ています。
つづきをご購入いただけます(200円) 購入方法はこちら
|
第九十九話「つくも神」(近世百物語) (播磨陰陽師☆雑記 管理人)
|
◎近世百物語・完全版
第九十九話「つくも神」
百年《ももとせ》に、ひとつ足らぬは、つくも神……と、言うことで、今回、とうとう九十九話になりました。
この近世百物語・完全版も……残すところ、あと一話です。では、よろしくお願い致します。
さて、「九十九神」と書いて、「つくもがみ」と読みます。
これは、器物が百年くらい存在して……「物ノ怪《もののけ》」に化ける種類の現象です。
器物が百年近い間、人の世にあって大切にされると……ある時、人にその姿を見せようとします。
これが、良い方向に働けば、幸いをもたらしますが……悪い方向なら、厄を生み出します。
どちらの場合も、これらを「つくも神」と呼ぶようです。
長い間、大切にされた器物は……人に、その姿を見せようとしますが……それらが粗末な扱いを受けた時に、半分だけ人のような姿を見せるもののようです。
子供の頃のある時……江戸時代の「百鬼夜行絵巻」で見るような……不思議な物ノ怪を、目にしたことがありました。
それは、線香立てに手足が生えたような物で……忙しそうに、窓の外を走っていました。
見ていると……仏壇から、逃げ出したような感じがしました。
その頃、家には、仏壇がなかったので、
「どこから逃げて、来たのだろう……。」と思いました。
それから、近所の家で夫婦喧嘩があって……家の外に仏壇とか、位牌とか……そう言う物が、ちらばった噂を聞きました。
それは……古けど、とても豪華な仏壇らしく……位牌や線香立ても、かなり立派な物のようでした。
それを聞いて、
「ああ、あの家から、逃げて行ったんだな……。」と、思いましたが……それにしても、あれは、どこへ逃げて行ったと言うのでしょう?
祖母に、
「家の近くで夫婦喧嘩があって、仏壇が、外にほおり出された時……そこから逃げて来る、線香立ての姿をした物ノ怪を見たけど……あれは、どこへ行ったの?」と、尋ねました。
つづきをご購入いただけます(200円) 購入方法はこちら
|
第九十八話「多い人と少ない人」(近世百物語) (播磨陰陽師☆雑記 管理人)
|
◎近世百物語・完全版
第九十八話「多い人と少ない人」
ある時、喫茶店に友人達と入ったら……出されたコップの水が、ひとり分だけ多かったことがありました。
「数え間違いだったのだろう……。」と言い友人と言いながら、お茶を注文すると……奇妙なことに気づきました。
やはり、ひとり多いのです。
喫茶店に入って来たハズの人数より……今、目の前に座っているハズの人の数が……ひとり、多いのです。
何度、数えても……ひとり多いのですが……それが誰なのか、分かりません。
他の人が数えても……やはり、ひとり多いのです。
そして、その人も、誰が多いのか、分からないようでした。
真夏で、お盆に近い時期でしたので……少し気味が悪い、感じがしました。
この時は……次第に話題が陰気な方向へ傾いて行き……最後は、怪談話になってしまいました。
喫茶店を出た時……全員いるかどうかを数えると、今度は、ひとり足りません。
しかし、誰がいないのかが……そこにいた誰にも、分かりません。
ただ、ひとり足りない感じがしたのです。
子供の頃……真夏にキャンプした時も……ひとり、いなくなったことがあります。
つづきをご購入いただけます(200円) 購入方法はこちら
今日は5連発!どんどんいきます。
|
第九十七話「多い人と少ない人」() (播磨陰陽師☆雑記 管理人)
|
◎近世百物語・完全版
第九十七話「多い人と少ない人」
ある時、喫茶店に友人達と入ったら……出されたコップの水が、ひとり分だけ多かったことがありました。
「数え間違いだったのだろう……。」と言い友人と言いながら、お茶を注文すると……奇妙なことに気づきました。
やはり、ひとり多いのです。
喫茶店に入って来たハズの人数より……今、目の前に座っているハズの人の数が……ひとり、多いのです。
何度、数えても……ひとり多いのですが……それが誰なのか、分かりません。
他の人が数えても……やはり、ひとり多いのです。
そして、その人も、誰が多いのか、分からないようでした。
真夏で、お盆に近い時期でしたので……少し気味が悪い、感じがしました。
この時は……次第に話題が陰気な方向へ傾いて行き……最後は、怪談話になってしまいました。
喫茶店を出た時……全員いるかどうかを数えると、今度は、ひとり足りません。
しかし、誰がいないのかが……そこにいた誰にも、分かりません。
ただ、ひとり足りない感じがしたのです。
子供の頃……真夏にキャンプした時も……ひとり、いなくなったことがあります。
つづきをご購入いただけます(200円) 購入方法はこちら
今日は5連発!どんどんいきます。
|
第九十七話「天に昇る闇の柱」 (播磨陰陽師☆雑記 管理人)
|
◎近世百物語・完全版
第九十七話「天に昇る闇の柱」
この世には、地上から天に昇る、闇の柱のようなものがあります。
それは、地面から空に向かって……黒い、闇のような柱が……立つ現象です。
その多くは……目に、ハッキリと見えません。
ただ、暗いとか、その部分だけ寒いか、湿気があるとか……人によっては、とても陰気な感じがするだけかも、知れません。
そして、これには……サイズと言うものがありません。
……ですので、太くも見え……同じものが、細くも見えます。
そして、細いように感じるものも含めてすべて……地表から天へ向かって……永遠に思えるほど、長く長く、伸びています。
この……柱と柱を結ぶのが、いわゆる「霊道」と呼ばれるものです。
地図上に、闇の柱の位置を記入して……それを直線ではなく……地形にそって結ぶと、「霊道」の位置が判明します。
しかし、単純に結んだだけではなく……風の吹き方とか、水脈の位置とか、磁場の変化も考慮しなければなりません。
磁場の変化は……大きな岩の位置とか、生えている木の形によって、理解することが出来ます。
この「霊道」のことについては……以前、「近世百物語・完全版」の第八十七話に書きました。それらについては、そちらもご参考に……。
さて、闇の柱は、霊的な自然現象のひとつです。
つづきをご購入いただけます(200円) 購入方法はこちら
|
第九十六話「祓いの鐘」 (播磨陰陽師☆雑記 管理人)
|
◎近世百物語・完全版
第九十六話「祓いの鐘」
私の……霊器《れいき》と呼ばれる「七つ道具」には、祓鐘《はらいがね》、火打石《ひうちいし》、祓刀《はらえがたな》、石笛《いわぶえ》、奪衣婆《だつえば》の壷《つぼ》、霊符《れいふ》、烏帽子《えぼし》の、七つがあります。
これらは、祓いの現場で使う、霊的な道具達です。
この中の、「奪衣婆の壷」については、「第九十一話」の中に書きました。
霊符については、「近世百物語・完全版」の……「第八話」と「第四十ニ話」と「八十四話」と「第九十一話」の中に少し書いています。
祓鐘《はらいがね》は、祓いに使う為の鐘です。
これは、いわゆるチベタン・ベルです。
本物のチベタン・ベルは、世界に五個しか現存しないようです。
私の持つ物は、本物ですが……この本物と言うのは……御神体として作られ、長い間、祓いを受け続けた物のことです。
これには、とても強い霊力があります。
素材は、五〜七種類の合金で、隕石に含まれる鉄……「隕鉄《いんてつ》」を含んでいます。
これは、俗に「セブン・メタル」と呼ばれる金属です。
この金属の配合によって、重さや音色が違います。
そして、この本物のチベタン・ベルの合金を作ることのできる民族は……消滅していて、最新技術でも不可能な調合だそうです。
私は、これとは別に……完全に隕鉄のみで作られた、祓刀《はらいかたな》を持っています。
これは、「刀」と言うより、ナイフくらいの大きさですが……祓いの現場で重宝しています。
祓鐘は、持っているだけで……低俗な霊は祓われて、すぐに去って行きます。
つづきをご購入いただけます(200円) 購入方法はこちら
|
第九十五話「手形足形」(近世百物語) (播磨陰陽師☆雑記 管理人)
|
◎近世百物語・完全版
第九十五話「手形足形」
何度か、ガラスに付いた、凍った手形を……見たことがあります。
ある夏の、暑い暑い、夜のことです。
飲み物を飲みほして、しばらくそのままにしていたコップが……テーブルの上で、ピキッと……音を、立てました。
それに気づいて、そのガラスのコップを見る……と、向こう側から誰かが触ったような、手のアトが見えたのです。
それは、子供の手のような……とても、小さなサイズでしたが……ガラスのコップの表面が、凍りついていました。
これもまた、真夏のある時のことです。
あまりの寝苦しさに……夜中に目覚めて、カーテンを開けました。
クーラーのスリープ・タイマーが終わって、気温が上がっていたのです。
私は、窓をあけようと、窓の鍵に手をかけました。
つづきをご購入いただけます(200円) 購入方法はこちら
|
第九十四話「播磨御式神内」 (播磨陰陽師☆雑記 管理人)
|
◎近世百物語・完全版
第九十四話「播磨御式神内」
播磨御式神内《はりまこしきうち》は、播磨陰陽師が使う武術です。
この武術は、霊術とセットになっています。
「不幸のすべて」の中には、何度か書きましたが……われわれ播磨陰陽師は、武術を大切にします。
それは、われわれが武家の……サムライの子孫だからであり……そして、霊的なモノを扱うには、武術が欠かせないからです。
私は、幼い頃から柔道や、合気道を学び……そして、播磨御式神内の伝承を受けました。
子供の頃から、大東流合気柔術も、学びました。
播磨御式神内は、合気道と同じ流れをくむ武術なので……合気道……大東流合気柔術……播磨御式神内と、古くなるにつれて攻撃的で、しかも、少しづつ技も違って面白いです。
昔は、多くの強いサムライがいたので、彼らを従わせるには、強くなければなりませんでした。
「いくら霊術がどうこうとか……不思議な術を使うとか、言っても……数人で取り囲んで、後ろから斬ってしまえば、死ぬだろう……。」と思うサムライが、多かったようです。
そして、
「いくら恐ろしい播磨陰陽師とは言え、われらの敵ではないな。」と、高《たか》を括《くく》っていた田舎侍《いなかざむらい》達と、何度か衝突したようです。
そして、そのたびに、
「恐ろしい播磨陰陽師たちが来る。」と伝説が残されて行きました。
播磨陰陽道には、
つづきをご購入いただけます(200円) 購入方法はこちら
|
第九十三話「青い波の立つ池」(近世百物語) (播磨陰陽師☆雑記 管理人)
|
◎近世百物語・完全版
第九十三話「青い波の立つ池」
それがトラウマなのかについては、分かりませんが……何かの刺激を受けると、フラッシュ・バックのような記憶を、映像として見ることがあります。
私は、何かに驚くと……かならず、そのフラッシュ・バックで……同じ映像を見ます。
その映像は、青い波が立つ池のものです。
そして、水面に……かならず、無数の光の点のようなものが、写っています。
それがどこなのか……そして、いつの記憶なのか……については、思い出すことが出来ません。
ただ、かなり子供の頃から、ずっと見ているので……幼い頃の記憶であることだけは、確かなようです。
私の知っている限り……その記憶に該当する池を、私は知りません。
トラウマ系の記憶は……恐怖のあまり、記憶から抜け落ちていることが多いので……それも、しかたがないのかも知れません。
子供の頃……幽霊や化け物は、日常の光景だってので……あえて、トラウマを作るような記憶があるとも思えません。
しかし……たぶん、よほど恐ろしい記憶だったと思うのですが……これを思い出すだけで、胸がドキドキするのです。
いくつか……池に関する思い出はあります。
しかし、このトラウマの記憶に該当するような池のものでは、ないような……そんな気がします。
子供の頃のある時……実家の近くの池で、子供が溺れ死んだことが、ありました。
その池は、人が溺れ死ぬような、深い池ではありません。
どちらかと言うと、のどかな、草原の中にある美しい池だと思います。
しかし、何年かに一度、必ず、その池で溺れる子供が出るのです。
祖母は、
「あの池は、とても美しい池だから……ああ、言う池は、人の心を誘いやすい。」と言っていました。
「何の為に、誘うの?」と尋ねると、
つづきをご購入いただけます(200円) 購入方法はこちら
|
第九十二話「悪夢」(近世百物語) (播磨陰陽師☆雑記 管理人)
|
◎近世百物語・完全版
第九十二話「悪夢」
この近世百物語・完全版の中で、何度か悪夢のことを書いていますが……「悪夢」そのものについては、あまり書いていませんでした。
誰でも、小さい時は……何かに、追い掛けられる種類の、悪夢を見ます。
私も小さい時は……良く、化け物だとか、幽霊だとか……得体の知れないモノに、追い掛けられる夢を、見ることがありました。
とても恐ろしい夢を見るたびに……眠るのが怖くなることも、ありました。
近くに、恐ろしい姿をした幽霊が、たくさんいるような悪夢も、良く見ています。
そして、どこかから落ちる夢も、良く、見ました。
それは、それは、恐ろしい夢でしたが……追い掛けられて、それから落ちる種類の夢は、最悪でした。
子供の頃のある時、祖母の家に泊まっていました。
その夜は、やはり化け物に追い掛けられて……どこかから、落ちる夢を見ました。
目が覚めた瞬間……いったい、どこで寝ていたのか……何も、思い出すことが出来ません。
「たしか……祖母の家で眠っていた……。」と、思っていましたが……星空が見えたのです。
「まだ、夢を見ているのかなぁ……。」と思いました。
しかし、少し肌寒くて……やはり夢では無いようです。
頭のあたりに、とても硬くて、ざらざらした感触を感じ……手を伸ばすと、大きな石のようでした。
起き上がって、そこを見ると……私は、草むらの……しかも、お地蔵さんの足もとで、眠っていたのです。
つづきをご購入いただけます(200円) 購入方法はこちら
|
第九十一話「悪霊の壷」(近世百物語) (播磨陰陽師☆雑記 管理人)
|
◎近世百物語・完全版
第九十一話「悪霊の壷」
私は「奪衣婆《だつえば》の壷《つぼ》」と呼ばれる霊器を、持っています。
これは……悪霊を、入れて置く為の壷です。
悪霊を入れて置く霊器は……それが、どのような形だとしても……全体的に「奪衣婆の壷」と呼ばれています。
……ですので、私は……自分の持っている壷を、そう呼んでいます。
しかし、私の持っている壷の彫刻は……奪衣婆と言うより「懸衣翁《けんえおう》」のようです。
それの表面にあるのは、おばぁさんの彫刻では無く……長いヒゲのはえた、おじぃさんの彫刻なのです。
奪衣婆《だつえば》のことは、辞書に、
「三途の川の畔《ほとり》にいて,死者の衣を奪いとる鬼女。衣領樹《えりょうじゅ》の下で待ち、死者の衣をはぎとって懸衣翁《けんえおう》に渡すと、懸衣翁がこれを衣領樹にかけ、枝のしなり具合で罪の軽重を定めると言う。」と、書いてあります。
この老婆は、三途の川の住人です。
懸衣翁《けんえおう》は……その老婆から、死者の衣をもらう老人です。
いづれにしても貧相で……まるで厄病神か、貧乏神のような雰囲気があります。
この霊器は、私の七つ道具のひとつです。
もともと……江戸時代の印籠《いんろう》を、中国でコピーした物のようで……ちょっと、雰囲気の違う、般若《はんにゃ》の根付けがついていました。
彫刻された形が正確ではない以外……ワリと、良く出来ています。
これは、何個目かですが……以前に使っていた物より……ずいぶん、気にいっています。
前まで使っていた物は……どれも、ただの木箱のような、物でしたので……。
さて、これを、どんなことに使うのか……と、言うと……なんでも、かんでも、怪し気な物は、一時的にこの壷の中に格納します。
ある時……祓いと処分を頼まれた、不吉な心霊写真を入れて……家に、持ち帰ったことがありました。
写真自体は、それほど不気味では、ありませんでしたが……その写真を撮ってからと言うもの、
「撮影者の近くで、不吉なことばかりが起きる……。」と言う、いわく付きの物でした。
その手の物は、直接、カバンに入れて持ち帰るワケにも、行かないので……必ず、容器が必要になります。
つづきをご購入いただけます(200円) 購入方法はこちら
|
第九十話「シガラミ」(近世百物語) (播磨陰陽師☆雑記 管理人)
|
◎近世百物語・完全版
第九十話「シガラミ」
人は、土地のシガラミに……しばられて、生きているような気がします。
しかし、その土地の、風習だとか、風俗だとかには無関係に……私には霊的なシガラミがついてまわります。
