一時は、地域のお客様の評判が評判を呼び、遠方からも足を運んでくれるお客様もできたのですが、大型店舗の出店で豊富な品揃えに目が向いてしまったのと、インターネット販売の迅速な対応、商品の配達には客足が遠のいてしまったようです。
「大型店舗の品ぞろえはいいし、弊社が貫いてきた商品コンセプトそのものも反映されている。目利きのバイヤーが全国を駆け回り、大量一括の購入で安価に仕入れられたら勝ち目がない。しかもインターネット注文の迅速な配達は、店舗に行かなくても安心・安全な食材を家にいながら購入できるようになってしまった。いい食材を自分の目で確かめることをしなくなってしまったのか」。
法人、個人――どちらで存続するのがいいのか。結論を簡単に出すのは難しいですが、これまで通りに法人で事業を続けるのではなく、個人事業に戻すのも選択肢の一つとして検討する価値はあるでしょう。「法人事業」から「個人事業」に衣替えするわけです。
個人であれば、登記は不要。社会保険だけでなく、事業主だけであれば法人とは異なり源泉徴収や労働保険も不要になります。また個人事業の場合は、所得がなければ確定申告は不要ですが、申告がなければ公的な信用も亡くなりますから、運転資金の調達が困難になる場合もあります。
さらに、消費税の課税事業者であれば、法人組織から個人事業への転換により2年間は消費税を免除されます。半面、登記による公示ができなくなるので、取引先の評価は下がる可能性は大きいでしょう。
ただ、個人事業に戻しても、青色申告事業者となるのであれば、法人組織と同水準の複式簿記での記帳が必要になります。白色申告でも記帳が義務化されたわけですから、記帳の手間は同じくらいかかります。個人事業の場合、経費項目で「家事消費用」と「事業消費用」とで明確な区分けを行う必要があり、税務面でもこの部分をしっかり調査される可能性はあります。
個人事業に戻す方法も、会社を消滅させる「解散・清算」と、会社の活動を休止させる「休眠」の方法があります。解散・清算は登記が必要になります。官報などへの解散・清算の公告も必要になり、官報に解散・清算を掲載する費用が掛かります。
一方、休眠にする場合はほとんど費用が掛かりませんが、休眠後も決算申告と登記に関わる手続きが必要など、休眠の維持に関連した手間が掛かります。個人事業に切り替えても、法人を解散・清算せずに残しておく方も実際には多いようです。せっかく設立した法人を安易に解散してしまうのももったいないですね。
考え方にもよりますが、いまは雌伏の時なのかもしれません。「いずれは法人で復活したい」ということも将来の展望にあるのであれば、法人を残しておくのをお勧めします。
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なかなか難しい経営判断が求められるケースです。法人を新規に設立すると、株式会社や合同会社の設立になりますし、設立費用も結構バカにならないほどの費用になります。
法人という「器」だけを残して、個人事業に切り替える方が多いのも、ライフプランニングを検討する一環なのかもしれません。「そうかもしれないね!」と思った方は、下のリンクボタンをポチッと押してください。
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