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第一部  1話【まずはBEEからはじめます。】
[ハラベエさんの犬星☆猫星(第一部)]
2009年10月1日 0時30分の記事

ハラベエさんの犬星☆猫星
   =BEEとハラベエの愛の物語=
感動ファンタスティック・ノベル連載開始!!

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ハラベエさんの犬星☆猫星の第一部〜三部の
リンクを作りました。
使ってくださいね(*´∀`*)ノ♪

☆【第0部】【1P

☆【第一部】1P2P】【3P】【4P】【5P】【6P】【7P】【8P】【9P】【10P】【11P】【12P

☆【第二部】【1P】【2P】【3P】【4P】【5P】【6P】【7P】【8P】【9P】【10P】【11P】【12P】【13P

☆【第三部】
1P】【2P】【3P】【4P】【5P】【6P】【7P】【8P



ハラベエさんの〜☆犬星・猫星☆
=BEEとハラベエの愛の物語=
感動ファンタスティック・ノベル 作・原  兵 衛

第一部  1話【まずはBEEからはじめます。】


「 BEE!」
 ハラベエさんは思わず大きな声でさけんでしまいました。
毛を短く刈り込んだ、ちょっとふとめのシーズー犬と目があったときです。
シーズーも、ハラベエさんの顔をヒタッと見つめました。
「BEE……」
ハラベエさんは、手を差し伸べて近寄ります。
シーズーが突然のけぞり、後ずさりをしました。
飼い主の女の人が、紐(リード)を強く引っ張ったからです。
女の人の目には警戒心があふれています。
愛犬にやさしい声をかけられて、いやな顔をする人はいないでしょう。
 一見、どんなに気むずかしそうな人でも、ちょっぴり頬がゆるむものです。
しかし、まわりの人が思わず立ち止まるような大きな声。
それも、違う名前で呼ばれたのです。
微笑みなんか浮かべるはずもなく、そそくさと去って行きました。
 引きずられるようについていくシーズーが、何度かふりむきました。
 ちいさくうなずきながら見送るハラベエさんの目に光るものがあります。
散歩の道順をかえてよかった。
やっとBEE……いや、BEEらしい子にめぐりあえた。
いや、あの目はBEEだ、BEEに違いない。
大きな目が特徴のシーズーですが、BEEのそれはきわだっていました。
※BEEの写真

ハラベエさんは、その目を夜の湖面にたとえていました。
黒に近い濃い青で、思わず引き込まれそうになる深さを感じたからです。
そして、あふれるような涙。
 ほうっておくと、目もとが茶色に変色するのでこまめにふきとってやりました。そのたびに「ありがとう」と云(い)いながら……。
 その目に癒(いや)されることが多かったからです。
 ママと声高に云い争ったりすると、BEEはきまって前にオスワリをします。そして、ハラベエさんの顔をじっと見上げるのです。
 たかぶった気持が、その目に吸い込まれるように消えていきました。
 抱きあげて膝の上にすわらせ手をとります。
そして……セッセッセエノヨイヨイヨイ……とやるのがいつものことでした。BEEは少々めいわくげではありましたがつきあってくれたものです。
 最後にぎゅっと抱きしめてからはなしてやります。
するとBEEは一目散にママのそばに行ってねそべるのです。
 そのたびに、BEEのやつは、俺(おれ)をなだめにきたんじゃない……ママを俺の攻撃から守ってるんだろうと、ちょっぴりひがんだりもしました。
 (……マタハジマッタ……ケド、コレデキゲンガナオルンヤッタラ……シャアナイ、シンボウシテツキオウタロ……)
 とでも、うそぶいてるように見えることもあったんです。
ママが特にビリィを可愛がってるようすはありません。
BEEのほかに、その両親のBOWとLOVESがいます。
※BOWとLOVES写真

それに、やはり小型犬のミックス、ヒナコが一緒にくらしています。
でも、ママにとってはすべてBOWが代表です。
「BOWたち、ごはんよ」
「BOWたち、お散歩」
「BOWたち、美容院よ」
で始まるのです。
しかし、問題はBOWへの呼びかけではありません。
最大関心事である食事の提供者を、カレらは最高権力者とみなすようです。
ハラベエさんも時折試みました。
留守がちでしたから回数の上で圧倒的に不利、失地(しっち)回復(かいふく)はなりませんでした。
「おいおい、与えてるのはママでも、そのドッグフードは……」
などと云ったところで、それこそ負け犬の遠吠えです。
ハラベエさんの思いはともかく、BEEは元気いっぱい、走り回っていました。
向こう意気のつよい子です。
相手が数倍も大きな犬でも、平気でつっかかっていってはらはらさせられたものです。
じゃれてるだけではなく、ほんとうに喧嘩を売っているように見えたからです。
 そんなやんちゃぶりがいとしくて、BOWやLOVESたちと分けへだてをするわけではありませんが、朝晩のあいさつも、外から帰ったときも、いちばん先に手を出すのはBEEでした。
なめるようにかわいがったあと、ほかの子たちをおざなりにかるく抱いてやるのです。
 ハラベエさんにとって、家の中の生きものの代表はビリィでした。
 そんなBEE……に会うことができた。
 散歩のとちゅうでまた会うだろうが、あまりにもBEEとそっくりだったので、思わず大きな声を出してしまいました……とお詫びをしよう。
ひたすらお願いして、手もふれさせてもらおう、そのうちになれたらセッセッセエも……。
 BEEとのふれあいの日々をふりかえり、胸の中にキュンと、なにかこうあまずっぱい想いがひろがるのを楽しんでいるハラベエさんでした。
 しばらくはその場にたたずむハラベエさん……もう見えなくなった姿を追いつづけるかのように……。
 