私は、人工的な土地へ行くのが好きです。
それは、開発された……埋め立て地のような場所です。
私が人工的な土地で、安心するのは……霊的な、シガラミそのものが、無いからかも知れません。
大阪南港の、コスモスクエア駅周辺に行った時、
「寺も墓場もなく、しかも、神社も祠さえ、無い土地だ……。」と思いました。
それが、なんだかフラットな感じがして……少しだけ、心地良かったのです。
それは、
「ここが埋立地だからだからだな……。」と思いましたが……ただ、海が近いからかも、知れません。
……と、言うのは、霊的なシガラミが満載のハズの……北九州の門司港でも……同じ感じが、するからです。
ただし、対岸の下関では、それほど強く安心感を得られないので……門司港とコスモスクエア駅周辺には……何かの共通点が、あるのかも知れません。
ちなみに「シガラミ」は、漢字では「柵」と書きます。
辞書には、
「水流を塞《せ》き止める為に杭《くい》を打ち並べて、これに竹や木を渡した物。転じて、柵《さく》。また、せき止める物……まといつく物の意……。」とあります。
ある時……知らない土地を地下鉄で、通ったことがありました。
そこは、ただの通過駅に過ぎませんが……そこを通過するあいだ中……悲鳴のようなものが、聞こえたのです。
私は、電車の中で、少し眠りかけていました。
しかし、その悲鳴のような音を聞き、目を覚ましたのです。
ですが……他の乗客は、それに気づいても、いないようでした。
ふと、窓の外を見ると……そこはトンネルの中なので、ただの暗闇のハズですが……そこには、白い人影のようなものが、たくさん見えていました。
つづきをご購入いただけます(200円) 購入方法はこちら
|
【無料版】第八十九話「こっくりさん」(近世百物語) (播磨陰陽師☆雑記 管理人)
|
◎近世百物語・完全版
第八十九話「こっくりさん」
今回は、以前から予告していた通り、最後の無料ブログです。
この近世百物語も、今回で八十九話……あと少しで、百話に手が届くと言う、ところです。
このブログ「近世百物語・完全版」には、いささかの秘密があります……と、以前、「不幸のすべて・第89話」に書きましたが……今回は、その秘密を、少しだけ公開します。
現在、ログイン不要&無料でご覧いただけます
|
第八十八話「祝詞」(近世百物語) (播磨陰陽師☆雑記 管理人)
|
◎近世百物語・完全版
第八十八話「祝詞」
私は子供の頃から、「祝詞《のりと》」をあげて育ちました。
それは、播磨陰陽道の伝承者として、当然のことでしたので……少しも、不思議には、思っていませんでした……。
……と、言うより、
「他の人も、みんな祝詞を知っているものだ……。」と、勝手に、思い込んでいました。
子供の頃の思い込みは、誰にでもありますが……それが奇妙であろうと、無かろうと……自分の中では、ごく自然なことでした。
さて、時と場合によって……祝詞をあげると雨が降ることがあります。
ある時は、祝詞の直後に、どしゃ降りになりました。
これは、友人達と神社へ行った時も、何度か起こっているので……多くの人が経験していることです。
また、小雨程度の、パラパラした雨が降ることもあります。
これは、
「そこに祭られている神が、返事をする。」と言われる現象です。
ですが……まったく、降らないこともあります。
……と、言うより、かえって晴れてしまうこもあります。
つづきをご購入いただけます(200円) 購入方法はこちら
|
八十七話「霊道」(近世百物語) (播磨陰陽師☆雑記 管理人)
|
◎近世百物語・完全版
第八十七話「霊道」
霊の通り道を「霊道《れいどう》」と呼びます。
これが人家の無い森や、山奥にあった頃は良かったですが……最近は、そのような自然な地域が開発され、人家が出来つつあります。
そこに住めば、当然、家の中を霊道が走ることになります。
それがマンション等の賃貸の場合は、引っ越せば済みますが……購入した場合は、難しいことになります。
住む人は、一生、がんばって……お金を稼いで、夢のマイホームに住むのです。
しかし、霊道の通っている家を買った人の現実は……まるで、悪夢のようです。
私は、
「どうして、自分の一生をかけて、家族が不幸になるような家を買い求めるのだろう?」と、時々、不思議に思います。
それほど、多くの人が、不幸を買い占めようとするのです。
それも、ただ、「安かったから……。」と言う、単純な理由でです。
これこそ、安物買いの銭失いを、地で行ったような……お話しです。
時々、そのような場所に住む人から相談を受けますが……と、言うより、相談の大半は、これの関連です。
ある時は、
「霊なんか、非科学的なものは、絶対に信じない……。」と言っていた知人が、たまたま引っ越した先に霊道があり……毎晩、霊現象に悩まされる結果となりました。
その人は……その体験から、
「自分の考え方そのものに、根拠がなかった……。」と思うようになり、幽霊を恐れるようになりました。
私は、少しだけ相談されたので、
「引っ越すしかありません。」とだけ、告げました。
その後、その家から引っ越したようです。
また、ある時は……この知人も、
つづきをご購入いただけます(200円) 購入方法はこちら
|
第八十六話「死語(古語)」(近世百物語) (播磨陰陽師☆雑記 管理人)
|
◎近世百物語・完全版
第八十六話「死語(古語)」
私は、古語が好きです。
古文の本を、かなりの量、読んでいます。
しかし、それは、古文を勉強したいからでは、ありません。
どちらかと言うと、必要にせまられて読むようになったのです。
もちろん、子供の頃から、祖母は、古事記や、日本書紀を読んでくれていました。
実際は、読んだ……と、言うより……暗唱《あんしょう》した……と、言う方が正しいのです。
祖母は、それらの古文のほとんどを、丸暗記していたようでした。
「近世百物語・完全版」の第五話に、曽祖父が古語で話していたことを書きましたが……霊的な体験や、それらの伝承は、すべて古語が基本なのです。
便宜上、古語と呼んでいますが……それは、まだ、普通に使われている言葉ですので、古語とは呼べません。
死んだ人々が使っていたり、死んだ人々のことについて語る時に使うので……ある種《しゅ》の「死語《しご》」かも知れません。
ここでは、むしろ「死語」と呼ぶ方が、ふさわしいのかも知れません。
さて、「死語」を最初に聞いたのは……私の物心付いた、その直後からです。
現代語を話す、普通の人々より……死語を話すモノが話しかけて来る方が……私には、普通の出来事でした。
「近世百物語・完全版」の四十四話の中で、
「私に物心がついて、最初の記憶は……猫の記憶でした……それからの私は、幼い頃から……さまざまなモノに、子守りされていました……。」と、書いていますが……猫がいなくなると、不思議なモノが近づいて来て、私に話しかけたのです。
その言葉は、死語でしたし……しかも、私の記憶が、まだ、ハッキリしていなかったので……何を言われたのか、覚えていません。
しかし、とても奇妙な外見であったことと……それが、その時は、
「少しも奇妙だとは、思っていなかったこと……。」を覚えています。
今、考えると、頭に手足の生えたような……大きな顔が……幼い私に、何かを話しているのですから……とても、奇妙な出来事だと思います。
また、ある時は……死語で話す幽霊に出会いました。
つづきをご購入いただけます(200円) 購入方法はこちら
※今回は、自称「神」という霊体や、神のお告げを語る人への注意も含めて書かれています。ご参考にされてください。
|
第八十五話「奇妙な音の正体は?」 (近世百物語) (播磨陰陽師☆雑記 管理人)
|
◎近世百物語・完全版
第八十五話「奇妙な音の正体は?」
とんとん……と、壁をたたく音が、深夜の室内に響いたのは……墓場の近くに住んでいた頃のことです。
その頃は、お盆が近くなると……時々、壁をたたくような音が、深夜に響くことがありました。
壁に耳をつけて、聞いてみると……それは、壁をたたくと言うより、引っかいているように聞こえました。
そして、時々、引っかく音にまじって……押し殺したような、すすり泣く声が……かすかに、聞こえていたのです。
私の住んでいた部屋の隣は、ずっと空室になっていました。
ある時、両親が田舎から遊びに来ていて、私の部屋に泊まったことがありました。真夜中に……母が、突然、目を覚まして、
「壁をたたくのは、誰?」と尋ねました。
私は、
「誰でも、ないよ。ただ、お盆が近いだけさ……。」と言って、ベランダに出ました。
母も、ついて来たので……身を乗り出して、隣の部屋の室内を、懐中電灯で照らしました。
すると、隣は、確かに空家です。ただ、がらんとしていて、何もありません。誰かがいて、壁をたたけるような状況でも、無いのです。
その日は、それで終わりました。しかし、両親が帰った次の日の真夜中は……壁を、とんとん……どころか、がんがん、たたき続けるのです。
とても、うるさいので……共用の廊下に出てみました。
すると、そこは……シンしとして、静まり返っています。部屋の戸をあけて、半分、頭を突っ込むと……まだ、部屋の中だけに、あの音が響いています。
「なんだ、ここだけに聞こえるのか?」と思い、部屋の中に帰りました。
つづきをご購入いただけます(200円) 購入方法はこちら
|
第八十四話「結界」(近世百物語) (播磨陰陽師☆雑記 管理人)
|
◎近世百物語・完全版
第八十四話「結界」
世の中には、目に見えない壁があります。
これを多くは、「結界《けっかい》」と呼びます。
結界は、透明の壁のような感じがする場合が多く……私も何度か、遭遇しました。
ある時、山奥で……ころびそうになって、手をついた時、途中の空間で、手が止まったことがあります。
ガラスのように、透明な、目に見えない壁のような物に……手が、当たったようでした。
その空間を良く見ても、ガラスは、見えませんでした。
風は、流れているようでした。
近くの小石をつまみ、その壁にぶつけたのですが……小石は、何も無かったかのように、向こう側に落ちました。
ためしに、もう一度、手を伸ばすと……やはり、手の先が、壁にあたります。
とうとう、その先へは……どうしても行くことが、出来ませんでした。
そのことを祖母に聞いた時、
「それは、結界と言うもんじゃ……。」と教えられました。
結界には……人の侵入を禁じるもの、ほかの生き物の侵入を禁じるもの、物体の侵入を禁じるもの、そして、足止めの結界などがあるそうです。
種類は、さまざまあります。
そして、結界の張り方や、解き方にも……さまざまな技法があるようです。
ある時、霊山に登っていたら、
「ここから先に、結界がある……。」と、案内してくれた人が、言いました。
そして、
つづきをご購入いただけます(200円) 購入方法はこちら
|
第八十三話「アイヌ・モシリ」(近世百物語) (播磨陰陽師☆雑記 管理人)
|
◎近世百物語・完全版
第八十三話「アイヌ・モシリ」
子供の頃……アイヌ・モシリに、迷い込んだことがありました。
「アイヌ・モシリ」と言うのは、アイヌ人達の村のことです。
普通は、観光地化していて……熊の木彫りや、ニポポ人形等の、お土産屋さんの店が並んでいるものですが……私が迷い込んだのは、それではありません。
最初に、そこに迷い込んだのは……確か、中学生くらいの頃だったと思います。
その日は、とても霧の深い日で……私は、山で遭難しかけていました。
まだ、初夏でしたので……わりと暖かく、一晩、野宿したからと言って……すぐに凍死するほどでは、無いようでした。
……ですので、道に迷っても……それほど恐ろしくは、ありませんでした。
都会とは違い……北海道の山奥では……道に迷うことは、死を意味します。
死ななかったとしても、それ相当の覚悟をしなければ……無事に帰りつけるかどうかは分かりません。
その時も、帰れなかった時のことを考えて……それなりの覚悟をし……道を進んで行きました。
ふと、気がつくと……私は、知らない村の入り口に、立っていました。
かなり霧が深かったので、その村の全体は、見渡すことが出来ません。
そして、村の雰囲気には、見覚えすら無かったのです。
「ここは、どこだろう?」と思いながら……人影を探しました。
そこで見かけた人は、アイヌ人でした。
つづきをご購入いただけます(200円) 購入方法はこちら
|
第八十二話「人の後ろに見えたモノ」(近世百物語) (播磨陰陽師☆雑記 管理人)
|
◎近世百物語・完全版
第八十二話「人の後ろに見えたモノ」
子供の頃、人の後ろに別な人が、見えていました。
それは、生まれた時から、十五・六歳の頃まででしたが……それが、とても嫌でした。
いつでも、見えているワケではありませんが……時々、恐ろしいモノも見えてました。
大人になってからは、集中しなければ、見えなくなりました。
それは、大人になることによって、その力を失ったのではなく……修行して、コントロールする手段を、学んだからです。
子供の頃は、とにかく自然に……それらを見ていました。
ある時、歯医者の待合室で……他の患者さんの後ろに、半透明のおばぁさんを見ました。
そのおばぁさんは、とてもニコニコしていたので……別に、怖くは、ありませんでした。
しかし、その人が外に出ると、近くにいた野良犬が……突然、吠え出したのです。
すると、その半透明の、おばぁさんが……突然、怖い顔で、犬を睨《にら》みました。
犬は、驚いて、きゃんきゃん鳴きながら、逃げて行きました。
その患者さんは、自分に吠えかかって来たハズの犬が逃げたので……不思議そうに頭を傾《かし》げていました。
私は、その時、その半透明のおばぁさんと、目が合いました。
すると、おばぁさんは、手を振って、挨拶してくれました。
また、ある時のことです。
つづきをご購入いただけます(200円) 購入方法はこちら
|
第八十一話「触れ合う記憶たち」(近世百物語) (播磨陰陽師☆雑記 管理人)
|
◎近世百物語・完全版
第八十一話「触れ合う記憶たち」
私は、人に触るのが……あまり好きな方では、ありません。
……と言うのは、触った人の記憶を、読み込むことがあるからです。
また、不用意に触ってしまった人に、わたしの記憶の一部が伝わることもあります。
昨日も、混雑したフェリーの中で、子供がぶつかって来た時……その子供を避けそこねて、手の一部が触れてしまいました。
すると、その子が立ち止まり、突然、泣き出したのです。
そして、親に、
「お化けを見たの……。」と、訴えています。
それは、お化けではなく……私の記憶の一部なのですが……その多くは、化け物に出会ったようなものばかりです。
最近、この近世百物語・完全版を書いていることもあり……古い記憶を順番に思い出しては……書けるモノと、書けないモノを選別しています。それは、特定の個人が出て来たり、今も続いている種類の出来事は、書くことが出来ません。
それらの記憶を、見ず知らずの子供が……受け取ってしまうことがあります。
もちろん、私自身が、他人の記憶を受け取ってしまう方が、多いです。
それは、物体の持っている固有の記憶だとか……個人の背景にある、本人も知らない種類の霊的な記憶とかです。
ある時は、霊的な、怖い体験をした友人の手が触れて……そのまま、その友人の記憶が再現されたことがありました。
その時は、幽霊を見た友人が……私に向かって、
「白い手に、腕をこのように掴まれた……。」と言って、私の手首を掴んだのです。
その瞬間、私の記憶の中では、その人の恐怖の体験が再現されました。
そして、その人の手首を掴んだ白い手の感触も、私の記憶の中に入ったのです。
その日の夜……自宅で眠っていると、壁から白い手が出て来て、私の手首を掴みました。
つづきをご購入いただけます(200円) 購入方法はこちら
|
第八十話「テレビの中の女」(近世百物語) (播磨陰陽師☆雑記 管理人)
|
近世百物語・完全版
第八十話「テレビの中の女」
ある時、テレビを見ていると……そのまま寝てしまったのか……放送が終わっていました。
画面は、ノイズの嵐になっていて……ザーッと言う音だけが、深夜の室内に響いていました。
目をこすりながら、電源を切ろうとした時……ノイズの嵐の中に、一瞬、女の顔が写りました。
それは、画面に反射したとかでは無く……明らかに、テレビの中に、写っていました。
その目が、辺りを物色するように眺めると……私を見付け……じっと、見つめ始めたのです。
……と,そのまま、目眩《めまい》が始まりました。
「やばい、憑依《のりうつ》られる……。」と思い、慌てて息を飲み……殆どの場合、これが悪いのですが……ハッとして気を取り直し、ゆっくりと深呼吸を始めました。
