第二部 7話【宇宙を駆けめぐる。】 | |
[ハラベエさんの犬星☆猫星(第二部)] | |
2012年7月15日 11時49分の記事 | |
ハラベエさんの犬星☆猫星 =BEEとハラベエの愛の物語= 作・原 兵 衛 第二部 7話【宇宙を駆けめぐる。】 UPしました是非読んでください〜(^▽^)ノ
☆【第0部】【1P】 ☆【第一部】【1P】【2P】【3P】【4P】【5P】【6P】【7P】【8P】【9P】【10P】【11P】【12P】 ☆【第二部】【1P】【2P】【3P】【4P】【5P】【6P】【7P】【8P】【9P】【10P】【11P】【12P】【13P】 ☆【第三部】 【1P】【2P】【3P】【4P】【5P】【6P】【7P】 ハラベエさんの犬星☆猫星 第二部 7話【宇宙を駆けめぐる。】 ハラベエさんは急いでショウちゃんの傍に立って、その手が指し示す宇宙の一角に目を凝らしました。 『只今、母船から切り離されています』 ハラベエさんにはまだ、何も見えません。 『移動を開始しました、』 (どこや) 焦るハラベエさん、ちらっと、望遠鏡を用意するように言うてくれたらいいのにとショウちゃんへのぼやきが脳裡をかすめます。 『大丈夫、もう見えます』 お見通しでした……首を竦めるハラベエさん。 『見えるでしょう、オレンジ色が』 (オレンジ?……どこに?……あ!……あれだ!) 遙かかなたの、夜空にちりばめられた星、星、星……その星々の間を縫うように、地球を目指して飛んでくる、そうですオレンジです、オレンジ色の、発光体がハラベエさんの目に映じました。 発光体は、うねるような動きを見せて、じぐざぐな飛行を続けると、一定の間隔でオレンジ色の細片を撒き散らします。 撒かれた細片はそれぞれ、本体の発光体と同じ形に体制を整えて、いずことも無くこれもうねるように飛び去ります。 『それぞれ、地球上の目的地へ向かいます』 タイミングのいい解説が入りました。 (なるほど) 『あなたが今見ているのはスローVIDEOです』 (そうかそうか) 『実際は、全て一瞬の出来事、目にもとまりません』 (?……このまま続けて) 『日本以外へのカプセルは全て離脱、残るは日本向けのカプセルのみです』 (カプセル?) 『空飛ぶ絨毯を思い浮かべて下さい』 (はいはい) 『カプセルは、犬類猫類を運ぶ輸送手段、その集合体が空飛ぶ絨毯の形をしたオレンジ色の発光体です……既に大部分のカプセルが離脱しましたが、残った日本向けのカプセルだけでも、犬類猫類合わせて何百万を数えます』 (な、な、なんと……そんなに!) 『何しろ今日は、総入れ替えの日ですからね』 (総……いれかえ) 『世の中波風立たずに平穏無事なら言うこと無し、とはいうものの、平和ボケも困りますね……怠惰・奢侈・癒着・羨望・嫉妬・などなどエトセトラの毒素が蔓延ります』 (そこで、総入れ替えで、気分を一新する) 『そうです……小さな入れ替えはしばしば行われますが、総入れ替えは、我が犬星国連の星政委員会の星政調査の結果次第で、地球式に言いますと一世紀に一度、つまり百年に一度行われます……この総入れ替えは、全ての犬類猫類が参加します……と言うことは、あなたが会いたいBEEも含まれます』 (え?BEEが……どこ、どこに?) 『慌てない、あわてない……アト・ランダム……無作為にに行く先は分別されていますから、地球向けの中にいるかいないか、神のみぞ知るです』 (?……!……神様!) 帯状のオレンジ色は、既に裸眼でも細部が識別出来る距離に近付き、いくつかのグループが、着陸地を求めて別れていきます。 やがて、最期のおそらく目的地を大阪中心とすると思われる数組を残すのみとなりました。 残すのみとはいえ、その数はまだまだ莫大なものです。 見あげる北摂の空一杯にオレンジ色が拡がっています。 オレンジ色は大中小様々なカプセルの集合体です。 カプセルにはあらゆる犬類猫類の体格に合わせて大から小まであり、日本国に住む全てが乗り合わせている、いうなればオーダーメイドの宇宙船です。 これは何だ?……輝くオレンジ色……そうだ!……これは……!。 ダイヤモンドダストだ! 壮大華麗な宇宙ショウに痺れたハラベエさんの頭脳から、辛うじて発せられた感想です。 