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日本政府も東京都も現状の10%しか想定していない 48時間以内に五輪中断・来年再開催を即時決定せよ
[日本の政治]
2021年7月31日 20時42分の記事

本日発表された東京都の新型コロナウイルス新規確認感染者数は4058人。1週間前の7月24日、すなわち五輪開会式翌日は1028人。それから1週間で3.9倍と4倍になっています。土曜日の数字でこれだけの数は明らかに一線を越える大変な状態で、まさにオーバーシュートです。メディアではこの言葉をまったく使っていませんが、早く使わないと間違いなくメディアも医療崩壊、社会崩壊の加害者になっていきます。

「東京都 新型コロナ 4058人感染確認 過去最多 初の4000人超」(2021年7月31日 NHK)

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本ブログ「この勘違いはあり得ない (2)」(2021年7月30日)で取り上げた、6月の時点で発表された三菱総研の東京都での感染者数の予測では、7月末時点で400人弱/日なのです。以下の記事にその試算がありますが、グラフなので正確な数字はわかりません。しかし、その数は400人以下なのは確かです。

「五輪開催で感染者が急増、東京1日1000人に…政府が試算 パラリンピック開幕を直撃」(2021年6月11日 東京新聞)

政府は三菱総研にこの試算を依頼し、その結果は現実と10倍もの開きがあったわけです。これでは、はっきり言って試算をしていないに等しい。私でもできるレベル。まさに三菱総研を今後10年間、シンクタンクと呼ぶことを禁止すべきと考えるほどの現実との乖離です。シンクタンクがこれほどのバカでは、商売は成り立ちませんし、社会にとっての負の資産、迷惑でしかありません。
日本政府・スガ自公政権がこの試算を三菱総研に委託した理由は、オリンピック開催の可否を考えるためなのは明らかと考えます。もしくは、オリンピック強行開催の正当化のためです。
いずれであっても、結局、現状のパンデミックの状態でのオリンピック強行開催となり、本日の東京都の新規確認感染者数が4058人。三菱総研のトンデモナク間抜けな試算で、これだけ大事な時に大変な感染爆発・オーバーシュートになっているわけです。当然、この事態についての三菱総研の責任は重大です。損害賠償ものです。

◎ 最重要ポイント
この三菱総研の試算に関連して、さらに重要ポイントが浮上しています。それは、日本政府・東京都は、この試算にあわせて準備・体制整備をしていると言うことです。つまり、現状の10分の1しか準備・体制整備をしていないと言うことです。そういうことが、以下の7月27日にTBSが報じた『感染急拡大で都がコロナ病床確保を要請』ということとして現われているのです。この27日時点での「7日間平均の新規感染者数がきのう時点で1500人を超え」(7月27日 TBS)と1000人台なのです。

「【独自】感染急拡大で都がコロナ病床確保を要請 通常診療制限も」(2021年7月27日 TBS)

しかし、その時点で病床が逼迫することを都が予期して、病床の確保に走った。それは大変な事態をその時すでにに想定しているということのですが、それは裏返せば、その時までは想定をしていなかったと言うことなのです。
そして、本日、東京都の新規確認感染者数が4000人/日を超えたわけです。であるのに、7月27日、東京都の担当者である吉村憲彦・福祉保健局長が「いたずらに不安をあおるようなことはしていただきたくない」(7月29日 朝日新聞)と言ってしまっているのです。
この発言の4日後に東京都の新規確認感染者数が4000人/日を超えるのに、感染防止とはまったく逆のことを言って、感染爆発・オーバーシュートという燃えさかる火に油をたっぷりと注いでいるわけです。

「都局長の『不安をあおらないで』発言、都庁内からも批判」(2021年7月29日 朝日新聞)

そして、本ブログ「この勘違いはあり得ない (1)」(2021年7月29日)には、以下のように書きました。

 
本ブログ「国民の不安はスガ自公政権と小池都政の失政よるもの その科を国民に転嫁するな (1)」(2021年7月28日)で申し上げたように、現状は感染爆発・オーバーシュートという状況についてその危機的状況についてしっかりとした認識を都民・国民に持ってもらい、楽観バイアスをなくして、感染防止行動を促さなければならないのです。
しかし、その反対を言うこのバカさ加減。小池都政の常としての表面だけで中身が無い滅茶苦茶な政治ということがここでも、明らかになっています。そもそも、小池都政が無策だからここまでの感染爆発・オーバーシュートになっているのです。それで「不安を煽るな」と事態を過小評価するコメント・アナウンスを出せば、必然、状況はさらに悪くなっていきます。この東京都のコメントは、今後、小池氏と東京都にとって極めて重大な問題となっていくと考えます。このコメント、とても有名無実のバブルおばさん・小池氏らしいと考えます。