つづきをご購入いただけます(200円) 購入方法はこちら
|
第七十九話「屋根の上に立つ女性」(近世百物語) (播磨陰陽師☆雑記 管理人)
|
◎近世百物語・完全版
第七十九話「屋根の上に立つ女性」
お盆が近くなると……か、どうかは、分かりませんが……年によっては、夏に屋根の上の人を見ます。
それも、さまざまな、屋根の上に……いろいろな人を見ます。
走っている車の屋根の上に、体育座りをしている、半透明の女の人も……何度か見かけたことがあります。
しかし、その多くは……立っている方が、一般的だと思います。
「あの幽霊達は、なぜ、あんなところに、立っているのだろう?」と、何度か思いましたが……それには、共通点があるようです。
とても無謀な運転をする車に、多いようなのです。
ある時は……無謀な運転を繰り返すバイクの後ろに、半透明の女の人が、立っていました。
そのバイクが、交差点を曲がったところで、もう見えなくなりました。
歩いていると、そのバイクが消えた方向へ救急車が走って行きました。
ですので、
「そのバイクが、事故を起こしたのかも知れない……。」と思いました。
また、ある時は……車の上に立っているのを見た直後、その車が、事故を起こしました。
つづきをご購入いただけます(200円) 購入方法はこちら
|
第七十八話「画面に写るモノ」(近世百物語) (播磨陰陽師☆雑記 管理人)
|
◎近世百物語・完全版
第七十八話「画面に写るモノ」
まだ、コンピュータのモニタが液晶では無く……ブラウン管だった頃のことです。
ブラウン管には、後ろの景色が良く写りました。
室内での作業なので……いつも見なれた景色しか、見えないハズですが……時々、不思議なモノが、私の後ろを通り過ぎて行きます。
ゲーム会社で、真夜中にひとりで作業していた時のことです。
その頃は、まだ、文字の色がグリーンのみで……しかも、数字と英語だけが表示されています。
当然、日本語を表示することは出来ません。
ユニックスと言う種類の、研究開発用のワーク・ステーションだったので……三台がワン・セットで、いつも起動していました。
私は、その画面の、文字の中に書き込んだデータを見つめながら……ふと、考えごとをしていました。
片方の腕を頬《ほほ》について……もう片方の手で、メモを書いていると……画面が、ちらちらと、何かが反射しているようです。
文字を見つめていただけなので……画面の表面には、ピントがあっていません。
もう、ずいぶん遅い時間でもあり、目もボケていましたが……それにしても、ピントがづれすぎているようです。
「何だろう?」と思って、目をこすり……しっかり画面を見ると、何もありません。
「気のせいか……?」と思い気を取り直して、また、作業しました。
しばらくすると……やはり、画面に、ちらちらするものが見えます。
目を閉じて、背後の気配に気をくばっても、そこは、無音のままでした。
……と、目を開けて……その瞬間……画面にこちらを見つめる、大きな顔が、写り込んでいたのです。
つづきをご購入いただけます(200円) 購入方法はこちら
|
第七十七話「話しかけて来るモノ」(近世百物語) (播磨陰陽師☆雑記 管理人)
|
◎近世百物語・完全版
第七十七話「話しかけて来るモノ」
ある時、「無言の行」の最中のことです。
朝になって、
「おはよう。」と言われたので、あわてて、起き出して、
「おはようございます。」と、挨拶しました。
眠い目を擦りながら、開くと……そこには、誰もいませんでした。
時々、神道系の修行の為に、山に籠《こも》りますが……これは、その山で体験したことです。
無言の行は、三日三晩、言葉を使わない行です。
基本的には、言葉の穢《けが》れを祓うのですが……この時は、必ず罠《わな》が掛かるようです。
このように、思いがけない場所で、時々、話し掛けて来るモノがいます。
また、ある時は、京都の大きな神社の境内を……夜中に、友人と歩いていました。
そこで、その友人が、
「以前、このあたりに、小さな祠《ほこら》があって、そこを通ると、女の笑い声がすることがあったそうだ……。」と言いました。
ですので、
「どのあたりのこと?」と尋ねると、
「ああ、ちょうど、あの暗闇のあたりで……。」と、そこを指差した瞬間、そのあたりから、女の笑い声が響きました。
そのまま、友人は、真っ青になって、ひとりで走り出したのです。
私は……ただ、幽霊が笑っているだけのように感じたので……その場で、祓ってしまいました。
つづきをご購入いただけます(200円) 購入方法はこちら
|
第七十六話「祖母のおとぎ話」(近世百物語) (播磨陰陽師☆雑記 管理人)
|
◎近世百物語・完全版
第七十六話「祖母のおとぎ話」
子供の頃、良く祖母が、楠木正成《くすのきまさしげ》公のことを話してくれました。
子供が眠る時に、おとぎ話でもするかのような……しかし、それは、けして、楽しげではありません。
……と言うのは、軍紀物にあるような……楠木正成公の、血沸き肉踊るお話は、無かったからです。
どちらかと言うと、陰陽師としての正成公の伝説が中心でした。
あまり知られていませんが……正成公の伝説の中には、霊的なモノを退治した話が、多くあります。
われわれ播磨陰陽師が良く使う……「アマテラスオホミカミ」と唱える「十言《とこと》の神呪《かじり》」も、かの正成公が、息子に伝え残したものです。
祖母の語る話によると、
ある時、正成公の屋敷に、たくさんの幽霊が出ることがありました。
その幽霊達は、毎夜、屋敷の付近に現れては、家中の人々を恐怖に陥れたそうです。
それらは、みんな、正成公が殺した人々です。
家中の人々が、正成公に、
「恐ろしいので、幽霊をなんとかして欲しい……。」と訴えたそうです。
その願いを聞き入れた正成公は……幽霊が出た時に、雨戸を蹴破り、
「わしに殺された者どもよ……死んでも、まだ、まよって出るのか、哀れなヤツらめ……。」と言って、笑ったそうです。
すると、その言葉と、笑いに祓われた幽霊達は、二度と屋敷に出ることが無かったそうです。
その時、
つづきをご購入いただけます(200円) 購入方法はこちら
※今回は体験談ではなく、お祖母お様からのお話と、播磨陰陽師が学ぶ書物や血筋、そして、閻魔大王のお話です。
|
第七十五話「真冬の怪」(近世百物語) (播磨陰陽師☆雑記 管理人)
|
◎近世百物語・完全版
第七十五話「真冬の怪」
暑い暑い、真夏だと言うのに……ここらで、少し涼しげな、真冬の怪の思い出を、少し書いてみようかと……ちょっと思いました。
北の大地は、冬になると、厳しい吹雪《ふぶき》になります。
「雪女」と呼ばれる幽霊は、東北のものですので……蝦夷《えぞ》の土地には、いないと思います。
しかし、雪の中では、時々、不可思議な現象にみまわれます。
真冬に、吹雪になると……もう、自分の手を伸ばしたところが、見えなくなります。
目は、当然、開けられません。
耳も、風のひゅーひゅー言う音ばかり、聞こえると思いますが……私が中学生くらいの時、吹雪で避難していると、突然、音が聞こえなくなりました。
顔には、吹雪の雪や風が、どんどん当たって来るので、
「耳が、おかしくなったのかな?」と思いました。
耳は、とても冷えて……もう、ちぎれそうに痛くなっています。
その中で、音が聞こえなくなってたとしても……それは、不思議でも、何でもありません。
しかし、その時……遠くから、女の人の声が聞こえたのです。
無音に近い世界の中で……その女の人の声だけが、響いています。
つづきをご購入いただけます(200円) 購入方法はこちら
|
第七十四話「奇妙な人たち」(近世百物語) (播磨陰陽師☆雑記 管理人)
|
◎近世百物語・完全版
第七十四話「奇妙な人たち」
私は、時々、奇妙な人々に出会います。
それは、生きている人なのか、それとも霊現象のひとつなのか……それらについては、良く分かりません。
……と、言うのは、本人に聞くワケにも、行かないからです。
ある時、駅の構内で……頭が、ふたつ分くらいの大きさの人を見ました。
その人の頭は、普通の人のふたつ分くらいの大きさがありますが……それはまるで、別な頭の一部を合成したかのように見えました。
その人が、ゆっくりと歩いていました。
しかし、誰も気づいた様子はありません。
……と、言うことは……他の人には見えていないのか、さもなくば、
「見ないようにしているのでは?」と思いました。
そう言う時は、近くの子供を観察します。
まづは、人間である可能性を知る為……出来る限り、落ち着きの無い種類の男の子を探すのです。
落ち着きの無い男の子は、親に特徴があります。そう言う子の親は、姿勢が悪いのです。歩き方も、ばたばたした感じがします。
そう言う子連れの大人を見つけると、その子の視線を観察します。その視線の先に、不思議そうな人がいれば……その人は実在しています。
しかし、その子ですら、気づいていなければ……それは実在ではないのかも知れません。
この時は、そのような落ち着きの無い男の子が……その人を見ていませんでした。
これは、霊体である可能性があります。
……ですので、次に、
つづきをご購入いただけます(200円) 購入方法はこちら
|
第七十三話「隠れん坊」(近世百物語) (播磨陰陽師☆雑記 管理人)
|
◎近世百物語・完全版
第七十三話「隠れん坊」
子供の頃は、誰でもそうでしょうが……隠れん坊が、好きでした。ある事件に出会うまでは……良く、隠れん坊をして遊んでいました。
小学生の頃は、神社の境内で遊ぶことが多かったのですが……そこには、隠れる場所はありません。
事件の後は……もっぱら、神社の境内だけで、遊ぶようになっていました。
その神社の本殿の建物の中には、いつも白い着物姿の人がいて……守ってくれているような気がしていたのです。神職の人達は、横の建物に住んでいましたが……本殿には、いつも鍵が掛かっていました。儀式の時とか、祭りの時とかのみ、その鍵が開けられていたようです。
しかし、われわれ子供達は、時々、中に人影を見ていました。
そして、
「あの人が、いつも、守ってくれているんだ……。」と、本気で信じて、いたようです。それを「神様」とかは……誰も、呼んでいませんでした。いつも、ただ、「あの人」とだけ、呼んでいました。その人の正体は、今でも、分かりませんが……確かに、子供達を、守ってくれていたようです。……と、言うのは、守られていない子供が、ひとりだけ、近所にいたのです。その子だけは、「あの人」のことを信じていませんでした。
ある時、近所の子供達で、隠れん坊をしていました。
つづきをご購入いただけます(200円) 購入方法はこちら
|
第七十二話「廃屋の思い出」 (播磨陰陽師☆雑記 管理人)
|
◎近世百物語・完全版
第七十二話「廃屋の思い出」
子供の頃に住んでいた街には……まだ、戦争中に使っていた施設が、そのまま残されていました。
中でも、一番、目立つのは、陸軍の監視塔です。
それは、戦争中に……爆撃機が来るのを監視する為に、建てられたものです。
ただの巨大な、コンクリートの塔で……内部は、螺旋の階段が続いています。
そして、一番上の部屋の、大きな窓から……外が見渡せるたけのものでした。
私が、それに登って遊んでいた頃は……すでに、廃屋《はいおく》になっていました。
多くの他の監視塔は、すでに倒れていて……まるで、巨大なイカの輪切りのようにも見えました。
それが倒れると……途中で、いくつもに割れて、中の螺旋階段が、壊れます。
そして残った残骸は、リング状にちらばって行くのです。
それが、あちらこちらで、倒れていました。
街の中で、最後まで、倒れずに残っていた監視塔は……とても、私のお気に入りでした。
時々、その塔の上まで登ると、街の全体が、見渡せたのです。
そして、その内部の暗い螺旋階段は……ジメジメしていましたので……幽霊が出るのに、ピッタリする雰囲気でした。
ある夏の暑い日も、そこに登って涼んでいました。
つづきをご購入いただけます(200円) 購入方法はこちら
|
第七十一話「ゲーム会社での怪」(近世百物語) (播磨陰陽師☆雑記 管理人)
|
◎近世百物語・完全版
第七十一話「ゲーム会社での怪」
ビデオ・ゲームの会社へ通っていた頃……良く社内で、霊現象に遭遇することがありました。
当時、私は……ゲーム・センターのゲームを、開発する仕事をしていました。
会社では、企画とか、ゲーム・デザインとか、いろんなことをしていました。
開発したゲーム機は……バグ・テストと言って……プログラムに間違いがないかどうかのチェックをします。
その時は、開発スタッフ全員で……手分けして、バグ・テストを行います。
時には、夜中から、朝方まで……何日も作業が続くことがありました。
そんな時には、必ず、誰かが霊現象に遭遇します。
霊力の強い人が、スタッフに多かったりするのも原因でしょうが……夜中に、霊的に不安定な場所で働いていることにも、問題があったようです。
ある時、
「社内の廊下を、足だけで歩いているモノを見た……。」と言う、噂が立ちました。それも、同時に何人も、目撃したようです。
当然、私も、それを見ました。
それを見た場所は、開発ルームの廊下側のドアの向こう側です。
廊下側のドアは、スリガラスになっていて……そのガラス真ん中に、横木があります。
その上のガラスには、人影らしきものがありませんでしたが……下のガラスに、歩く足が、見えたのです。
それは、普通に歩いていました。
つづきをご購入いただけます(200円) 購入方法はこちら
|
第七十話 「硫黄島の思い出?」 (播磨陰陽師☆雑記 管理人)
|
◎近世百物語・完全版
第七十話 「硫黄島の思い出?」
それは、もう、二十年くらい前の……夏のことです。
カメラのフィルムを、現像に出したら……奇妙な写真がプリントされて、入っていました。
それは、砲塔のような感じの武器の写真と……どこか南の島の風景のでした。
これは、私が使っているカメラの……その中に入っているフィルムの写真です。
現像から返って来た写真の中に……行ったこともない場所の写真があることが、とても奇妙でした。
その現像された写真には……まったく記憶にない場所の写真が、含まれています。
それらは、すべて同じ場所のようでした。
見たところ、心霊写真のような、不思議さはありません。
ただ、観光でもして来たかのように……それは、現像から返って来たのです。
同封された、ネガ・フィルムにも……そのプリントされた写真と、同じ景色が、写っていました。
それが事実だとすると、私は、自分の知らない間か……さもなくば記憶が消えていたのか……その南の島へ、行ったことになります。
しかも、奇妙なことに……その写真は、フィルムの中で連続していません。
南の島の風景が、何枚か写っていて……その後、家の近所の写真になり……そして、何枚か、また、南の島になっているのです。
つづきをご購入いただけます(200円) 購入方法はこちら
|
第六十九話 「ひだるの神」(近世百物語) ※ご注意ください (播磨陰陽師☆雑記 管理人)
|
◎近世百物語・完全版
第六十九話 「ひだるの神」
※ご注意※
今回のテーマ「ひだるの神」は、大変危険な神ですので特に心してお読みください。この話を読めば祟るというものではありません。よく理解し対処いただくことで厄を起こさないようにしていただきたいというものです。姿勢や心を正し、祓詞を唱えるなど読者の皆様ご存知の方法で各自対処なさってくださいますようおすすめさせていただきます。(管理人)
われわれ、播磨陰陽師の、霊的な戦いの歴史は……「ひだるの神」との、戦いの歴史です。
「ひだるの神」は、またの名を「だり神」、またの名を「行合《ゆきあい》神」、またの名を……と、言うように、さまざまの別名を持ちます。
祠《ほこら》に関係した厄《わざわい》がある時……決まって、この神に遭遇することが、多くなります。
ある時は、阿倍野の某所で、「ひだるの神」が支配する祠を祓い……また、ある時は、四国の某所で……さまざまな場所に、「ひだるの神」が発生します。
「ひだるの神」は、「発生」……または、「変容」……または、「変異したもの」と考えられています。
この宇宙で、最も恐ろしい種類の存在で……いろいろな厄を、生み出すのです。
「ひだるの神」は、一般には、
「山などで、突然、体がだるくなる現象。」として知られています。
「ひだるの神」の「ひだる」とは、
「ひもじくて、そして、だるい……。」と言う意味です。
これは、「疲れる」の古語にあたります。
しかし、それは、この神の側面でしかありません。
ある時、祓いを頼まれた場所に、古い祠《ほこら》がありました。