その莫大な数の宇宙船が、完璧にコントロールされ一糸乱れぬ見事なチームプレーを披露する……口あんぐりのハラベエさんでした。 キララキララと輝く雪の結晶体のような無数のカプセルが、大気中を浮遊しているとしか思えませんが、その一つ一つには、それこそ千差万別あらゆる種類の犬類猫類が乗り組んでいるのです。 そして、鵜の毛で突いた隙もない見事な動きを展開しているのです。 しかも……。 『ご覧いただいている光景は既に終了している、第?????回総入れ替えのVIDEOです、実際の総入れ替えに要した時間は0分の000一秒でした』 (あっという間もあらへん) 『因みに……銀河系には我々の太陽系と同じような惑星系が何万と有り、同じような光景が展開されています』 あんまり壮大すぎて、ハラベエさんピンときません。 『その上、銀河系も数限りなく……』 (そ、そうですか) 『切ります』 突然、オレンジ色が消え去り、星空のみが残されました。 (あ!……ああ) 『どうしました?』 (もっともっと) 『判りました……BEEと会いたいんでしょう』 相変わらずの察しの良さです。 オレンジ色が復活しました。 しかももっと至近距離というか、オレンジの渦の中に飛び込んだようなものと、お考え下さい。、 目の前を、いろいろな犬類猫類が乗り組んだカプセルが、次から次に通過していきます。 しかし膨大な数のカプセルです。 BEEはおろか見知った顔など、なかなか出会いません。 日頃、出会えばじっくり観察するハラベエさん、余人に比べれば顔見知りは遙かに多いはずですが、空一杯に拡がるオレンジ色の中から探し出すのは、どうやら至難の業のようです。 それでも、淡泊そうな見た目よりねちこい性格ののハラベエさん、諦めずに探し求めました。 その労は、少しずつ報われていきます。 先ず、最初にハラベエさんの視界に入ってきたのは、小さな黒い四つの塊でした。 その仔たちは、まとめて一つのカプセルに乗り組んでいます。 他にも複数が乗り組んだカプセルが散見されますが、おそらく、同じ母の胎内で育った仔たちには、同じカプセルが割り当てられるのでしょうか。 黒い四人組は、ハラベエさんを一顧だにせず、上になり下になって戯れ遊んでいますが、その間も規律正しく安全な運転が保たれているのには驚かざるを得ません。 ハラベエさんの記憶に新しい黒い四人組は二組です。 初代クーチャンの毒殺された仔たちか、それとも之の字池の仔? 判別する暇もなく四人組は通り過ぎていきました。 BOWとLOVESが現れました。 いかにも家長らしき威厳を保つといった趣のBOW、四肢を踏ん張って辺りを睥睨しています。 その視線が一瞬BOWとLOVESを捕らえたとき、僅かに懐かしさに和んだように感じました。 シーズー仲間フーちゃんのカプセルが近付いてきました……相変わらず、足を拡げて腹這いになっています。 続いて、一際大きなカプセルでリンが登場……長い手足には少々窮屈そうです……プーとクーが続きました。 モモと、浅草界隈で見覚えのある犬類猫類がいます。 バドが現れました。 まるで、通達でも廻ったかのような連続的な顔見知りの登場でした。 古い古い友達、比較的新しい之の字池界隈の仲間達。 このところ、妙に涙もろくなっているハラベエさん、涙を拭くのが忙しいこと……。 しかし、ハラベエさんが一番会いたいBEEの姿が現れません。 ショウちゃんの言うように、他の地域に廻されたのかも知れません。 次の機会にしよう……次は百年後か……と……諦めかけたときでした。 焼けつくような視線を感じたのです。 →ハラベエさん徒然草ヘ〜 ☆【第0部】【1P】 ☆【第一部】【1P】【2P】【3P】【4P】【5P】【6P】【7P】【8P】【9P】【10P】【11P】【12P】 ☆【第二部】【1P】【2P】【3P】【4P】【5P】【6P】【7P】【8P】【9P】【10P】【11P】【12P】【13P】 ☆【第三部】 【1P】【2P】【3P】【4P】【5P】【6P】【7P】 ランキング参加中 ポチっとお願いします〜(*´д`*)ノ くる天 人気ブログランキング フルーツメール | |
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