◎ 準備・体制整備は現状の10%
6月時点では、日本政府・東京都の考えでは、時とともにワクチン接種が進むし、この三菱総研様の試算が出ているから大丈夫だと楽観バイアスが拡大進行、だからこそ強行開催するオリンピックに医療リソースを7000人も割くことは大丈夫だと判断し、ばく進したわけです。

「医療従事者7000人」(2021年7月23日 毎日新聞)

「無観客も…医師ら7千人 医療体制は維持」(2021年7月22日 日本テレビ)

しかし、現実は予想の10倍というトンデモナイことになっているのが現状なのです。日本政府・東京都は、現状の10%の準備・体制整備しかしていないで、東京オリンピックには7000人の医療ソースが割かれている。そして、明らかに現状のように感染爆発・オーバーシュートになって、さらにそれが一段と激しくなっているのです。このまま続ければ、東京オリンピック最終日まで東京の医療は到底持ちません。言うまでもなくパラリンピックは開催すらもできません。
今後は、東京都の医療が限界に達するので、隣接県の医療ソースが使われると考えますが、それもすぐに限界になるでしょう。そうなると、まさに関東地方の医療崩壊と社会崩壊が起ります。これは間違いなく、スガ自公政権・日本政府、小池都政、三菱総研の無能と無策によって生じることであり、そしてこれらがオリンピック強行開催をしたからこそ生じたことに他なりません。

◎ 残された時間は非常に少ない
日本政府・東京都が、現実の10%の準備・体制整備しかしていないということは、試算なら1ヶ月は維持できると考えていた医療体制が、3日で限界を超えると言うことです。3日ですよ。1週間前の4倍の新規確認感染者数というのは、そう言うことなのです。もうすでに猶予は数日もなく、この1週間の感染爆発・オーバーシュートを考えれば、1日か48時間の猶予しかないことになります。このままであと1週間は持ちません。これは本当に大変なことになっています。
決断までの猶予はあと数時間。日本政府・東京都は、その時間内に、明日、明後日に五輪を中断しを決断し、来年再開催ということを決断しなければならない事態に直面しています。これは間違いありません。
三菱総研のトンデモナイ試算でどのような被害・損害が生じるのか? さらにそれを信じて行動した日本政府・自公政権、そして小池都政がどれだけの被害・損害を出すのか? すでにこのことが隠れた重要ポイントになっている状態になっていると考えます。三菱総研は頭が悪いですし、何の対応能力もない。そして、何よりも日本政府・自公政権、そして小池都政の無能・無策が現状を招いているのです。

◎ 最重要ポイントは感染の防止しかない
とにかく、ことの最重要ポイントは、問題の本質が感染症・伝染病なのですから、感染拡大防止策をしない限り、事態は改善しないということなのです。しかし、昨日の自公政権のスガ氏の記者会見を聞けば、治療方法が云々(うんぬん)、最後の緊急事態宣言にする云々と、この感染爆発・オーバーシュートを押さえていないのにもかかわらず、感染拡大防止策より優先度が低いことばかり言っているのです。今、そこに危機があるのにですよ。これでは、到底無理です。バカです。
アベ・スガ自公政権の常として、コロナはカゼレベルととてつもない過小評価してしか考えていないことが、この記者会見でもはっきりと現われています。
今後の方策は方策は明らかです。明日、明後日に五輪中断し、来年再開催を決断、さらに即座にロックダウン同等の市中の行動制限をし、そのための広報をすぐに行う。プレハブでも良いので、隔離・療養施設をつくる(余談ですが、五輪を無観客にしていなければ、はるかにトンデモナク大変なことになっていました。感染者はさらに増え、ホテルなどは満杯という状況になっていました)。
このように、まず物理的に収束方向への動きだすしかありません。
それから数ヶ月から1年をかけて、PCR検査の社会的検査と隔離を徹底して行い、収束傾向をつくり、さらに終息傾向をつくり出すためにワクチン接種をすすめる。ワクチン接種とPCR検査の社会的検査と隔離が非常に大きなポイントになります。それに行動制限。このミックスで行わないとダメです。今のスガ自公政権や小池都政のようにワクチンしか考えておらず、そのワクチンが、クシャおじさん河野氏の無能故に接種が進んでいない状態では、いつまでも新型コロナウイルス問題は解消されませんし、そのための経済的、社会的リスクは甚大になります。すでに甚大なのです。経済・社会活動の正常化、景気回復は新型コロナウイルスの終息を実現するしかないのです。
そして、このようなスガ自公政権や小池都政の本質的な問題を見事に明らかにしたのが、トンデモナク・アホな三菱総研の試算なのです。だから、どんどん状況が悪化するのです。