つづきをご購入いただけます(200円) 購入方法はこちら
|
第六十八話 「乗り物の怪」(近世百物語) (播磨陰陽師☆雑記 管理人)
|
◎近世百物語・完全版
第六十八話 「乗り物の怪」
ある時、バスに乗っていると……ピンポンと、降車のボタンの鳴る音が、車内に響きました。
「えっ……誰?」と思ったのは……私しか、乗っていなかったからです。
これは、バスでは、良くある現象です。
私は、必ず……墓場の近くで……そのような出来事に遭遇します。
この時も、そうでした。
バスは、何事もないかのように停車し……そして、降車のドアが開きます。
もちろん、誰も降りるハズは、ありません。
だって、乗客は、私ひとり……なのですから……。
不思議そうに、車内を見渡す運転手が、
「降りんないんですね……。」と怒ったように言っていますが……最初から、ボタンすら、押していません。
そのまま、バスは発車し……そして、窓から外を見た時……そこに、黒い人影のようなものが見えました。
子供の頃は……ボンネット・バスが、まだ、走っていました。
あのバスは、車掌さん……いわゆるバス・ガールが乗っていて、切符を売ってくれました。
そして、
「次は、どこどこです……お降りの方は、お知らせください……。」と言った、案内まで、してくれました。
まだ、子供の頃の話ですが……ある時、とても陰気なボンネット・バスに、乗ったことがあります。
つづきをご購入いただけます(200円) 購入方法はこちら
|
第六十七話 「学校」(近世百物語) (播磨陰陽師☆雑記 管理人)
|
◎近世百物語・完全版
第六十七話 「学校」
私は、中学生一年生の時だけ、いつも一緒に遊んでいた友達の……顔も名前も、思い出せません。
……と言うのは……本当にその人が、実在の人だったのかどうかも、分からないからです。
その友達とは、いつも遊んでいましたが……不思議と授業中に、どこにいたのか記憶がありません。
そして、その友達が誰なのかも分かりません。
学校が終ってから……どこかへ遊びに行くとか……または、一緒に帰ると言ったことも、ありませんでした。
ただ、休み時間にだけ、いつも同じ場所で待っていてくれるのです。
そこは、学校の中では「幽霊が出る場所。」と言われていました。
……ですので、他の人は、誰ひとり来ませんでした。
ある時、その友達に向かって……シャーペンのようなものを、投げたことがありました。
ふざけて投げたのですが……運が悪いことに、その友達の首に、刺さってしまいました。
しかし、その友達は、平気な顔をして、
「大丈夫、これくらいじゃ平気だよ……。」と言って、笑いました。
しかし、そのシャーペンはかなり深く刺さっていたのに、血が出ていなかったのです。
その友達は、自分で刺さったシャーペンを、抜きました。
その時、私は、おそるおそる、
「人、なの?」と尋ねました。
すると、その友達は、
つづきをご購入いただけます(200円) 購入方法はこちら
|
第六十六話 「旅館の怪」(近世百物語) (播磨陰陽師☆雑記 管理人)
|
◎近世百物語・完全版
第六十六話 「旅館の怪」
もう、百物語も、第六十六話となりました。
かなり書いていて、今さら何ですが……百物語、どころか……数百物語位の勢いになっています。
最終的には、300物語を超え……400物語近くに、なるかも知れません。
……と言うのは……ひとつの物語に、霊体験を4つ位づつ書いてしまうからです。
ひとつくらい幽霊を見たからと言って……それを書いても、数行程度にしかなりません。
ですので、いろいろと書いている内に、かなりの量になってしまいました。
……と、言うことで、これからも、播磨陰陽師である私の……霊的な体験と、それに関する伝承等の物語は続きますが、よろしくお願い致します。
さて、私は旅行が、あまり好きではありません。しかし……頻繁に旅行することがあります。
旅行先では、当然、ホテルや旅館など宿泊施設に泊まることになりますが……さまざまな怪奇現象に遭遇します。
出来る限り、怪しげな場所は、避けているつもりですが……そう思っているだけで、やはり、霊的な物事がついてまわります。
ある時、泊まったホテルでは……大きな足音が、どんどんと、床を踏み締めていました。足音だけしか聞こえませんが……とても、うるさいので……なかなか眠れませんでした。
つづきをご購入いただけます(200円) 購入方法はこちら
|
第六十五話 「ひとつ火」(近世百物語) (播磨陰陽師☆雑記 管理人)
|
◎近世百物語・完全版
第六十五話 「ひとつ火」
私は、小さな火が嫌いです。
焚き火のような、わりと大きな火は……それほど、嫌いではありません。
小さな火が嫌い、と言うか……いくつか、とても怖い思い出が、あるのです。
ですので、ロウソクの炎のような、小さな火を嫌う傾向があります。
幼い頃は、ロウソクの火が、とても嫌いでした。
ある時……暗い道ばたで、堤灯《ちょうちん》にロウソクだけを持って歩く種類の……不思議機なモノに、出会ったことがあります。
それは、子供のような姿でしたが……いつも、着物を着ていました。
つづきをご購入いただけます(200円) 購入方法はこちら
|
第六十四話 「キツネつき」(近世百物語) (播磨陰陽師☆雑記 管理人)
|
◎近世百物語・完全版
第六十四話 「キツネつき」
時々、いわゆる「キツネつき」を、落として欲しい……と、頼まれることがあります。
しかし、実際は、ただの精神的なモノである場合が多く、本当のキツネつきは、稀にしかありません。
霊的なキツネには、おおむね二種あります。
それは、大別すると……「善狐《ぜんこ》」と「野狐《やこ》」と呼ばれるものです。
善狐には、六つの種別があります。
金狐《きんこ》、銀狐《ぎんこ》、白狐《びゃっこ》、黒狐《こっこ》、天狐《てんこ》と……そして、空狐《くうこ》です。
金狐・銀狐は、日月の化身で……「ダキニ」とも呼ばれています。
白狐は、別名を「神狐《しんこ》」と言います。
神狐は神の眷属ですので、
「良く人を導き、あるいは術を与える。」と伝わります。いわゆる、稲荷明神……お稲荷さんなんかは、これです。
つづきをご購入いただけます(200円) 購入方法はこちら
※ここまで書いてしまっていいのでしょうか…と、驚く内容でした。(管理人)
|
第六十三話 「心霊写真のあれやこれや」(近世百物語) (播磨陰陽師☆雑記 管理人)
|
◎近世百物語・完全版
第六十三話 「心霊写真のあれやこれや」
世の中には、心霊写真と呼ばれるものがあります。
その多くは、錯覚ですが……中には、錯覚と、言いがたいモノもあります。
私は、自分で心霊写真を撮ることは少ないですが……職業柄、心霊写真の判定や、お祓いを頼まれることが多いです。
心霊写真は、自動プリント・マシンが開発されてから、世の中に増えました。
それまでは、写真屋さんが手作業で現像していましたので……奇妙な写真は、おおっぴらに現像されることが、ありませんでした。
また、ポラロイド写真も、心霊写真が増えた原因のひとつです。特に、念写は、もっともポラロイドの出番のようでした。
心霊写真に良くある「スカイ・フイッシュ」は、古語にはありません。
これは、未だその存在を知られていない霊現象か……さもなくば、それ自体、霊現象ではないのです。
しかし、時々、スカイ・フイッシュの写真を持ち込む人がいます。
あれは、虫の一種が、1/60秒のシャッター・スピードの中で撮影されたものです。
けして、霊現象では、ありません。
錯覚ではありませんが……そもそも、霊的なものですら、ないのです。
オーブと呼ばれるものも、錯覚が多いです。
つづきをご購入いただけます(200円) 購入方法はこちら
※後半に錯覚と、言いがたいモノについて書かれています。
|
第六十二話 「仏法嫌い」 (播磨陰陽師☆雑記 管理人)
|
◎近世百物語・完全版
第六十二話 「仏法嫌い」
私は、自他共に認める、仏法嫌いです。
播磨陰陽師は、神道系の陰陽師ですので……先祖代々、仏法そのものを嫌います。
……と、言うのは……先祖が仏法に滅ぼされた、物部一族の末裔にあたるからかも知れません。
伝承にも、
「われらは、仏法僧《ぶっぽうそう》を、嫌う者なり。」と伝わります。
しかし、陰陽道には、仏法系の陰陽師達もいます。
彼等は「法師陰陽師」と呼ばれ、区別されています。
特に、播磨の国では……かつて、播磨の国に住む「法師陰陽師達」を、忌み嫌っていました。
それは、かつてわれわれの祖先が、法師系の陰陽師との戦いの歴史を持つからです。
そして、どの場合も、われわれが勝っています。
そんな私が、幼い頃……仏壇に、ボールをぶつけてしまったことがあります。
その日の夜、夢の中で、化け仏の悪夢にうなされました。
かなり怒っている仏像のようなものが……私の夢にあらわれて……ここにはとても書けないような言葉で、私を罵ったのです。
つづきをご購入いただけます(200円) 購入方法はこちら
|
第六十一話 「生き物を食べる不思議な草」(近世百物語) (播磨陰陽師☆雑記 管理人)
|
◎近世百物語・完全版
第六十一話 「生き物を食べる不思議な草」
以前、「近世百物語完全版・第44話」に、猫を食べる道について書きましたが……私は、「子犬や小動物を食べる植物」と言うものを、見たことがあります。
植物図鑑や資料では、それらを見たことがないので……それは、霊的な世界の住人なのかも知れません。
その植物は……多くは、蔓《つる》系の植物です。
その植物を……人里と山の中間くらいの場所で、時々、見かけました。
それが、そう言う種類の植物だと分かったのは……小さな動物の骨が、いつも近くにあったからです。
ある時、その植物を見たら……そこに、子犬が引っ掛っていました。
つづきをご購入いただけます(200円) 購入方法はこちら
|
第六十話 「お遍路さんなど/赤い着物の男の幽霊」(近世百物語) (播磨陰陽師☆雑記 管理人)
|
◎近世百物語・完全版
第六十話 「お遍路さんなど/赤い着物の男の幽霊」
子供の頃、お遍路《へんろ》さんを、良く見ました。
四国の八十八ヶ所を歩く……あの、お遍路さんです。
行くところへ行けば……そう珍しい姿では、ないのでしょうが……なにせ、十勝平野のことです。
北海道には、弘法大師の霊場など、あろうハズもありません。
それどころか、寺や、霊場すらも……あまり見かけません。
そして、そのお遍路さん達の姿を……いつでも必ず、祖母の家の近くでのみ、見ていました。
しかも、夕方か、夜にしか見たことがありません。
お遍路さんどころか……虚無僧《こむそう》の姿も、托鉢僧《たくはつそう》の姿も……それから、法華衆《ほっけしゅう》や、山伏《やまぶし》や、瞽女《ごぜ》の姿さえ……祖母の家の近くでは、珍しくありませんでした。
今にして思えば、
「それは、とても、不思議なことだ……。」と思いました。
……と、言うのは、昭和の30年代中頃から40年代にかけてのことです。
それらの人々は、町を歩いていたでしょうが……それは、それらの人達に関連して、霊場とか施設があってのことです。
なにもないハズの、十勝平野の真ん中で……しかも、アイヌ人達の聖地の近くを歩いているなんて……とても、不思議でなりません。
つづきをご購入いただけます(200円) 購入方法はこちら
|
第五十九話 「日蝕・太陽が隠れる時」(近世百物語) (播磨陰陽師☆雑記 管理人)
|
◎近世百物語・完全版
第五十九話 「日蝕・太陽が隠れる時」
今日、2009年7月22日は、日蝕《にっしょく》のようです。
日蝕は、太陽が隠れる現象ですが……これは、古くから、不吉なものとして考えられています。
古事記の中にも……日の神が、お隠れになって後、
「神々、手足の置きどころなく……よろづの厄、ことごとく起これり。」と伝わっています。
いつだったか、日蝕の時に、幽霊の大軍を見たことがあります。
街に溢れるような不気味な黒い人影の集団だったので……もしかすると、幽霊ではなかったのかも、知れません。
その時は、たくさんの不気味な気配がして、さわがしい気がしました。
なにやら、心が落ち着かず、少しイライラもしていました。
天候に影響されて、このような体験をすることも多いので、
「出来る限り、気を落ち付けよう。」と思いながら、窓から外の景色を見ていました。
その時です、日蝕が始まったのか、少し景色が暗くなりました。
そして、その薄暗い景色の中に、ぽつんぽつんと、人影が見えだしたのです。
つづきをご購入いただけます(200円) 購入方法はこちら
※今回は、日蝕の過ごし方なども書かれていますので、発行の時間を早めました。
|
第五十八話 「首吊りの木/自殺するとどうなるのか」(近世百物語) (播磨陰陽師☆雑記 管理人)
|
◎近世百物語・完全版
第五十八話 「首吊りの木/自殺するとどうなるのか」
小さい頃、大きな木が、実家の近くにありました。
それは、大人が、何人も手をつないで囲むような……とても太い木です。
むかしは、このような木が、たくさんあったようです。
木には、不思議な力があると聞いています。
子供の頃に、実家の近くにあった何本かの木は、自殺の名所のようでした。
それらは、むかしから「首吊りの木」と呼ばれていました。
どの木も、ちょうど良いところに……首吊りのロープをつなぐ、枝がありました。
木と言えば、今、住んでいる大阪の土地には、何本も祟りの木があります。
私が良く行く、玉造のあたりにもありますし、その他の場所でも、見かけます。
共通しているのは、
「ノコギリを入れた瞬間、その人が死んだ。」とか、
「白い煙が立って、関係者が高熱で苦しんだ。」とか言った噂です。
つづきをご購入いただけます(200円) 購入方法はこちら
※今回、祟りの木を紹介していますが、雁多氏自身の不思議な体験はありません。また、播磨陰陽道での自殺後の世界を記しています。自死をお考えの方や、そんな方が周囲にいらっしゃる方にご参考にしていただきたいと存じます。(管理人)
|
第五十七話 「目をそむける人々」(近世百物語) (播磨陰陽師☆雑記 管理人)
|
◎近世百物語・完全版
第五十七話 「目をそむける人々」
これは、セミナーでも良く話しますが……以前、JRの福島駅で、幽霊を見ました。
もちろん、真昼間です。
私は、友人と駅の改札を出て……ふと、妙なことに気づきました。
改札の前の人の流れが、ある場所を避けるように、流れているのです。
かなり混雑した時間帯にもかかわらず……すべての人がある一箇所を、見ないようにして歩いています。
ふと、そこを見ると、女の子が立っています。
全員が、その女の子を避けるように、歩いているように見えました。
「なんで、あの女の子を、みんな、見ないのだろう?」と指さして、つぶやくと、その友人は、
「えっ、そこには誰も、いないよ。」と言って、反対側を見ています。
ですので、
「そっちではなく、あっちだけど……。」と言って……さらに、強く、指さしました。
しかし、その友人は、
「えっ、見ているけど、誰もいないって……。」と言い続けます。
ふと、不思議に思い、その女の子の姿を見ると……
つづきをご購入いただけます(200円) 購入方法はこちら
|
【無料版】第五十六話 「溺れた時のこと」(近世百物語) (播磨陰陽師☆雑記 管理人)
|
◎近世百物語・完全版
第五十六話 「溺れた時のこと」
今回の話題は、すでに夢日記で公開されていることもあり、無料と致します。
雨を降らせることを、雨乞いと言います。
雨乞いは、必ず河魄《かはく》に願うと知ったのは、まだ中学生の頃でした。
祖母の言葉に河魄の正体を知り、
「では、願ってみよう。」と思いたち、河魄の像を粘土で作って祈ることしばし、やがて、たいへんな雨が降り出しました。
それを知った祖母は、
「二度と、河魄に願うな。これは禁止じゃ。」と、私を怒りました。
祖母は河魄を、恐れているようでした。
それは、私が、幼い頃……川で溺れて死にかけたことに関係しているような気がします。
私には、川で溺れた記憶がありますが……最近まで、その頃のことを忘れていました。そして、夢で、その時の記憶が再現され、すべてを思い出したのです。
それは、2007年6月27日(水)に見た夢です。
ランキングキャンペーン中ログイン不要&無料でご覧いただけます。ランキングをクリックしてご覧ください。(クリックで開いたウインドウを閉じて、続きをご覧ください。)
|
第五十五話 「虫ノシラセ」(近世百物語) (播磨陰陽師☆雑記 管理人)
|
◎近世百物語・完全版
第五十五話 「虫ノシラセ」
世の中には、奇妙な虫達がいるものです。
そして、時々、奇妙な飛び方をして、人の世に何かを知らせようとするようです。
祖母は、良く、
