くる天 |
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lingopro さん |
デレクさんの日英翻訳Tips |
地域:指定なし |
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ジャンル:教育・学校 語学・留学 |
ブログの説明: 翻訳者のための日英翻訳アドバイス集です。私の友人で、長年にわたり日本人の英訳を編集・レビューしてきた英国人翻訳者Derek Bleakleyさんがまとめた『Hints relating to Japanese to English Translations』という書物を、リンゴプロ翻訳サービス(Webサイト)にて和訳・編集しました。 |
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269. 「individual」、「each and every」、「各自」(2) |
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2016年6月30日 5時47分の記事
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「社員ひとりひとりが夢と誇りを持って働ける企業風土」に相当する英語表現は、
a corporate environment in which each individual employee can work with pride, and retain aspirations for the future
です。英語では、「夢 (aspirations)」と「誇り (pride)」とを分けることが重要です。和文の「持つ」をそのまま動詞として使用して、「aspirations and pride」などとひとまとめにしてはいけません。
「ひとりひとりが個性かつ責任ある行動をとるための基準として『ABCグループ行動基準』を策定しました。」という一文であれば、
We prepared a Code of Standards that is designed to ensure that every single individual concerned acts in a manner that is fair and responsible.
と訳すのが良いでしょう。
「17日の夕食は各自でおとりください。」
この例における「各自で」という表現を英語圏の人に理解してもらうには、直訳するのではなく、何らかの説明を補う必要があります。翻訳案を挙げるなら、
No special function has been arranged, and you should all take dinner at a time of your own convenience.
といったところでしょう。冗長とも思える翻訳ですが、原文に潜在する真意は、他の日とは違って17日には、その団体のために特別な夕食は用意されないということです。また、この例文は、英語の「individual」を使うという点にも注意が必要です。和文が過剰に省略されていますが、本来の意味は、「each of you make up your minds individually」であり、「dine individually」ではありません。
「全員参加の下、世界に誇れる製造ラインをつくりあげる」という一節を丁寧に英訳するなら、
create, thanks to the active participation of every individual employee, a production line in which we can all take pride, wherever in the world we travel
が適切です。この一節は、簡潔であるもののなんとなく曖昧な和文を英語で十分に理解してもらうには、丁寧に詳述する必要があるということを示す一例です。
「社員ひとりひとりへの環境保全の意識づけを行います。」という一文を英訳するなら、
Activities are being undertaken that are designed to raise the level of awareness of each and every employee concerning the protection of the environment.
が適切です。「each and every」という表現を使うことが重要です。 |
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