◎ 私権制限は現行憲法で十分できる できないというのはおとぎ話、作り話に過ぎない
本当は、昨年から仮設病棟などを作り、医療環境の充実などをして、体制を強化しておかなければならなかったのです。そして、食品衛生法などで食中毒などを起こした事業者の営業許可を取り消すように、コロナ対策の不備、感染拡大を促進している事業者の営業許可取り消しをするように法制化をしなければならなかったのです。しかし、そういうことを先の通常国会では一切していません。
その代わり、金融機関を使って業者を締め付けようとした。このことの何が悪いかというと、そこにスガ自公政権・日本政府及び東京都の責任がまったくないからです。補償も含めて行政として責任をもってやらなければならないのに、そういうことを一切せずに、市中だけで何の補償も無しに決着させようとしたことに最大の問題があるのです。
であるのに、スガ自公政権・日本政府及び東京都の責任として、これまで感染防止対策の法制化、条例化をほとんど一切していません。これは現状のオーバーシュートの最大の要因なのです。
道路交通法は、なぜあるのか? それは、人々が自動車を好き勝手走らせたら、事故が爆発的に増加し、交通が麻痺し、社会に大損害が及ぶからです。それ以外の理由は実はないのです。つまり、国民の命をはじめとして公共性を守るために法律があり、法律というのはそもそもそのためにあるものなのです。
だからこそ、法律がなければ公共においての損害が大きくなるので、道交法で制限速度などが決められ、一定の私権制限が行われるのです。こんなことは当たり前の話しです。そして、言うまでもなく現状の憲法で、この私権制限は当然できるのです。
同様に、新型コロナウイルスについても、人々が好き勝手に行動すれば、現在のような爆発的な感染拡大になり、経済的・社会的な損害が甚大になるので、その行動は制限できるのです。もちろん、それは現行憲法でできますし、このようなことが憲法問題でできないというのは、単なるおとぎばなし、デマ、作り話にすぎません。それができないのなら、道交法が存在できるはずもないのです。
これは道交法だけに限ったことではなく、あらゆる法律は人権などを含めて公共の福祉、公共の利益を護るために存在するのです。逆にいえば、そうでない法律こそ問題なのです。
現在の日本は、このような単なるおとぎばなし、デマ、作り話によって、新型コロナウイルス感染防止という公共の福祉と公共の利益を毀損することが肯定され、日本政府と都行政がまったくの無策となっているのです。そして、深刻なオーバーシュートとなっている。まさにこれは日本の非民主性の証なのです。このあやまったデマで、人権、公共の福祉と公共の利益が毀損され、憲法25条が蹂躙されているのです。
ただ、人権、公共の福祉、公共の利益を護るために存在する法律の存在理由を自民党はなくしているのは確かです。それが新自由主義の本質なのです。だから、労働者の権利や労働環境が劣悪になっているのです。実はすべては繋がり、その理由は同根なのです。

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片桐 勇治(かたぎり ゆうじ)プロフィール
1967年生まれ。東京都出身。中央大学法学部政治学科卒。高校がミッションスクールの聖学院高校で高校・大学時代は聖書研究に没頭。
大学在学中から元航空自衛隊幹部の田村秀昭元参議院議員の秘書、以来、元防衛庁出身の鈴木正孝元参議院議員、元防衛大臣の愛知和男元衆議院議員の秘書、一貫して政界の防衛畑を歩む。
2005年から国民新党選挙対策本部事務局次長、広報部長を歴任。2010年より保守系論壇で政治評論を行う。 yujikatagiri111@yahoo.co.jp
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