「虫が妙な飛び方をする時、虫ノシラセが起きる……。」と、言っていました。
ある時、窓を完全に閉め切っているのに……まるでガラスを突き破るかのように……大きな蜂が、家の中に入って来たことがあります。
その蜂は、狂ったように室内を飛びまわり、やがて消えるように、姿が見えなくなりました。
間もなく、
「親戚が亡くなった。」と言う連絡が入りました。
その時、祖母は、
「ああ言う風に、虫が奇妙な飛び方をする時は、誰か身内が亡くなったことを、知らせているんだよ……。」と、言いました。
また、ある時は、大きな虫のようなモノが……ずっと私の後に、付いて来たことがあります。
つづきをご購入いただけます(200円) 購入方法はこちら
|
第五十四話 「黒い穴」(近世百物語) (播磨陰陽師☆雑記 管理人)
|
◎近世百物語・完全版
第五十四話 「黒い穴」
ある時、和歌山県の自殺の名所に……友人達と、旅行したことがあります。
別に、そこへ行きたかったのではなく……たまたま、その付近の観光地が、自殺の名所だったのです。
その時、洞窟のような場所に行くことになりました。
すると、私の目の前に、野良猫がやって来て……足元で、脅すように唸り声を上げたのです。
なにやら、不気味な猫の唸り声は……とても、不思議な気がしました。
ふと、気がつくと……野良猫が座っている後に、小さな祠が見えました。
その祠が、いったい何を意味するのか……その時は、分かりませんでした。
しかし、現実問題として、その祠より先に行くことが出来ません。
それほど、その野良猫は、不気味に唸っていました。
しかたなく、私だけは行くことを諦めて……友人達は、その先へ行きました。
野良猫の前を、行き過ぎようとさえしなければ……猫は、とても、おとなしかったのです。
しばらく、猫を見ていると……悪そうなヤンキー風の男女が、近くの崖に座りました。
そして、あろうことか、自殺の真似事をし出したのです。
まるで、自殺した人々をバカにするかのように……へらへら笑いながら、飛び込むふりをして楽しんでいます。
「なんて不謹慎なことを……。」と思いましたが、猫が睨んでいたので、
「たぶん、何かが起きるのだろう。」と思いました。
すると、突然、そのふたりの近くに……ぽっかりと、黒い穴が開いたのです。
つづきをご購入いただけます(200円) 購入方法はこちら
|
第五十三話 「デ・ジャブ」(近世百物語) (播磨陰陽師☆雑記 管理人)
|
◎近世百物語・完全版
第五十三話 「デ・ジャブ」
良く「デ・ジャブ」と言う言葉を耳にします。
デ・ジャブは、フランス語だそうです。
これは、一度も経験したことのない出来事を、夢で見たりするものです。
子供の頃は、未来に行く場所とか、出来事とか、会う人の夢を見ました。
かなり頻繁に見て、記憶していました。ですので、自分の未来を、ある程度、知っていました。
大人になってからは、そう言った夢を見ることは、少なくなりましたが……それでも、時々は、見るのものです。
デ・ジャブは、最近は、夢でしか診ませんが……子供の頃は、まるで白昼夢のようなものを見る時がありました。
いつだったか、小学生位の時、目の前で、私が車に轢かれるのを見て、ハッとしました。
すぐに、立ち止まると……目の前に、突然、信号無視の車が通りました。
もし、その白昼夢を見ていなければ……その場で、死んでいたかもしれません。
その時、私が持っていたお守りが、パキンと音を立てて割れました。
後で、そのことを祖母に話すと、
「お守りは、人の身代わりになって割れることがある。」と言われました。
お守りは、基本的には、ただの小さな板に過ぎませんが……危険の身代わりとなり、割れると言う……不思議な体験を、させてくれます。
私は、何度かデ・ジャブのようなものを見て……それが現実となり……危険を回避することが出来ました。
……ですので、今でも生きていられますが……これは、とても、ありがたいことです。
ある時は、事故に巻き込まれる夢を見ました。
つづきをご購入いただけます(200円) 購入方法はこちら
|
第五十ニ話 「コロポックル」(近世百物語) (播磨陰陽師☆雑記 管理人)
|
◎近世百物語・完全版
第五十ニ話 「コロポックル」
祖母が、まだ幼い頃、
「何度も化け物に出会って、その度に、おじぃが退治してくれた……。」と、話してくれました。
この化け物を退治したのは……祖母の父ではなく……祖母の祖父のことした。
祖母の祖父は、若い頃に内地から逃げて来たので……随分、苦労して開拓したと言っていたそうです。
明治政府は、陰陽師を禁止し、討伐隊まで出しました。
「陰陽師は、徳川幕府の威光を笠にきて、諸国を自由に行き来するので、断じて禁ずるべきである。」と言うのが、その理由だそうですが……私は、この言葉の意味が、今でも、分かりません。
ただ、別な理由があって、この不思議な理由をつけたとしか思えないのです。
それについては……祖母が、祖父に尋ねた時、
「あれは、われわれの政府でも、そして、われわれの国ですらない……。」と、笑っていたそうです。
そして、
「われわれの国は、今でも……そしてこれからもずっと、播磨本国にある。」と言っていたそうです。
その曽祖父が、昭和の中頃まで生きていたのですから……とても、不思議で、なりませんでした。
最近、友人の……生まれて間もない子共を見て……この子が老人になった、22世紀の始めに、孫達に向かって、
「おばぁちゃんはなぁ……子供の頃に播磨陰陽師に出会った……と、言って笑って欲しいな……。」と思いました。
さて、祖母は、
「後になって、アイヌ人のシャーマン達に、随分、呪いをかけられたが……なんでも、おじぃが祓ってしまうので……アイヌ達も終いには根負けして、とても仲良くなった……。」と言っていました。
そして、その時に、なんでも祓える秘伝の祝詞である「祓詞《はらえことば》」を教えられました。
私は、その時から、この播磨陰陽師が使う「祓詞」を使っています。
つづきをご購入いただけます(200円) 購入方法はこちら
|
第五十一話 「祖母のお客様」(近世百物語) (播磨陰陽師☆雑記 管理人)
|
◎近世百物語・完全版
第五十一話 「祖母のお客様」
何度か、他の百物語にも書来ましたが……幼い頃、私は良く、祖母の家に預けられていました。母が病弱であったこともあり……それと、私が祖母の家を気にいっていたこともあり……幼児期の記憶のほとんどは、祖母の家での出来事です。
祖母の家に泊まっている時……時々、深夜に訪問者がありました。
祖母は、
「ゆんぺも、お客様が……また、来た……。」と、朝になって言っていましたが……何をしに来るのかは、知りませんでした。
私は、何度か、寝たふりをして……そのお客様の影を、見たことがあります。
影を見たのは……お客様が……いつも、縁側の、障子の向こうに立っていたからです。
お客様は、満月の晴れた夜に、多かったような気がします。それも、みんな、縁側の……開いている雨戸の隙間から、入って来ます。
つづきをご購入いただけます(200円) 購入方法はこちら
|
第五十話「トコヨ春の国」(近世百物語) (播磨陰陽師☆雑記 管理人)
|
◎近世百物語・完全版
第五十話「トコヨ春の国」
この近世百物語・完全版も、もう50話になりました。
読者の皆様、いろいろと、ありがとうございました。これから、後半となりますが、よろしくお願い致します。
さて、第四話で書いた、姉のような優しい幽霊達が……最近、夢にあらわれることが増えました……。
もう私の年令は、彼女達の死んだ歳より……ずっと上になってしまいました。ですが……あの場所に帰ると、私は子供に戻るようです……。
いつも同じ場所、いつもと同じくあたたかく迎えてくれる優しい家……それが例え幽霊屋敷であっても、時々、ふと、懐かしく……帰りたくなります。
彼女達……姉たちが夢の中で語るには、
「生きている人たちが、常世春の国と呼んでいる場所にいる。」そうです。
「トコヨ春の国」あるいは「トコヨの国」は、
つづきをご購入いただけます(200円) 購入方法はこちら
|
【無料版】第四十九話「夢で過去の人々に問う」(近世百物語) (播磨陰陽師☆雑記 管理人)
|
◎近世百物語・完全版
今回のブログ「近世百物語。完全版」の第49話も……他のブログ同様、やはり番号が不吉と言うこともあり……「無料」といたします。 今回はコピーも可能です。引用される際は「播磨陰陽師の伝承では…」「尾畑雁多によると…」と、出典を明らかにしてください。(著作権について)
次回からは、また、有料となりますことを、予め、ご了承ください。ちなみに……次回は、第89話まで、無料がありません。
さて、このブログ「近世百物語・完全版」は……私の個人的な霊体験を、つづったものです。私は、子供の頃に……すでに、普通の霊能者が一生で体験する量の、霊体験を……越えた体験をしていました。
今回、その思い出を書くにあたって……様々な霊現象の体験談と、それにともなう播磨陰陽師の伝承を書いています。
これらは、ただの幽霊話や、怪談の類ではありません。ただ、怖いだけのお話を望まれる方は、そちらをお探しください。
なお、ブログの多くは有料ですが……それは、クリックするたびに料金が必要だと言う意味ではありません。一度、料金をお支払いになった部分は……ずっと何度でも、お読みになることが出来ます。
それでは……本編を、はじめます。これは、毎回、完結していますので、ストーリー的には続いていません。では、よろしくお願い致します。
◎第四十九話「夢で過去の人々に問う」
われわれ播磨陰陽師は、夢の中で、さまざまな術を使います。
それは、現実の世界で知りたいことを、夢を使ってサポートする技法です。
多くの場合、過去に存在した人で、知識を蓄えている人をターゲットとします。
そして、夢の術を使って、その人物に接触し、必要な情を得るのです。
ランキングキャンペーン中ログイン不要&無料でご覧いただけます。ランキングをクリックしてご覧ください。(クリックで開いたウインドウを閉じて、続きをご覧ください。)
|
第四十八話「カラス」(近世百物語) (播磨陰陽師☆雑記 管理人)
|
◎近世百物語・完全版
第四十八話「カラス」
カラスには、さまざまな、思い出があります。
子供の頃に住んでいた土地は、カラスが、とても多い土地でした。今では、どこでも多いようですが……しかし、子供の頃に見たような、カラスの大群を見ることは稀です。
祖母は、
「カラスは頭が良く、人の顔を覚えるので、悪さをすると復讐される……。」と言っていました。
そして、多くなりすぎたカラスを退治しに行って、逆に、攻撃された人の話を聞かされました。
しかし、カラスは、悪さをされたより……守ってくれたことの方が多いです。
ある時、九州の高速道路を、クルマで走っていました。
とても、視界が悪い雨の日でした。
高速道路で、時速100キロで走行している時……突然、クルマのエンジンが停止しました。
ボンネットから白い煙が出て……クルマは路肩に、停車しました。
その時です。
車から見えるすべての方向の、電線や、止まれるものすべてに……カラスが飛んで来て……止まったのです。
見渡す限り、カラスが見えました。
何羽いるのか、見当もつきません。そのカラスの大群に、われわれは囲まれてしまいました。
しかし、まるでそれは……その事故から、われわれを守ってくれているようでした。ですので、事故処理の車が到着するまで……そこで安全に、過ごすことが出来ました。
カラスと言えば、
「カラスは、良く、人の噂話をする。」と伝わっています。
つづきをご購入いただけます(200円) 購入方法はこちら
|
第四十七話 「水の話」(近世百物語) (播磨陰陽師☆雑記 管理人)
|
◎近世百物語・完全版
第四十七話 「水の話」
大阪は、まだ七月だと言うのに……毎日が、真夏のような気温です。熱い日は、水の事故が多くなるので、注意したいものです。
子供の頃、祖母の家に井戸がありました。その頃でも、かなり古い井戸でしたので……いろいろと、それにまつわる話を聞いて育ちました。
人が死んだ時、
「井戸の奥に向って死んだ人の名を叫ぶと、その人が生きかえる。」と言う、迷信があります。
昔は、かなり一般的に信じられていたようで……黒澤映画の中にも、それを描写したシーンを見たことがあります。
曾祖父が死んだ時……祖母たちが井戸の奥に向って何かを叫んでいた……ような、記憶があります。
ですが……まだ幼い頃だったので、その記憶は、定かではありません……。
そう言えば……むかし祖母の家で額に入れて飾ってあった写真を……曾祖父の遺影だと思いこんでいたました。
しかし実際は、その写真は……祖母の祖父にあたる人のものでした……。
私から数えて四代前にあたるその人物は……幕末か、明治初期……たぶん写真がこの国にもたらされた当時のものだと思いますが……最初に、蝦夷地に入植した先祖のようです。
彼は、江戸時代の生れでした。そして彼は、一族と共に明治政府の陰陽師討伐から逃れ、蝦夷地につきました。蝦夷地で、厳しい自然や恐ろしいヒグマ……そしてアイヌ人達と戦いながら、その一生を、終えたそうです……。子供の頃、祖母に聞いた数々の祖父の話は……私の曾祖父ではなく、祖母の祖父にあたる人の話でした……。
この四代前の先祖が、霊的な能力とそれらにまつわるノウハウを祖母に伝え……私がそれを受け継いだのです。さらに、彼は、武家として生まれた人でもあったので……先祖から伝わる様々な武家の伝承を、細部にわたって伝え残し……子孫の内のただひとりに、その膨大な情報を託したのでした……。
その情報の中には、水にまつわる霊的なものも、多くあります。
つづきをご購入いただけます(200円) 購入方法はこちら
|
第四十六話「壊れて行く機械」(近世百物語) (播磨陰陽師☆雑記 管理人)
|
◎近世百物語・完全版
第四十六話「壊れて行く機械」
以前……私が、原因不明の病気で入院していた時……看護師の持っている医療用携帯端末の通信が、頻繁に切れることがありました。
看護師は、いつも私のそばで、
「また、データを送ることが出来ない……。」と言っていました。
何回か……メーカーの技術者が、調査に来ました。
それでも原因は、分からなかったらしく……ある日、機材を抱えた技術者が、何人もやって来ました。
そして、私のベッドのまわりの電波の受信状況を、丹念に計測して行きました。
その結果、
「原因は不明ですが、院内でこの場所だけが、受信感度50%以下に落ちます……。」と、言いました。
その場所に寝ている私は、
「不思議なことも、あるものですねぇ……。」と、だけ、答え……にが笑いしました。むこうも、首を傾げていました。
そう言えば、病室のテレビのリモコンがきかなくなったり……突然、音声が小さくなったりし続けていますが……あまり、気にしていませんでした……。
私のまわりで起きる不可思議な現象を……いちいち気にしていては、キリがありません。
「常に機械は、誤動作するもの。」と、いつも思っています。
つづきをご購入いただけます(200円) 購入方法はこちら
|
第四十五話 「魔魅など」 (近世百物語) (播磨陰陽師☆雑記 管理人)
|
◎近世百物語・完全版
第四十五話 「魔魅など」
北海道には、動物としてのタヌキがいません。
……ですので、人を化かす種類のタヌキのことを全般に「ムジナ」と呼ぶようです。こう呼んでいるのは、祖母だけかも知れませんが……正確には「魔魅《まみ》」と呼ばれます。
祖母によると……夕暮れに、道端に、時々、出現するそうです。
これは両手を広げて、人を驚かす種類の現象で……その多くは影のように黒く、そして、大きいと言っていました。
私は、それが魔魅なのかどうか分かりませんが……子供の頃、不思議な大きな黒い影を、見たことがあります。
それは、やはり夕暮れ時でした……。
その時間を、古くは「たそがれ」と言いますが、朝方の、ほんのりと明るい時間を「かわたれ」と言うそうです。これらは単に「誰そ彼」と「彼は誰」と書き、ほとんど同じ意味を持ちます。そして、この朝の時間にも、不思議な現象が、ついてまわります。
私が、魔魅を見たのは、夏のキャンプの夕暮れ時でした。
つづきをご購入いただけます(200円) 購入方法はこちら
|
第四十四話 「猫がささやく」(近世百物語) (播磨陰陽師☆雑記 管理人)
|
◎近世百物語・完全版
第四十四話 「猫がささやく」
以前、自宅の庭で……野良猫が「恐い」と鳴くのを聞きました。
毎晩のように、その野良猫が自宅の庭を訪れ……猫のような、人のような声で、鳴くのです。
真夜中に鳴く猫の「こわい」としか聞こえない声は、恐ろしい物事を引き寄せるのでしょうか?
