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スガ政権のコロナ対策は具体策がない ?
[日本の政治]
2021年3月22日 0時10分の記事

昨日の本ブログ「スガ政権のコロナ対策は具体策がない ?」(2021年3月21日)の続きです。

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日本では高度成長期とそれに続くバブル期において日本企業が世界を席巻しました。それ以来、企業という存在そのものや資本主義・新自由主義の資本の論理についてまったくの無抵抗、寛容さが人々の頭の中を占めています。かくいう私も90年以降の自分を振り返れば、まさにその最たる一人ですし、驚くべきことにこれはリベラル、労働組合までそうなっているのです。
しかし、その結果、明らかになっていることは、資本主義・新自由主義の資本の論理を野放図にさせて、結局、社会は衰退、経済は伸びていないとうことなのです。我々日本人が目指すべきは、経済を伸ばし、人々の生活を安定させることであって、資本主義・新自由主義の資本の論理を野放図にさせることではありません。手段と目的をはき違えてはいけません。しかし、バブル以降の日本はこのあやまりをおかし、資本主義・新自由主義の資本の論理を野放図にさせることに価値を見いだすという勘違をいして、衰退の一途を辿ってきたわけです。
なぜ、そういうことをしてきたのか? その答えは簡単で、日本人が目指すべき経済を伸ばし、人々の生活を安定させることを真剣に考えず、資本主義・新自由主義の資本の論理を野放図にさせることを行ってきたからです。その結果、人々の生活の安定を奪い、社会を衰退させ、『社会の自立性』を喪失させてきたのです。
皮肉にもこの自立性の喪失の時代、一方で愛国を叫ぶ右翼が跋扈してきたのですが、その右翼が何の社会の役にも立っていないことは一目瞭然なのです。右翼の存在とはそういうものです。これは明治維新後から何ら変わることはありません。
そして自立性の喪失は『考える力』を喪失することです。つまり、右翼・愛国の時代とは考える力の喪失の時代ということなのですが、逆に言えば考える力の喪失の時代こそが、右翼・愛国の時代となると言うことです。
バブル崩壊以降、資本主義・新自由主義の資本の論理を野放図にさせれば、必ず再び日本の栄光はくると思い込んで、一方で中国などの他国の失敗を焦燥感をもって望んで来たのですが、失敗したのは実は自分たちだったということになっているわけです。このようになった本質的な原因は、日本人の考える力の喪失ですが、このことと同居しているのが、バブル以来の資本主義・新自由主義の資本の論理に対する誤った思い込みです。そして、こういうことのなれの果てに右翼・愛国があるのです。このような思考の貧困から早く脱却しないと、間違いなく日本に将来はありません。

◎ この悪思考が新型コロナウイルス対策にも顕著に表れている
そして、このような思考の貧困は、今回の新型コロナウイルス対策に顕著に現われているのです。新型コロナウイルスはたいしたことはない、経済を回せという誤った主張が跋扈して、自然感染による集団免疫獲得というキチガイ論になっていくわけです。否、自然感染による集団免疫獲得というキチガイ論がその根源でしょう。
ただ、それで経済が回ったかと言えばまったく回らなかったわけです。本ブログで何度も取り上げていますが、ワクチン以外で新型コロナウイルスの感染収束・終息傾向をつくり出したのは、唯一PCR検査の社会的検査と隔離という中国方式なのです。そして、ワクチン以外で、この中国方式だけが、経済成長を実現しています。つまり、感染の収束傾向をつくり出し、終息させないと、経済は回らないということなのです。
現状、ワクチン接種を急いでいるのも、ワクチン接種によって感染の終息傾向をつくり出し、人々の命を救い、経済・社会の正常化をさせるためです。つまり、感染を終息させるしか、社会・経済の正常化はないのです。ですので、感染拡大をさせて経済が回る事なんぞあり得るはずもないのです。しかし、ワクチンの開発・製造の自立性を喪失している日本で、感染拡大をさせて経済を回せということを疑いもなく堂々と発言する頭のおかしな人々がいて、社会を惑わしてきたわけです。
ただ、ワクチンも最終的に終息がしっかりと実現するまでは、安心すべきではないでしょう。ですので、やはりPCR検査の社会的検査と隔離という中国方式とワクチンという二つの方策をしっかりと行い、また準備するしかないわけです。しかし、上述したように日本政府はこの中国方式をやる気はまったくなく、そしてワクチンの開発・製造の自立性を完全に喪失しているのです。さらに、もう一つ感染収束に効果的な行動制限をする緊急事態宣言については、感染が再増加している中でナント解除してしまったわけです。
これではまた感染拡大が生じるのは目に見えているわけで、必然、それでは経済は回らなくなるのです。結局、やっていることは、感染の終息を目指さなければならないのにGOTOイート、GOTOトラベルをして、人の移動と人の接触を増やして、感染を拡大させたということと同じことを繰り返しているにすぎないのです。一そこには一貫して感染を終息させる意志が見えてこないのです。
感染症というのは伝染病ですから、人の移動と接触で感染が拡大するわけです。だから、海外からの感染を持ち込ませないために国外からの渡航者の制限をするわけです。
日本国内についてもこれと何ら変わらないわけで、感染症の流行が社会的な大問題になっているときに、人の移動と接触に補助金を出すGOTOイート、GOTOトラベルを行う事自体、正気の沙汰ではないのです。
そして、その正気の沙汰ではないことをやって、感染が終息したかと言えば、逆にそれまでの最大の感染拡大が生じて、当然、経済も回らなくなるわけです。GOTOイート、GOTOトラベルについても結局、最終的に中止に追い込まれたわけです。感染終息と経済の正常化という好循環にこの施策はまったく寄与していないのです。
さらに、このようなことをすれば変異種が発生する確率も非常に大きくなり、ワクチンの有効性に問題が生じる可能性が高まり、収拾がつかなくなる可能性が上がっていくわけです。そして、そのような方向性になれば、さらに経済的損失が拡大していくわけです。
しかし、そのような方向性に動いているのがスガ政権であり、それが東京などで感染が再拡大している中で3月21日に一都三県での緊急事態宣言を解除するという事の本当の意味なのです。
そこには、健全な社会があって初めて経済が成り立つという黄金律が忘れられているのです。まさに資本主義・新自由主義の資本の論理の発想なのです。そこには、感染拡大によって社会を衰退させてもなんとも思わないという思考があり、まったく金儲けのことしか考えていないばかりではなく、社会を育み、人々の安寧ということをまったく考えない自分本位の姿勢・思考しかないのです。もちろん、それは何も生み出さないのですし、社会を衰退させていくだけなのです。さらに資本主義自体も終焉に向わせるのです。このことが今の時代の本当の意味なのかもしれません。

「スガ政権のコロナ対策は具体策がない ?」(2021年3月23日)へ続く。

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片桐 勇治(かたぎり ゆうじ)プロフィール
1967年生まれ。東京都出身。中央大学法学部政治学科卒。高校がミッションスクールの聖学院高校で高校・大学時代は聖書研究に没頭。
大学在学中から元航空自衛隊幹部の田村秀昭元参議院議員の秘書、以来、元防衛庁出身の鈴木正孝元参議院議員、元防衛大臣の愛知和男元衆議院議員の秘書、一貫して政界の防衛畑を歩む。
2005年から国民新党選挙対策本部事務局次長、広報部長を歴任。2010年より保守系論壇で政治評論を行う。 yujikatagiri111@yahoo.co.jp
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