まずは、借地人から借地権を買い取る場合です。いわゆる借地人に立ち退き料を支払って立ち退いてもらう方法です。地主に資金の手配ができればいいわけです。完全な所有権になるので、売却しやすくなります。土地を購入する際に発生する不動産取得税は掛からないのが特徴です。
次に、借地人が借地権を地主ではなく、第三者に売却する場合があります。地主に譲渡代金の5〜20%の承諾料を支払うことにより、売却は可能になります。貸地の状態はそのままで、新たな借地人との賃貸関係が発生します。受け取った承諾料は所得税課税対象になります。
貸地を第三者に売却した場合は、借地人が借地権を売却する場合の地主版です。貸地を買い取るのは専門の不動産業者で、価格も更地価格の10%というのも珍しくありません。将来の相続税負担を考えると、早めの売却は必要でしょう。底地の売却で、譲渡所得税が掛かります。
借地権と底地を交換する方法は、固定資産の交換の特例に該当します。貸地の買い取り、借地の買い取りはともに資金の準備が整っていることが前提です。売却する側には譲渡所得税が掛かるので負担が大きくなる可能性は大きいです。底地と借地権を交換し、双方で完全所有権を取得する方法です。
この場合は、一定の条件をクリアできれば、固定資産の交換の特例を適用することができ、借地人も地主も譲渡所得税が掛かりません。借地人は土地を取得する際に、当然のことながら登録免許税や不動産取得税が掛かりますから、注意が必要です。
最後は、借地人と地主が共同してビルを建設し、共有持ち分を取得する方法です。いまのご時世で現実的であるかどうかは別にして方法論は確かにあります。借地人は借地権、地主は貸地をデベロッパーに提供し、完成物件の建物の区分所有権と、土地の共有持ち分を取得する方法。
開発資金をデベロッパーに出させるわけですから、開発利益の「おいしい部分」はデベロッパーに持っていかれても仕方がないと諦められるかでしょうか。それほどに、借地人、地主の双方にとって難しい選択をいろいろ迫られる場面が多いということです(敢えて書きませんが…)。立体交換は一定の条件をクリアできれば、譲渡所得は掛からないのが特徴です。所有権移転登記の登録免許税と不動産取得税が掛かります。
(おわり)*********************************
やはり貸地の扱いは難しいですね。整理しようにもなかなかできないからです。土地を「人に貸す」というのは、後々に面倒な事態を招くことに他なりません。貸してしまっている人も、これから貸そうと思っている人も、貸さないで別の用途で利益を上げている人も気を付けてほしいものです。「そうだね!」と思った方は、下のリンクボタンをポチッと押してください。
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