恐ろしく感じる言葉が心の中にあると……常に、恐ろしい現実を呼びます。
恐怖は、恐怖を呼び、やがて死をつくるのです。
幽霊や物ノ怪は気のセイであるとも言えます。
しかし、
「自分の心が造り出し、自分と自分の 周りの心を持つものの現実を変化させる。」とも言えます。
どこまでが現実なのか……そして、どこからが幻覚や夢の一部なのか……については、分かりません……。
日がさして、辺りの暗さが少し明るくなった時……その猫が、また現れました。
窓から庭を見ると、トラジマのその野良猫の尾の先が、白くなっています。
「猫の尾の、二又になりて物の怪となるは、まづ、尾の先が白く変わる。」と、口伝の一節を、その時に思い出しました。
つづきをご購入いただけます(200円) 購入方法はこちら
|
第四十三話「デパートの怪」(近世百物語) (播磨陰陽師☆雑記 管理人)
|
◎近世百物語・完全版
第四十三話「デパートの怪」
高校生くらいの時ですが……市内のデパートへ遊びに行くと……たしか、呉服売り場でしたが、
「番頭さん、番頭さん。」と叫ぶ、老夫婦を見ました。
デパートで「番頭さん」とは……もう、そんな時代でもないのですが……ひたすら叫んでいます。
しかし、誰も、その老夫婦に対応することすらないのです。それ見て、とても不思議に感じました。
その老夫婦は、着物を着ていました。そして、まるで時代劇で見るような、ちょっと古風な髪形でした。祖母が、日本髪を結っていたことがあったので、そんなに不自然には感じませんでした。しかし、まわりの人が無視しているのを、とても、不思議に思ったのです。
ふと、
「ああ、この二人は、幽霊なのか……。」と思いました。
「……にしては、うるさい幽霊だな……。」と思いながら、見ていると、その場でかき消すように、姿が見えなくなりました。
デパートと言えば……ある時、デパートの階段で、「グリコ」で遊ぶ子供を見ました。「グリコ」は……子供が良くする……ジャンケンをして「グリコ、チヨコレイト、パイナツプル……。」と進む、アレです。
つづきをご購入いただけます(200円) 購入方法はこちら
|
【無料版】第四十ニ話「黒い鼠」(近世百物語) (播磨陰陽師☆雑記 管理人)
|
◎近世百物語・完全版
今回のブログ「近世百物語。完全版」の第42話も……他のブログ同様、やはり番号が不吉と言うこともあり……「無料」といたします。
今回はコピーも可能です。引用される際は「播磨陰陽師の伝承では…」「尾畑雁多によると…」と、出典を明らかにしてください。(著作権について)
次回からは、また、有料となりますことを、予め、ご了承ください。
このブログ「近世百物語・完全版」は……私の個人的な霊体験を、つづったものです。私は、子供の頃に……すでに、普通の霊能者が一生で体験する量の、霊体験を……越えた体験をしていました。
今回、その思い出を書くにあたって……様々な霊現象の体験談と、それにともなう播磨陰陽師の伝承を書いています。
これらは、ただの幽霊話や、怪談の類ではありません。ただ、怖いだけのお話を望まれる方は、そちらをお探しください。
なお、ブログの多くは有料ですが……それは、クリックするたびに料金が必要だと言う意味ではありません。一度、料金をお支払いになった部分は……ずっと何度でも、お読みになることが出来ます。
それでは……本編を、はじめます。これは、毎回、完結していますので、ストーリー的には続いていません。では、よろしくお願い致します。
◎第四十ニ話「黒い鼠」
ある時、江戸時代に書かれたと言う……幽霊を祓った記録の本を、読んでいました。
それは、技術的なことを調べる為、読んでいたのですが……しばらく読んでいた時……近くで、ごそごそと、不審な音がしました。
ふと、その音がひとつのところに集まったので……そこを見ました。
すると、そこに……白い、蜘蛛のような、何かがいました。
蜘蛛のようにも見えましたが……正確に表現すると、手首のような感じでした。
太い指が何本かあって……大きさも、人の手首くらいです。しかし、全体が、白い毛で覆われています。それは、とても太くて、硬そうな毛です。
「何、あれは……?」と思い、かたまったように見つめていると……それには、目があることに、気づきました。
それは……良く、白い鼠にあるような、赤い目です。
その目がこちらを見ながら……普通の鼠のような姿に、変化しました。
その時、
「それが、手首に似ていたのは、気のせいなのかな?」と、思いました。
しかし、次第にグレイっぽく色が変化し、やがて、真っ黒になりました。
今度は、黒い鼠になったのです。
とても、黒い鼠です。
ただ、真っ黒な空間に、目がついているような感じがしました。
私は、とっさに……黒い生き物は、ゴキブリでも鼠にでも、そうするように……近くにあった殺虫剤を手に取って、その正体不明の鼠に噴射しました。
黒い鼠は、まるでそれを無視するかのように、無反応でした。
そして、こちらを睨《にら》むと、物影に隠れました。
黒いシッポだけが、見えています。
そのシッポは、ゆらゆらと動いていますが……生き物のシッポのようではなく……まるで空間に、ただ黒い線が動くように見えました。しかも、とても機械的に、規則正しく動いています。
突然、ふと、それが消えたので……物影を覗いて見ました。
もう、そこには何もいません。
ですので……また、本の続きを読み始めました。
ランキングキャンペーン中ログイン不要&無料でご覧いただけます。ランキングをクリックしてご覧ください。(クリックで開いたウインドウを閉じて、続きをご覧ください。)
|
第四十一話「防空壕」(近世百物語) (播磨陰陽師☆雑記 管理人)
|
◎近世百物語・完全版
第四十一話「防空壕」
子供の頃、家の近所に、防空壕《ぼうくうごう》がありました。
防空壕は……戦争中に、空爆の避難に使った施設です。私の故郷は、「軍都」と呼ばれていましたので……大きな防空壕が、市内にいくつか残っていました。
そんな関係もあり……子供の頃に住んでいた家の近所に……大きな防空壕が、残っていました。
それは、コンクリートの……建物と言うより半地下の、広場のような感じの造りでした。そこで時々、私は人魂を見ました。
青白い人魂は……雨の日の夜に、多くあらわれます。これは、やはり湿度と関係しているか……空気が乾燥している時や、真冬の夜には、見たことがありません。
人魂……と、言えば真夏の夜につきものですが……私はここで、白い、半透明の兵隊さん達も、目にしました。
それらは、第二次大戦の時の……旧日本陸軍の、姿をしています。
私の子供の頃は……街中に、まだ、復員兵が多くいたので……軍服姿を見慣れていました。
彼らは、もちろん生きていますが……その多くは手足に傷を負い、物乞いのようなことをして生きているようでした。
ですので……私の幼い記憶の中では、「松葉杖=復員兵」となっていました。
彼ら復員兵との思い出も、多くありますが……防空壕の近くで見る白い兵隊さん達は、少し様子が違っていました。
つづきをご購入いただけます(200円) 購入方法はこちら
|
第四十話「小さくて大きな社」 (近世百物語) (播磨陰陽師☆雑記 管理人)
|
◎近世百物語・完全版
第四十話「小さくて大きな社」
幼い頃住んでいた家の近くに、小さな公園がありました。
ブランコと、すべり台だけがあり、あとは小さな祠《ほこら》がひとつ……その祠に、遊びに行くのが好きでした。
道祖神でも祭っているのか……その社の正体は、幼い私にとって知るよしもありません。ただ、その祠へ遊びに行くと……鳥居の横に友達が座って待っていてくれたから、それかが嬉しかっただけです。
私はその友達の名を、知りませんでした。顔も、見た記憶がありません……と、言うのは……その子が、いつもキツネの面をつけていたからです。そして、その子に会うと……いつも秘密の場所に、案内してくました。
つづきをご購入いただけます(200円) 購入方法はこちら
|
第三十九話「福の神」(近世百物語) (播磨陰陽師☆雑記 管理人)
|
◎近世百物語・完全版
第三十九話「福の神」
高校生くらいの頃……道端で……福の神のようなものに、出会いました。
その日は、雪が降っていました。
学校からの帰りに歩いていると、足跡が、深く雪に残って行きます。
十勝平野に雪が降ると……普段よりは……いく分、暖かい感じがするものです。
厳寒と呼ぶにふさわしい寒さの日は、空も凍りつくのか……雪は降りません。ただ、空気中の水分が凍って、キラキラと、光を反射するだけです。これは、ダイアモンド・ダストと呼ばれています。こんな日は……息をしても、鼻に細かな氷しか、入って来ません。
あの日の夕方は……雪がしきりに、降っていました。
私は、学校の帰り道の……公園の近くを、歩いていました。
その日、何があったのか……については、あまり覚えていませんが……ただ、とてもイライラして、腹を立てていました。
その最悪な気分のまま……しかも、降りしきる雪の中を歩いています。
すると、道の向こうから、大きな荷車を引いた老人が……ゆっくりと、こちらに向かって来ました。
十勝平野は田舎《いなか》なので……荷車は、それほど珍しくありません。
しかし、それに積んでいた物が、少し奇妙な感じがしました。
……と、言うのは……サンゴだとか、大きな袋のようなものが、見えたからです。
「むかしの絵にある、宝物の荷車のような感じだな。」と、その時、思いました。
時代は、もう、江戸の……でもありません。
テレビはカラーになり……最初のパソコンが、そろそろ売られる頃のことです。
ですが……それを見てしまったのです。
その荷車の老人は、どんどん、私に近づいて来ました。
深いワダチが、雪の中についています。
「この、おじぃさんは、どこから来たのだろう?」と思い、顔をあげると……その人と目が合いました。
すると、そのおじいさんが、
「おお、ひどい、雪じゃのぉ。」と、少し、口ごもるような感じで、つぶやいたのです。
その声は、東北弁のように聞こえましたが、古語のような気もしました。
つづきをご購入いただけます(200円) 購入方法はこちら
|
第三十八話「十二月十四日」(近世百物語) (播磨陰陽師☆雑記 管理人)
|
◎近世百物語・完全版
第三十八話「十二月十四日」
十二月十四日は、赤穂浪士の討ち入りの日です。
一年には色々な記念日がありますが……この日くらい様々な物事を思い出し、そして考える日は稀です。この日は、私にとっては特別な日です。前にも書きましたが……私の祖母は、赤穂浪士の子孫として生き……そして、死にました。その祖父である曾祖父(祖母の祖父を正確には何と呼ぶのか知りませんが……)は……立派な、そして最後の武士らしい武士であったそうです。
その曾祖父は、まだ北海道が蝦夷と呼ばれてた頃……父とともに入植し、昭和新山が、まだ平地の頃から、そこに住んでいました……。
当時は、集落と呼ぶほどの規模しかない村があり、まだ蝦夷地のあちこちにいたアイヌ人達を侵略していました(曾祖父の世代は「開拓の為に戦っていた」といっていたようですが……その是非は別として、それは「侵略」以外のなにものでもないと思います)。家は粗末なもので、ムシロをかけただけの入り口には、時々、熊が入ってきては……食べ物をあさっていたそうです。
祖母は、霊的な物事についてよく話してくれました。祖母は、一族の中で最も霊的な感性を受け継いでいて、それは母に遺伝し、そして私に遺伝しました。一族のすべての者がその遺伝を認め……霊的な物事を信じない身内ですら……祖母や、母や、私の感覚が、特別なものであることを理解しています。
つづきをご購入いただけます(200円) 購入方法はこちら
※今回は、お祖母様から口伝を受けることについてと、お祖母様の死に触れた際の夢についてです。
|
第三十七話「帰ってきたもの」(近世百物語) (播磨陰陽師☆雑記 管理人)
|
◎近世百物語・完全版
第三十七話「帰ってきたもの」
物には人の気が宿り……なくしたとしても……やがて持ち主の所に帰ってくる、と聞いています。
2002年の冬に、高千穂へ登った時……同行していた妻が、携帯電話をなくしました。
しかし、何日かして家に帰ってくると、茶の間の座布団の上に携帯電話がありました。 まるで、ちょこんと座っているように……その携帯電話が、座布団の上に置いてありました。
携帯電話を時計代わりに使っていたので……行きの新幹線を降りるまで、最初から家に置いてい行ったハズはないのですが……。
さらに、
「新幹線を降りて目的地についたら、充電する必要がある。」と思っていたので、持って行った記憶はあります。しかし、その携帯電話の充電が、満タンの状態で帰っていました……しかも、十日後のことです。
つづきをご購入いただけます(200円) 購入方法はこちら
|
第三十六話「みんな夢の中」(近世百物語) (播磨陰陽師☆雑記 管理人)
|
近世百物語・完全版
第三十六話「みんな夢の中」
「夢」を表す漢字は、本来、悪夢を意味していました。
夢に苦しむ状態を絵にした物が原形となり、今に伝わる「夢」の文字が生まれたそうです。
これは古代中国でのお話しで……日本語の「ゆめ」に漢字をあてただけのことにすぎません。
「漢国《あやぐに》の文字を借りたること故、漢字自体に意味はなく、その発音こそに意味がある。」と、様々な古文書に記されているとおり……漢字の「夢」にそれほど大きな意味があるとは思いませんが……「ゆめ」と発音する言葉の本来の意味は、どういうものなのでしょう?
「ゆめ」と発音する言葉には、深く様々な意味を含まれていますが、
「人の心が、さまよい歩きながら見るもの。」が基本の意味になります。
人は眠りと共に、死の国へ行きます。
つづきをご購入いただけます(200円) 購入方法はこちら
|
第三十五話「アヤカシ」(近世百物語) (播磨陰陽師☆雑記 管理人)
|
◎近世百物語・完全版
第三十五話「アヤカシ」
ある時、テレビで実話の怪談の、再現ドラマを見ました。
そのドラマは……深夜のアパートで……ドアのピンポンを鳴らし続ける、不気味な女の怪談でした。
もちろん、幽霊の女です。
そして、ドアをあけると、誰もいない……のですが、家の中に幽霊が入っている……と、言うような内容でした。
それほど、面白くもなかったので……適当に見ていました。詳しいストーリーも、覚えられないくらいの、ありふれた内容でした。
しかし、そのドラマの最後のシーンで……ちょっとした、違和感のようなものを感じました。
つづきをご購入いただけます(200円) 購入方法はこちら
|
第三十四話「お岩様」(近世百物語) (播磨陰陽師☆雑記 管理人)
|
◎近世百物語・完全版
第三十四話「お岩様」
子供の頃……とても、怖いものに「お岩様」がありました。
四谷怪談は、誰でも、怖いと思います、が……私の思い出の中のお岩様は、強烈な印象をともないます。
子供の頃は、良く街に、サーカスがやって来ました。そのサーカスの出し物は、オートバイの曲乗り、タコ女の見世物、藁人形を使った手品と……そして、お化け屋敷のお岩様の人形でした。
つづきをご購入いただけます200円) 購入方法はこちら
|
第三十三話 「人から聞いたお話」(近世百物語) (播磨陰陽師☆雑記 管理人)
|
◎近世百物語・完全版
第三十三話 「人から聞いたお話」
私は良く、誰かが体験した話を、聞くことがあります。
もちろん、それらは怪談の話です。
ある時、妻から聞いた話は、こうでした……。
妻が友達達と、市内で有名なお化け屋敷に行こうとして……勘違いして、別な空家へ行った時のことです。
その家は、地元で……「小人の家」と呼ばれているお化け屋敷です。
それは、すべてが小ぶりで、少し小さな家で、
「入り口のドアも窓までもが、全体的に少し小さい。」と聞いていたようです。
つづきをご購入いただけます(200円) 購入方法はこちら
|
第三十ニ話「覗いているモノ」(近世百物語) (播磨陰陽師☆雑記 管理人)
|
◎近世百物語・完全版
第三十ニ話「覗いているモノ」
小さい頃、祖母の家で……障子に空いた穴から覗いている目を見ました。
「だれ……?」と聞くと、祖母が、
「あれは誰でもない、いいから見るな……。」と言いました。
つづきをご購入いただけます(200円) 購入方法はこちら
|
第三十一話「UFOらしきもの」(近世百物語) (播磨陰陽師☆雑記 管理人)
|
◎近世百物語・完全版
第三十一話「UFOらしきもの」
UFOは、霊体験には分類されませんが……私は何度か見ています。
初めて見たのは、中学1年の冬でした。
真冬の、とっても寒い夜のことです。
その頃は、北海道に住んでいたので……気温は、マイナスの20度くらいありました。
夜の9時前だったと思いますが……そんな寒さにもかかわらず、犬の散歩を忘れたことを思い出しました。
つづきをご購入いただけます(200円) 購入方法はこちら
|
第三十話「厚みのないもの」 (近世百物語) (播磨陰陽師☆雑記 管理人)
|
◎近世百物語・完全版
第三十話「厚みのないもの」
コンビニで買い物をしていると……雑誌の所で、携帯電話で話をしていた不良ぽい少年が……言葉とは思えないほどひどい言葉使いで、電話に叫びながらこちらに歩いて来ました。
彼の言葉使いだけでも不快でしたので……それ以上不愉快な思いをしないように、注意して見ていると……妙な、白い影が、見えました。
今まで見たことのない種類の白い影だったので……じっと見つめると、その少年の残像のように、同じ動きを、遅れてしていました。
でも、大きさが……その少年の半分くらいしかなく、しかも厚みというものがありませんでした。
アニメで、ぺしゃんこになったキャラクターがこちらを向くと……厚みが無いのを見ましたが……これは実物で、厚みがなく、紙のようにペラペラしていました。
つづきをご購入いただけます(500円) 購入方法はこちら
|
第ニ十九話「回転する首」(近世百物語) (播磨陰陽師☆雑記 管理人)
|
◎近世百物語・完全版
第ニ十九話「回転する首」
以前、コンビニの近くで、妙なモノを見ました。
深夜に家の近くを歩いていると、後ろから車が来たので、道の端へよりました。
その車の運転席と助手席には、アベックらしい若い男女がいました。アベックと書くのも古い表現のようで、奇妙ですが……それについては、不自然な部分はありませんでした。
運転手は、背広に眼鏡の……どこにでもいるタイプのサラリーマンで、助手席には派手な化粧の女が座っています。
女の後ろの席には……その二人と、どう言う関係にあるのか不明な中年風の女性が……両手を助手席の、背もたれにのせて、静かに座っていました。
その女性は、私が車にふりむいた時……こちらを見ていました。
ふと、目が合いました。
その顔は、どこか会ったことがあるような……顔に見覚えがあるような雰囲気です。
ですから、
「あれは、いったい、誰だったのだろう?」と思ました。
思い出すので精一杯だったので……私の目は、まるで、釘づけのようだったかも知れません。
そう思いながら見ていると……車が私の横を通り過ぎて、私の前に行きました。
その女性と目が合ったまま……車が通り過ぎ……その女性は、後ろの窓から私を見ていました。
その女性は、ずっとこちらを見ています。
つづきをご購入いただけます(200円) 購入方法はこちら
|
第二十八話「鬼・心の闇に憑依するもの」(近世百物語) (播磨陰陽師☆雑記 管理人)
|
◎近世百物語・完全版
第二十八話「鬼・心の闇に憑依するもの」
鬼が憑依することを「憑依《とりつ》く」とあらわします。
鬼に憑依かれたら、
「臨散疲(老)病死《りん・さん・ろう・びょう・し》」
の順番に、厄が、やって来ます……。
口伝では、
「臨は、厄に臨み……散にては、人々の散り……疲(老)にては、疲れ果て……やがて、病に死する。これすべて、鬼の憑依《とりつ》きし厄なり……。」と、伝わっています。
鬼が人にとりついた瞬間に「臨」が始まります。
「臨」とは、鬼が人に厄を起こし始める状態を意味します。
「臨」が始まると、心の中で微かな声が聞こえ始めたり、虫のような小さな生き物が、気になりだすようです。
最初それは、夢の中のような……意識が、はっきりしていない状態に影響をあたえ、
「毎晩同じ夢を見る……。」とか、
「気がつくと、何かが話しかけてきているような気がする……。」とか、あるいは、
「誰かに、常に見られているような気がする……。」と、言った現象を引き起こします。
人によって、また、その人の心のあり方によって、この現象は様々ですが……本人が、はっきりとそれを意識することは稀です。
つづいて「散」の状態に入ります。
つづきをご購入いただけます(200円) 購入方法はこちら
※今回は、鬼を使うモノなるまでのお話です。
|
第二十七話 「さまよい歩く死んだ者の魂」(近世百物語) (播磨陰陽師☆雑記 管理人)
|
◎近世百物語・完全版
第二十七話 「さまよい歩く死んだ者の魂」
死んだ者の魂の形を「霊」と呼ぶのなら、生きている者の魂の形は「心」と呼ぶのでしょうか?
