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驕り
[日本の政治]
2018年11月1日 23時32分の記事

以下の週刊朝日の記事では、ネトウヨと呼ばれる人々の層が、大体50歳代を中心に上は60歳代、70歳代、下は40歳代中盤くらいと書かれています。恐らく70歳代でも中盤以降はかなり減ると考えますが、いずれにせよ、大体、この指摘されている辺りの年齢層が中心と考えます。

「弁護士に懲戒請求した”ネトウヨ”たちの意外な素顔とは?」(2018年5月20日 週刊朝日)

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かくいう私もその中心世代の一人ですが、自分自身を考えるとやはり80年代、90年代初頭の社会的体験が大きいのではないかと考えます。1979年、エズラ・ボーゲルの『ジャパン・アズ・ナンバーワン―アメリカへの教訓』がテレビのCMで宣伝され、一世を風靡し、日本は米国を超えて世界一、21世紀は日本の時代、世界に冠たる日本と80年代、90年代初頭に極めて多くの人が思い、その最後にバブルがあったわけです。
当時、二十歳前後の私は、バブルには懐疑的でしたが、やはり時代の風潮、同様に誇らしく思っていたのは事実です。この年代はそういうものを強烈な体験的記憶として持っているわけです。日本はすごいのだと。現在の60歳代、70歳代も基本的には同じだろうと思います。簡単にいって、その心理的背景は驕りでしょう。このようなメンタリティが所謂ネトウヨだけではなく、社会一般にあると考えます。
しかし、バブル後の約25年、現実は凋落の道を辿り、今やGDPにして中国の約3分の1、米国の4分の1になっています。その反面、日本はすごいのだ、世界一なのだという記憶だけは強烈にあるわけです。日本が悪いのは敗戦をして、占領され、日本が手足を縛られているせいだという感覚が当然あるのでしょう。だから、そういう足かせを外して、戦前に回帰して、強い日本をつくるという夢想もあるのでしょう。しかし、その戦前は完全に敗北し、一度、国家は亡びているわけですから、それは夢想でしかないわけです。
こういう世界観では、弱者は足かせになるので、冷淡にもなるわけです。
また、80年代、90年代の感覚でアジア諸国を観ている、はっきり書けば見下してもいるでしょう。しかし、実相は30年前とは大きく変わっているわけです。そのような実像と思い込みのギャップが大きくなれば、当然、大きな問題が生じる危険性があります。その場合、必ずしも強い立場にいるわけではないので、マイナスの方がはるかに大きいでしょう。見上げろとは言いませんが、せめて対等な目線でつきあわなくてはならない状況と考えます。もちろん、こちらがどんなに強くともそのように接するのが関係の第一歩であるのは間違いありません。

冒頭でネトウヨ世代は70歳代中盤以降はかなり減るだろうと書いたのは、その世代が戦争の世代だからです。そういう実体験はやはり重要で、バブル期のような時代を経ても、何が問題の本質であるかというポイントからはあまり乖離しないと考えます。戦前、戦中、日本人を抑圧していたのは誰なのか、その結果、一体、どれだけの人が死に、戦後もどれだけ苦労をしたかを知っている世代は、問題の本質を知っているわけです。それは自虐史観とは言いません。それは実像なのです。そして、この実像が東アジアでポイントにり、これからも間違いなくポイントになるでしょう。そういう所に対等な目線でのつきあいができなければ、結構大変な時代をこれから日本は迎えるだろうとやはり危惧します。驕れる者久しからずいうのは真理でしょう。驕りは確実に人の判断を誤らせます。先の大戦に突っ込んだのも、日清、日露とそれまで連戦連勝をして、実像とかけ離れた驕った心があったからと考えます。その結果が破滅であったわけです。

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片桐 勇治(かたぎり ゆうじ)プロフィール
1967年生まれ。東京都出身。中央大学法学部政治学科卒。高校がミッションスクールの聖学院高校で高校・大学時代は聖書研究に没頭。
大学在学中から元航空自衛隊幹部の田村秀昭元参議院議員の秘書、以来、元防衛庁出身の鈴木正孝元参議院議員、元防衛大臣の愛知和男元衆議院議員の秘書、一貫して政界の防衛畑を歩む。
2005年から国民新党選挙対策本部事務局次長、広報部長を歴任。2010年より保守系論壇で政治評論を行う。 yujikatagiri111@yahoo.co.jp
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