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都議選結果 勝ったのは立民と共産
[日本の政治]
2021年7月5日 9時53分の記事

都議選の結果が出ました。まだ党派別得票数などの情勢を分析していませんが、結果として立民と共産が、議席を伸ばしていますから、勝ったのはこの二党ということは確実に言えると考えます。

「東京都議会選挙 特設サイト」(2021年 NHK)

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都民ファは、都知事の小池氏を見てもわかるとおり、そもそも自民の分派です。このことは都民ファから自民へ移った音喜多駿氏を考えてもはっきりとしています。都民ファというのは、この10年、15年、東京都にあった保守への票の動きにおいて、その上に新鮮さ、クリーンさなどの要素が加わって大きく躍進したわけです。その意味で、基本は保守票というのが都民ファの特徴なのです。このことによって2013年の都議選と比べて都民ファ旋風の17年は、自民が36議席減らす自民大惨敗という結果となったわけです。もちろん、そこに都民ファを公明党が支援したということも加味されますが、いずれにせよ基本は保守系の票が自民から都民ファに大きく動いたことで、それが前回選挙の大きな特徴と考えます。
このように前回選挙で、都民ファは自民の票を食ったわけですが、都民ファの特徴である新鮮さ、クリーンさは同時に旧民主党系の議席を10奪っています。これは主に浮動票と考えます。この前回選挙で共産党は議席を増やしています。
2019年の選挙では、都民ファは、保守系色の票を大きく取り込み、プラスアルファとして公明の支援を受けて、さらに浮動票を大きく取り込み、躍進したわけです。
今回の選挙の実像を考える時、やはりこのことが大事で、都民ファは基本的に自民党の分派、代替ということで、この二つが実は一つの勢力という捉え方をすべきと考えます。公明党の選挙協力もこの二党の間を動いているだけですから、このことからも都民ファと自民が一つの勢力ということと考えます。そうでなければ、前回の選挙時のように、公明党が、国政では自民党と共闘して、都政では都民ファと共闘するというようなことは起こるはずはないのです。
そう考えると2019年選挙で都民ファと自民は78議席獲得していますが、一方、今回は64議席なのです。実に14議席減らしているのです。これ、普通に惨敗です。
一方、選挙協力をした立民と共産は、前回の24議席に対して今回は34議席、実に10議席も増やしているのです。立民が伸びた。今回選挙の投票率が非常に低く、浮動票の要素が低いことを考えれば、これは躍進に近い伸び方です。組織が貧弱な立民が実に躍進しているのです。そして、この躍進は、都民の投票動向がリベラルに大きくシフトしていることを明らかに示していると考えます。これが今回の選挙で極めて大きな特徴で、今後、この動向は大きくなると考えます。
都民ファと自民が14議席減らし、立民と共産が10議席伸ばしていますが、差し引き残りの4議席がどこかというと、諸派・無所属です。この4議席の内、3議席は元都民ファですが、この都民の投票動向の大きな変化を考えると、この元都民ファ系の3議席は、今後、自民・都民ファと一線を画さないと、いずれかなり厳しい状況に追い込まれることは必至でしょう。

自民党の凋落は激しい
このように保守票の凋落が激しいのですが、自民党の凋落もかなり激しいものと考えます。板橋区選挙区では、自民党政調会長の下村博文氏の元秘書の河野雄紀氏が落選しています。これは前回に引き続いての結果ですが、同じく下村氏の元秘書で自民党公認の松田康将氏とは明暗を分けました。板橋区は下村氏のお膝元ですが、前回はこの二人とも落選し、今回は以前のようにこの二人を当選させることができなかったのです。河野氏の経歴には「参議院議員 有村治子事務所所長」とありますが、そういう要素も効いていません。非常に自民の凋落を感じさせます。なにせ現職の自民党政調会長のお膝元ですからね。

「【板橋区】下村自民都連会長の元秘書が“内ゲバ”の激戦区」(2017年4月22日 日刊ゲンダイ)

また、荒川区選挙区の自民公認 崎山知尚氏も落選しています。この選挙区は自民空白区となっています。この選挙区にはアベ氏や丸川珠代氏が応援に駆けつけ、地元の松島みどり氏(細田派)が支援していました。甘利氏も応援に駆けつけていますが、まったく結果は出ていません。非常に象徴的な選挙結果と考えます。すでにアベ氏などが選挙応援にいってもプラスにはならない趨勢に明らかになっています。むしろ明らかなマイナスでしょう。

松島みどり氏ツィッター

公明党は集票力を確実に落としている
組織票を頼りとする公明党にとっては、今回の選挙期間中、低投票率の要因となる雨がずっと降り続いたことは、機械的に言ってプラスになっと言えます。議席数は前回と変わらず23議席。
公明党は前回、都民ファと選挙協力をしていますが、上述したように都民ファ、自民、公明は一つの勢力として考えるべきものです。そうなると、この勢力は前回選挙に比べ、14議席も議席を減らしているのです。公明党は都議選に最も力を入れると言われていますから、それでもこの結果ですので、公明党の集票力の陰りが鮮明と考えます。これは公明党支援層の高齢化などの問題があり、その他にもかなり大きな歴史的要因があるものと分析します。ある意味、一時代は終わったと分析します。

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片桐 勇治(かたぎり ゆうじ)プロフィール
1967年生まれ。東京都出身。中央大学法学部政治学科卒。高校がミッションスクールの聖学院高校で高校・大学時代は聖書研究に没頭。
大学在学中から元航空自衛隊幹部の田村秀昭元参議院議員の秘書、以来、元防衛庁出身の鈴木正孝元参議院議員、元防衛大臣の愛知和男元衆議院議員の秘書、一貫して政界の防衛畑を歩む。
2005年から国民新党選挙対策本部事務局次長、広報部長を歴任。2010年より保守系論壇で政治評論を行う。 yujikatagiri111@yahoo.co.jp
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