心だけの存在としての「霊」。
心を、無くしてまで生き続ける……肉体としての「人間」。
心を持つ自然現象としての「木々」や「石」や「大気」やその他。
「心」と呼ぶ自分自身の「意識」。
心は、言葉の集合体として、存在しています。
でも、「言葉」は、我々が思っているような存在ではありません。
時々、誤解されますが……私の目には、死んだ者の魂の形が見えているのでは、ありません。
生きていようと、死んでいようと、無関係に……ただ「心の形」が見えているだけです。
現実の、その人の顔や肉体の形状を見ているのではなく……その形状が伝える「心の形」を、常に見ているのですから……その人が言葉で何を言おうと、どんなに着飾ろうと、見えている「心の形」は変わらないのかも知れません。
美しい肉体や顔の形状に包まれた「醜い心の形」は、私には不快な印象を持った存在でしかありません。
誤解する方もいるかも知れませんが……人の心を読んでいるのではありません。
ただ、心が、あらわす「形」だけを、見ているのです。
つづきをご購入いただけます(200円) 購入方法はこちら
※今回は、雁多の概念の話が主体です。
|
第二十六話「座敷童子のような物」(近世百物語) (播磨陰陽師☆雑記 管理人)
|
◎近世百物語・完全版
第二十六話「座敷童子のような物」
タクシーといえば……京都でひとり暮らしをしていた頃、何度か「座敷童子《ざしきわらし》」のようなモノを連れて……タクシーに乗ろうとしたことがありました。
「座敷き童子のような……。」と、言うのは……10才くらいの子供で、しかも日本人形のような髪型の、さらに着物を着たように思える女の子の霊です。
しかも、自分で「タエ」と名乗っていたのです。
つづきをご購入いただけます(200円) 購入方法はこちら
|
第二十五話 「不思議なタクシー・時々出会う乗物」(近世百物語) (播磨陰陽師☆雑記 管理人)
|
◎近世百物語・完全版
第二十五話 「不思議なタクシー・時々出会う乗物」
この話は、過去に数回書いていますが……その度にトラブルに見舞われるのか……ファイル自体が、消えてなくなります。メモすら、消えてなくなりました。
記憶の中には残っているので……同じ文章を何度となく書き続けては、また最初に戻って行くような印象さえあります。
それはタクシーに関係した、いくつかの小さなお話です。
別に、これと言って……どぉと言うこともない物ですが……何度も消えると、やはり気になります。
「どんな目的があって、何が消すのだろう?」とか、思ったりします。
以前、京都に住んでいた頃も……それから、大阪に引っ越した後も……深夜のタクシーに乗ることが多かったです。
それは、つまり、
「終電が終わってから帰ることが多い。」と言う意味です。
今は車の免許がないので……徒歩か、電車か、タクシーでのみ移動します。
ですから……深夜になると、タクシーでの移動率が高くなります。
運転手が……誰だか分からないタクシーに、何度か乗ったことがあります。
それが人なのか……それとも幽霊の類いなのか、今でも分かりません。
つづきをご購入いただけます(200円) 購入方法はこちら
|
第二十四話「お月さんいくつ・胞衣の手が触る」(近世百物語) (播磨陰陽師☆雑記 管理人)
|
◎近世百物語・完全版
第二十四話「お月さんいくつ・胞衣《えな》の手が触る」
「お月さんいくつ、十三、七つ、まだ年ゃ若けぇな、この子を産んで、あの子を産んで………」の「十三、七つ」は、二十歳(はたち)を意味します。
満月の夜は、眠れないことが多いです。太陽の光が、月に反射して地上に到達する夜……様々な不思議な出来事がおきる夜でもあります。
この世とあの世が、つながるといわれている満月の日も……年に何度か存在します。そして私の不思議な体験も、満月の日の付近が多いのです。
何年か、満月の深夜に外出していた時期があります。その頃は……満月のよく見える、人のいない場所に行って……朝までひとりで過ごすのが習慣となっていました。
京都一条戻り橋の橋の上で、満月の深夜を過ごした日もあります。鞍馬山の奥の院で過ごした夜も、あります。不思議と満月の夜は、不気味な場所に……人は、いません。暗闇の中に、明りも持たずに座っているだけなので、人が見ても分からないかも知れませんが……。
闇の中を、明りを持たずに歩くのも、好きです。気配を消して、ゆっくり歩くと……近くを人が通っても、気づく人もいません。
夜の気配に溶け込んで、夜の気を吸うのは、とても心地よいと思っています。
満月が近くなると、人や獣の心が騒ぎますが……心のみの「霊」と呼ばれる存在は……なおさら騒ぐようです。
特に、水子《みずこ》の霊はよく騒ぎます。
つづきをご購入いただけます(200円) 購入方法はこちら
|
第二十三話 「ふたり分の記憶」(近世百物語) (播磨陰陽師☆雑記 管理人)
|
◎近世百物語・完全版
第二十三話 「ふたり分の記憶」
年令も、名前も私と同じ従兄弟《いとこ》の存在を知ったのは……彼が死んで、一年くらいたってからのことでした。
それはまだ、私が七才くらいの時のことで……会ったこともない同じ名前の従兄弟は、すでに交通事故で死んでいました。
彼は見知らぬ土地にいて……しかも即死であったようです。
彼の存在を知ったのは、祖母の家の仏壇の前でした。
その日、祖母がそっと教えてくれた従兄弟の命日に、仏壇の前で手を合わしました。
なにか訳ありの……いわくありげな雰囲気の中で、線香に火が点されました。
……と、その線香の煙が、私の体のまわりを這うように螺旋を描き、頭の方に登ってきました。
何だか分からない内に、煙が頭の回りに集まり……そして、ゆっくりと消えて行きました。
その時から……私の心の中に、その従兄弟が住むようになりました。
彼の幼い頃の記憶と、私の幼い頃の記憶が一緒になって……会ったことのないハズの彼の姉のことや、両親のこと、住んでいた家の近所のことや様々な思い出を、明確に記憶してます。
自分の記憶と区別がつかないほど明確で鮮明な記憶が……心の中に一度に入って来て、元々あった自分の人格と、ひとつになってしまったような気がしました。
つづきをご購入いただけます(200円) 購入方法はこちら
※不思議なお話はここまでです。ここから先はふたり分の記憶にまつわるお話です。
|
第二十二話 「人が神と呼ぶもの」 (近世百物語) (播磨陰陽師☆雑記 管理人)
|
◎近世百物語・完全版
第二十二話 「人が神と呼ぶもの」
「神」としか呼ぶことの出来ない存在、「神」という言葉でしか表現出来ない存在に出会うことがあります。
宗教に傾倒している訳ではないので……それが何々という神聖な名を持つ神で、
「その神の言葉を聞いた……。」とか、
「その神の姿を目にした……。」と、言うつもりはありません。
人が「神」と呼ぶ存在は……人の都合によって歪められ、表現されることが多いのです。それは実在の「神」と呼び表される存在には無関係だと思います。
「神様」と呼ぶのも間違った表現であるようです。
「神」は「かみ」と呼ぶのが正しく、「神」と呼ぶ表現が最高の敬称です。
ですから、「神」と呼ばれる敬称に、本来、人間に与えられるハズの敬称であるべき「様」を付けて呼ぶのは……意図せずに卑しめているようで、正しい表現とは呼べないと伝わっています……とは、言うものの、つい「神さま。」と言ってしまうのは、人の世の常ですが……。
前置きが長くなりましたが……その「神と呼び表す。」しか手段のない存在に、何度か出会ったことがあります。
始めて出会ったのがいつなのか、明確には、覚えていません。
物心がついた頃から、すでにその存在に出会っていたようでもあり、随分成長してから……始めて出会ったような気もします。
ただ、その存在に接触すると……その情報量の多さと複雑さに記憶が混乱し……人間の時間という概念で記憶し把握することが、困難になりました。
つづきをご購入いただけます(200円) 購入方法はこちら
※今回著者は、言葉や概念が複雑すぎたと記しています。
|
第二十一話 「それを人は鬼と云うなり・その二」 (近世百物語) (播磨陰陽師☆雑記 管理人)
|
◎近世百物語・完全版
第二十一話 「それを人は鬼と云うなり・その二」
鬼らしきものに、二度目に接触した時は……すでに社会人でした。 大阪で、ひとり暮らしを始めた頃のことです。 以前、幽霊が出るアパートに住んでいた頃のことを書きましが……やはりその頃のことでした。
アパートに引っ越して間もなくの頃、毎晩、隣室の住人が夜中にギターを弾いてヘタな歌を歌うので閉口していました。
一週間位たった頃でしょうか……ほとんど寝不足で、しかもかなり怒っていましたが……あいかわらずヘタな歌を聞かされていたので、
「何か特別な出来事がおきて、静かにならないかな。そうだ鬼でも現れれば………。」と、思った瞬間、目の前に鬼が立っていました。
それは意外に小さな鬼でしたが……かなり大きな鬼のような体型をしていました。
そして、鬼がこちらを見たので、
「隣を、静かにしてほしい……。」と、つぶやいてしまいました。 すると、鬼がうなづいて隣の壁へ向かって歩いて……壁を突き抜けて消えました。
その瞬間、隣室で悲鳴が聞こえ、静かになりました。
虫の鳴く声だけが、妙に耳の中で響いています。
静かになったので……もう頭もぼーっとしていましたし……久しぶりにぐっすりと眠ることが……その時は出来ました。
つづきをご購入いただけます(200円) 購入方法はこちら
|
第二十話 「それを人は鬼と云うなり・その一」 (近世百物語) (播磨陰陽師☆雑記 管理人)
|
◎近世百物語・完全版
第二十話 「それを人は鬼と云うなり・その一」
過去に私が出会った……何人かの霊能者達は、
「あなたには、鬼がついていて恐ろしい……。」 とか、
「あなたは、人ではないモノの、知識を得ている……。」
と、言って避けたり恐れたり……あるいは祓おうとしましたが、影響はありませんでした。
ただ、その何かが、
「祓えるものなら、祓うが良い。」と、笑っているだけです。
私には、幼い頃から不思議な知識がありました。それは、学んだ物ではなく、ほとんど生まれつきの物です。それらは、霊的なものや、古来の神々についての知識でした。霊的な物事を見極める為の基本的な知識は、物心ついた時に、すでに備えていたと言うことかも知れません。
さて、「鬼」と呼ぼうと「神」と呼ぼうと呼び方は勝手らしいのですが……それが時々、恐ろしい獣の姿を現すことがあります。
あるい、は……配下のものが姿を現すのか……その実体も正体も分かりませんが……常に鬼のような姿形をしているようです。
良く絵に描かれている鬼の姿は、地獄の鬼を絵にしたものです。江戸時代にイメージが決まったのですが……それ以前は、もっと別な姿でした。虎の皮のフンドシを履いて……などの鬼は、実在でありません。しかし、何年も人の世で信じられたイメージは、やがてその姿に固定されます。ですので、鬼の姿は、やはり、みなさんが知っている……あの姿です。
その鬼の姿を……私は過去に何度か見ています。
つづきをご購入いただけます(200円) 購入方法はこちら
|
第十九話 「雲のかたち」(近世百物語) (播磨陰陽師☆雑記 管理人)
|
◎近世百物語・完全版
第十九話 「雲のかたち」
京都から、大阪の阿倍野へ引っ越すための用意をしていた時……ふと、ベランダから空を見ると、龍が飛んでいました。
それは、かなりたくさんの龍で、ゆっくりと空を移動していました。
これは、もちろん、龍そのものではありません。
龍が空を移動する姿が、雲の形で表されたのです。
「雲が龍の形をとる……あるいは龍が、雲にその存在を隠しながら飛行する。」と言うことは、どちらも正しい表現であり、また、どちらも正しくない表現でもあります。
龍の存在と、その表現は……人間の理解の範囲を超えています。
いずれにしろ、分かろうとする人にのみ、その姿を現し……他の人の目には大きな雲の一部としてしか、その姿を見せることはありません。
龍の姿を見るのことは、とても縁起が良いことです。
何度か空を飛ぶ龍を見ていますが……CGですら、適切に再現するのは複雑すぎて困難だと思いました。
ただ、絵にあるような……蛇のようなヌラヌラしたウロコと……ヒゲの頭が、やはり蛇のように移動するのを描くのは簡単です。
でも、本物は、複雑な微粒子の多重構造を持ち……ゆっくですが、複雑に微粒子同士が影響しあいながら移動しています。
CGで、これを再現出来たら……それだけで、かなり見ごたえのある映像になるかと思いました。
播磨陰陽師の伝承には、
つづきをご購入いただけます(200円) 購入方法はこちら
※今回は雲の龍の伝承が中心です。
|
第十八話 「霊的な体験をし続けること」(近世百物語) (播磨陰陽師☆雑記 管理人)
|
◎近世百物語・完全版
第十八話 「霊的な体験をし続けること」
20世紀、最後の盆は……なぜか満月で、本州と九州の間、壇ノ浦《だんのうら》と呼ばれる海岸にいました。
壇ノ浦は……八百年ほど昔、平家が全滅したと伝わる悲しい海岸の呼び名です。
そして平家ガニと言う、見るも恐ろしいカニに出会う海でもあります。
平家ガニは瀬戸内海に多く、日本海全域にすみますが……この壇ノ浦で見るそれは、特別な、不気味な存在であるかのような気さえします。
クモのような小さなカニが……深夜に群れをなして、海から這いだして来るのでしょうか?
そのような生き物では、無いのかも知れませんが……それは私の心の中では、群れをなして、ざわめいているような気がしました。
壇ノ浦の近くにある赤間神宮には……平家の霊が奉られ……あの有名な、耳なし芳一の木像が安置されています。
赤間神宮は、古くは赤間宮と呼ばれた神社で、平家の一族と共に壇ノ浦の海に入水した、安徳《あんとく》天皇を奉る社です。
この神社には、絵で見る竜宮城の門のような……大きな入り口があり、左側に、日清講和条約が結ばれた春帆楼《しゅんぱんろう》があります。
山口県……と、言うよりの長州の国が……この日本という国の歴史の中で、幕府を滅ぼして国を治めたことには、壇ノ浦に霊的な関連があるような気がしてなりません。
壇ノ浦は、古くから、
「魔界に、つながっている。」とも、
「黄泉《よみ》に、つながる」とも、噂されています。
魔界と呼ばれる存在と、黄泉の国と呼ばれる存在は別物ですが……今では同意語として認識されることも多くなりました。
壇の浦の海の底には、今でも生きていた時の姿のまま、平家の怨霊達がさまよい歩いているのでしょうか?
……ちなみに映画「釣りバカ日誌」に出て来た関門海峡は、壇の浦から門司の方向を見たアングルになります。
さて、その壇ノ浦で立体写真を撮影する為、フイルムカメラにステレオアダプターを装着した時の話です。
つづきをご購入いただけます(200円) 購入方法はこちら
|
第十七話 「蛙の死んだふり」 (近世百物語) (播磨陰陽師☆雑記 管理人)
|
◎近世百物語・完全版
第十七話 「蛙の死んだふり」
蛙と言う生き物は、
「死にたるふりをして、難をのがるる。」と聞いていますが、初めてそれに出会った時がありました。
蛙の、死んだふり。
腹を上にしてピクピク痙攣し、口を半分開け、やがて動かなくなる動作。
どう見ても死んでいるようにしか見えませんでしたが……それは生きていて、無事に難をのがれました。
つづけて、それに二度出会いました。
二度目は、三匹の蛙が、上手に死んだふりをしていました。
それを思い出すと……何かしら不思議な気分で、鳩が死んだふりをした時のことも思い出しました。
もう随分前になりますが、
「京阪の萱島駅のホームに、祟りの木がある。」という噂を聞き、深夜に出かけて行った時のことです。
つづきをご購入いただけます(200円) 購入方法はこちら
|
第十六話 「野焼きにまつわる祖母の思い出」 (近世百物語) (播磨陰陽師☆雑記 管理人)
|
◎近世百物語・完全版
第十六話 「野焼きにまつわる祖母の思い出」
子供の頃は、よく祖母に、
「お盆に海や川へ行くと、死んだ人が帰って来て、足をひっぱる……。」と、言われました。
「お盆とゆうのは、地獄の釜が開いて、あの世とこの世がつながる時じゃ……。」とも、言っていました。
だから、お盆休みに海や川へ行くことなど、考えられもしませんでした。
祖母は、
「とても霊感が強い。」と言われている人で、
「お前の母にも、その子供であるお前にも、同じ力が遺伝している。」と、叔母達が言っていました。
祖母は、私に、
「一族で、唯一その力が強く遺伝しているから、霊的なものに出会いやすい。」と、言っていました。
祖母は、
「二十五の朝飯前まで幽霊を見なければ、一生見ることはない……。」と、言っていましたが……その根拠は、どこにあるのでしょう?
昔の人は、様々な言い伝えを残してくれています。
つづきをご購入いただけます(200円) 購入方法はこちら
※今回はお祖母様からの伝承です。
|
第十五話 「歩き逝くもの」 (近世百物語) (播磨陰陽師☆雑記 管理人)
|
◎近世百物語・完全版
第十五話 「歩き逝くもの」
地獄と呼ぶ場所が、実在するかどうかについては、分かりません。
この世とあの世の間が、つながる日だとか……黄泉の国から帰ってくるから、
「よみがえり」と言うとか……あの世に関して言われていることは、山ほどあります。
「地獄とは、どこに、あるのだろう?」とか、
「地獄とは、どんな所だろう?」と、考えたり、
「地獄の絵にあるような物は、真実なのかだろうか?」とか、色々、考えて行くとキリがありません。
そんなことを考えているある時……電車で帰ろうとして乗り込んだ時、ふと地獄に迷い込んだような錯覚に襲われました。
「そうか、ここが地獄だったんだ。」と、その時、はじめて納得しました。
それは、屍のように疲れきった人々が、病と苦痛のうちに日々を過ごしている世界。
そして、それは、みずからが招いた不幸であり……誰もそこから救われることがないような気がしました。
同じ、時間と空間を共有していながら、見ている物も、感じている物も、何もかも違う人々の心の中には、
「きっと地獄があるのだな。」と、思いました。
「地獄を作るのは、ひとりひとりの心であり……認識を変えることによってのみ……そこは極楽にでも、地獄にでも、変わりうる世界である。」とも感じました。
さて、地獄が実在するかどうかについては不明ですが……人は、地獄としか呼ぶことの出来ない「あの世のどこか」に、迷い込むことがあるようです。
これもやはり……二十年ほど前の、盆の夜のことです。
……仕事で疲れきってはいましたが……なんとか終電に間に合って、家の近所の駅で、電車を降りたことがありました。
つづきをご購入いただけます(200円) 購入方法はこちら
|
第十四話「静止した時間」(近世百物語) (播磨陰陽師☆雑記 管理人)
|
◎近世百物語・完全版
第十四話「静止した時間」
子供の頃、理解出来ないまま……いくつも不思議な出来事に出会いました。
まだ脳もきちんと成長していなかったし、心も……意識をしっかりと持っていたかどうかについては疑問なので、
「子供の頃の記憶ほど、不確かなものはない。」と、思っています。
しかし、そんな記憶の端々が、今の自分の人格の基本を構成しているのだから、
「他の人と、少し違っていても、しかたがないか……。」と、諦めてもいます
私の心の中には……物心と言う物がついてから……六才位迄の記憶が、欠けています。
欠けていると言っても……あることはあるのですが……それは、たぶん夢か幻のような種類の物で……人間の間で産まれて、育ったような種類の記憶では、ありません。
つづきをご購入いただけます(200円) 購入方法はこちら
|
第十三話 「落ちて来るもの」(近世百物語) (播磨陰陽師☆雑記 管理人)
|
◎近世百物語・完全版
第十三話 「落ちて来るもの」
京都にひとりで住んでいた頃……良く部屋の中に、長い髪の毛が、落ちていることがありました。
二十年以上前のことですが……当時の私は短い髪型だったので、長い髪の毛の持ち主には思いあたるフシがありません。
30センチから、長い時は50センチ近い髪の毛が、床に落ちているのです。
掃除をしても、誰の物なのか分からないし……そんなことが何日か続きました。
当時住んでいた場所は、京都の千本今出川の交差点のすぐ近くです。
……平安時代の御所は、ここから始まり、南に広がっています。
つづきをご購入いただけます(200円) 購入方法はこちら
|
第十二話 「百日歩く・船岡山の思い出・その2」(近世百物語) (播磨陰陽師☆雑記 管理人)
|
◎近世百物語・完全版
第十二話 「百日歩く・船岡山の思い出・その2」
百日のコースに船岡山を選んだのには、特別な理由がありました。
それは、まだ百日の行をするつもりもなかった頃、ふと、
「船岡山へ行ってみようか。」と思いたち、とぼとぼと歩いていた時のことです。
しばらくすると、夕方になりました。
山に昇った時は、どおってこともなく過ぎたのですが……降りた時、妙な匂いがしました。
祖母から幼いころに聞いた、
「鬼が人の腹を裂く時に、血のような、栗の花に似た匂いがする。」と言う言葉を思い出し、
「違うかもしれないが……きっと、これがそれだ。」と思いました。
伝承では、この世界に危険とされる匂いが三種類あります。
つづきをご購入いただけます(200円) 購入方法はこちら
|
第十一話 「百日歩く・船岡山の思い出・その1」(近世百物語) (播磨陰陽師☆雑記 管理人)
|
◎近世百物語・完全版
第十一話 「百日歩く・船岡山の思い出・その1」
京都の船岡山のことを少し書きましたが……船岡山には、色々と思い出があります。
もう二十年位も前のことになりますが……深夜に京都中を歩いたことが、ありました。
それを始めた理由は後でふれますが……百日の間、下鴨神社から歩きはじめ……糺の森を通って、一条戻り橋等のいくつかのポイントを経由し、船岡山から千本今出川へ至るコースを歩いました。
雨の日も、風の日も……無関係に、深夜一時過ぎ位から、四時前位迄、毎日、歩きました。
台風の時や、雷雨の時もありましたが……すぶ濡れになりながらも、歩いていました。
歩く時は、かかとを地面に付けないよう、つま先歩きで歩き……出来る限りゆっくりと鼻で息を吸い、止められるだけ息を止め、その後にゆっくりと息を吐く方法で呼吸していました。
目は真直ぐ前を見て左右を意識し、あたりの音を出来る限り聞くように勤めていました。
これは、霊力を高める修行のひとつです。
そして、この呼吸でしばらく歩くと……皮膚が呼吸して行くのを感じ始めます。これが、いわゆる「カスミを喰らう」と言われる技法です。「カスミ喰い」については、また、どこかで技法として詳しく述べますが……霊的な修行には欠かせない技法のひとつ、だと……思っておいてください。
さて、話がそれましたが……その歩く場所の多くは、街灯も何もない真っ暗な場所でした。
明るい所は良かったですが、暗い所は道も分かりません。
特に寺とか墓場が近くにあると、真っ暗に場合が多いのです。都会にこんなに真っ暗な場所があること自体、とても不思議な感じがしましたが、それも京都と言う土地柄か……と、納得していました。
そんな中で、いくつか不思議な体験をしました。
つづきをご購入いただけます(200円)購入方法はこちら
|
第十話 「喪服ついでに」 (近世百物語) (播磨陰陽師☆雑記 管理人)
|
◎近世百物語・完全版
第十話 「喪服ついでに」
ある時期……喪服の人々をよく見かけることがありました。
こっちの方は確実に生きている人間で、一緒にいる人々の目にも見えています。
そういう時期なのか……それとも、その頃、葬儀を体験していましたので……喪服に対して敏感になっているのかは分かりません。
しかし、とにかく良く見ました。
そんな中で……ついでに人間ではない物も、一緒に歩いているようでした。
つづきをご購入いただけます(200円) 購入方法はこちら
|
第九夜 「黒い人 ・或は喪服を着てさまよう人々」(近世百物語) (播磨陰陽師☆雑記 管理人)
|
◎近世百物語・完全版
第九夜 「黒い人 ・或は喪服を着てさまよう人々」
白い手の話が出たついでに……黒い人についても、話しておこうと思います。
黒い人とは、喪服を着た幽霊の類のことです。
自分の死を理解しないまま、さ迷うのか……身内に挨拶してまわるのか……その真意は明らかではありませんが……喪服を着て歩く存在と言うものがあります。
もう、何年も前になりますが……癌で母を亡くした時……ちょうど亡くなった日に、京都出町柳駅構内で母に会いました。
その日は北海道の病院で寝ているハズで、
「あと数カ月の命です。」と医者に言われていました。
ですので、まだ生きているハズの母が……私の目の前にいて、喪服を着て話しかけてきたのも妙でした……。
つづきをご購入いただけます(200円) 購入方法はこちら
|
第八話 「白い手のことなど」 (近世百物語) (播磨陰陽師☆雑記 管理人)
|
◎近世百物語・完全版
第八話 「白い手のことなど」
多くの人が体験する「金縛り」と言うものに出会ったのは……記憶している限り一度しか、ありません。
中学生くらいの頃、自分の部屋で寝ていると……夜中に目が覚めても、身体が動かなくなりました。
そして、そのまま声も出なくなりました。
「ただの金縛りというものだ……。」と、思い、様子を見ることにしました。
すると……なんだか分からない物が、白い手をのばし、首を締めて来たのです。
その白い手は……肘くらいまでしかなく、その先はだんだんに透明になっていて……実体が、ハッキリとしていませんでした。
でも、確実に首を締めています。
そして、その手の実体が近付いて来る気配だけが……次第に、ハッキリして来ました。
つづきをご購入いただけます(200円) 購入方法はこちら
|
第七話 「呪術の師に出会う」(近世百物語) (播磨陰陽師☆雑記 管理人)
|
◎近世百物語・完全版
第七話 「呪術の師に出会う」
子供の頃に住んでいた家の裏の森には……ただひとり生き残ったアイヌ人の「最後のシャーマン」が住んでいました。
この森は、ヤチボウズが群生していた森です。
そのアイヌ人のシャーマンは、もうかなりの高齢で、日本語を話しませんでした。
私が、中学生くらいの頃まで……彼は、そこに住んでいました。
そして、昔ながらのアイヌ人式の建物で……毎日、祈りの儀式を行っていたのです。
私が中学生の頃……良く、そのジャングルのような聖地を探検しました。
そこは……文明には無関係な、不思議な場所でした。
カッコウが飛んで来たり……珍しい鳥がいたりしていたので……とても気にいっていました。
そして時々……そこに、入りこんでは、昼寝をしたりしていました。
ある物を目撃するまでは……私にとってその森は……ただの森にすぎませんでした。
それは……アイヌ人のシャーマンの建物の横に、何とも不思議な形をした物体を見たのです。
私は、それが気になって……調べに行きました。
つづきをご購入いただけます(200円) 購入方法はこちら
|
第六話 「ヤチボウズと呼ばれる植物」(近世百物語) (播磨陰陽師☆雑記 管理人)
|
◎近世百物語・完全版
第六話 「ヤチボウズと呼ばれる植物」
恐ろしい人面疽がある場所から、引っ越した先の、裏手には……「アイヌ人の聖地」と呼ばれる、森がありました。
その場所は、今では整地され……工場や倉庫が立ち並ぶ近代的な地域となり、昔の面影もなくなりましたが……当時は、ジャングルのような森でした。
そして……今は、その辺りにありませんが……昔、その場所は「ヤチボウズ」と呼ばれる、特種な植物の群生地でした。
ヤチボウズは、漢字では「谷地坊主」と書くようです。
ヤチは、くぼんだ湿地になっている場所を意味するようですが……この引越し先の裏のジャングルも、やはり湿地でした。
「ヤチボウズ」と呼ばれる植物は、日本国内に色々と群生していた記録があります。
しかし、昔の十勝平野の真ん中にあったヤチボウズには……他の地域の物にはない、不思議気な特徴がありました。
それは、「ヤチ火」と呼ばれ現象を、伴うことです。
ヤチ火は、ヒトダマのような物だと、思ってください。
そのヤチ火と呼ばれる火の玉のような物が……夏の夜になると……ヤチボウズから出て、ふわふわと、飛び回っていたそうです。
亡くなった祖母は、このヤチ火の話を、いつもしてくれていました。
「むし暑い闇夜には、よくヤチ火が飛びまわったもんじゃ。ヤチボウズから、人魂のように青白い炎が、尾を引いて飛び出して……ふわふわと、あたりを漂っては消えて行った。」と……。
つづきをご購入いただけます(200円) 購入方法はこちら
※今回は、おばあ様からのお話です。
|
第五話 「人面疽の恐怖」(近世百物語) (播磨陰陽師☆雑記 管理人)
|
◎近世百物語・完全版
第五話 「人面疽《じんめんそ》の恐怖」
子供の頃の思い出と言えば……実家の近くに「人面疽《じんめんそ》」を持つ老婆がいました。
私は、北海道の十勝平野で、昭和30年〜40年代頃、子供時代を過ごしたので……時代的にか……さもなくば地域的にか……まだ、まだ、不思議な出来事が、普通にあったと思います。
当時、人面疽は、呪いでかかる病気の一種だと思われていました。
そして、ただの迷信だとも……伝説だとも、言われていました。
祖母は、
「人面疽とは、人間の体の一部に、人の顔のようなデキモノが出来て……次第に顔そのものになり、やがて物を食べたり、言葉を話すようになるものじゃ。その多くは、呪いや祟りによって生まれる……。」と、言っていました。
それが、本当なのかどうかについては、分かりません。
ただ、唯一の本物の人面疽を見るチャンスを……私は自分の中にある恐怖の為に、逃してしまいました。
当時、近所の子供達は……その老婆が恐ろしくて、みんな家の前を通るのも避けたものです。
その老婆は、
つづきをご購入いただけます(200円) 購入方法はこちら
※お断り※ 今回は噂話です。
|
第四話 「なにを食べていたのだろう?」 (近世百物語) (播磨陰陽師☆雑記 管理人)
|
◎近世百物語・完全版
第四話 「なにを食べていたのだろう?」
子供の頃、実家の裏に洋風の建物がありました。
ツタのからまる……そのこじんまりした家は、恐怖映画の舞台にでもなりそうな雰囲気がありました。
まだ、私が十才くらいの頃、その家によく遊びに行きました。
その家に行くようになったのは……ある日、家の近くでひとりで遊んでいると……高校生くらいと、二十歳くらいの姉妹らしき女の子が、
「なにしているの?」と、聞いたからです。
私は、
「ひとりで遊んでいるの」と、答えました。
すると、
「うちに美味しいお菓子があるから、来ない?」と、姉らしき人が言うので、とぼとぼと二人の後をついて行きました。
つづきをご購入いただけます(200円) 購入方法はこちら
|
第三話 「たくさんの幽霊屋敷」(近世百物語) (播磨陰陽師☆雑記 管理人)
|
◎百物語・完全版
第三話 「たくさんの幽霊屋敷」
幽霊屋敷と、呼ばれる物があります。
幽霊の住んでいる家を……その大きさにかかわらず「屋敷」と呼ぶのが一般的なようです。
子供の頃に住んでいた町にも……いくつか幽霊屋敷と呼ばれる建物が、ありました。
もう、かなり前の話になりますが……私が大阪に住み始めた頃も、ずいぶん怪奇な現象をともなう部屋に住んでいました。
あの頃は、ゲームの開発をしていたので……とても仕事が忙しく、深夜に帰ってきては早朝に出勤する毎日でした。
毎日、家に帰りついて寝るのが精一杯の暮らしでも、ありました。
そんなある日、家の壁に……女の人の顔のようなシミが、あることに気づきました。
つづきをご購入いただけます(200円) 購入方法はこちら
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
ブロくるは携帯でも更新できます。
左のQRコードを携帯で読み取って、今すぐアクセスしてみよう! |
http://blog.kuruten.jp/mobile.php/top |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|