ここは大阪市の南端に位置する平野区。
古くは帰化人(きかじん)も多く移り住み、堺と同じような自治の街を形づくり、周囲を堀で囲んでいた平野郷の一角です。

BEEは、父BOW母LOVESに先立ち、この世を去りました。
八歳の若さでむかえた死です。
息を引き取ったのはママの腕の中でした。
「BEEーっ!」
しぼり出すようなママの声に、そうと知ったハラベエさんはBEEを抱きとりました。
そうしたからといって、どうにかなるものでもないのに、必死に人工呼吸を試みたのです。
しかし、シーズー犬の、体の割には大きい口の中に顔をつっこむかたちになり、外にもれるばっかりでうまく息を吹きこめません。
そうだ……幼犬のころ、骨格上、つまりやすい鼻をよく吸いだしてやったっけ……ハラベエさんは、BEEの口をしめ両手でつつみこむようにして、鼻に口をちかづけました。
「返して!」
ママの声です。
ハラベエさんの動きがとまります。
「返してよおーっ!」
 ママは、ハラベエさんの手からもぎ取るようにBEEを奪い去り、抱きしめ頬ずりすると……。
「BEE……BEEEー……」
 と激しく泣きました。
 ハラベエさんは……ふと「返して」の言葉の意味に疑問をいだきました。
 ただ単に、BEEを抱きたいから自分の手に返せ……と云ったのではないようです。
といって、BEEの命を奪っていったなにものかに命を帰せと云ってるのでもありません。
 ハラベエさんになんか抱かせたくない……BEEは私のものなんだという、強い主張にしか思えないのです。
なにげなくハラベエさんが手をのばし、BEEの体にふれようとしました。
その瞬間、ぐいっと体をねじってむこうを向いた、ママの背中が抵抗をものがたっています。
 ハラベエさんが癒されていると思っていたBEEの行動でしたが、ママはじぶんを攻撃から守ってくれていると感じていたのでしょう。
 たとえそうであっても、そこまできびしく敵意をむき出しにすることはないだろうに……。
低く、うなるような嗚咽(おえつ)がもれています。
 とりつくしまもないハラベエさん。
 近頃とみにひろがりつつあるママとの溝が、またひとつ大きくなったような気がしました。
 部屋の片隅にBEEの両親が、こどもの死をどううけとめているのか、肩を寄せあい、寝そべっています。
 ハラベエさんは……BOW、LOVES、たのむよ……とつぶやきながら、二人の頭をなでてやりました。
 見あげる二人の目には、ビリィほどの癒しこそありませんが、なんとなくわかってくれているような気がします。
 ママのくぐもった声がきこえました。
「出かけるんでしょ」
 BEEのお通夜だからと、予定を変更するつもりでしたが、続いてのママの言葉で、あらためて出かける気になりました。
「動物霊園に電話かけといて……明日、お葬式にはいなくてもいいから」
 これまでにも、お世話になっている動物霊園に電話をするハラベエさん。
そんな情景を、高いところが自分の居場所と、何カ所かきめている猫のノンが、中でもいちばん見晴らしがいいので気に入ってる、エアコンと天井とのすきまに長々と寝そべって見おろしていました。
BEEは、BOWとLOVES夫婦の、三回目のお産の時生まれました。
 その後にもお産をしましたから、都合四回、きちょうめんというのか、定員四人の子づくりにはげんでくれたのです。
 BOWとLOVESとの間の子をぜひ欲しいという希望者が多く、十人ぐらい産んでくれないと間に合わないと、うれしい悲鳴を上げました。
絞りにしぼって、養子先養女先を決め、仮に一号二号と番号で呼びましたが、これは一回目だけ、それでは愛想がないという意見が大勢を占めました。
二回目以降は、生まれるとすぐ、希望者に名前を付けてもらうことになったのです。
クッキー、ケンタ、マロン、ミルクなどなど……。
 番号で呼ぶのと違って、たとえ短い間でも可愛らしい名前で呼んで暮らしていると、妙に情がうつって、別れともない気持にゆれたものです。
「これは家族の権利だ」
 と、三回目のとき、誰もとがめはしないのに言い訳がましいことを云いながら、元気な男の子を選びました。
 BOWとLOVESも、産み落とすたびにごそっといなくなるのでは淋しいだろう……と思ったからです。
 それともうひとつ、ママとの間に溝ができはじめたころで、せめて仔犬が走りまわり、家族の輪の真ん中にいることで、ぎすぎすした雰囲気をやわらげてもらいたいという、ハラベエさんの思惑もありました。
 BEEは、ハラベエさんの希望の星だったのです……。

ハラベエつれづれ草

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◆この記事へのコメント(投稿順)
1. 博多の玲子 2009年10月7日 1時25分 [返信する]
2章3章が楽しみです。

 

2. ハラベエ 2009年10月8日 21時17分 [返信する]
ありがとう

第二章からも乞うご期待!!

 


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〜OGUNI・WORLD〜
地域:大阪府
性別:男性
ジャンル:趣味 漫画・小説
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〜ハラベエさんの☆犬星・猫星☆〜
シーズの愛犬BEEとハラベエを取り巻く生き物たちとの、
出会いと別れを描いた感動、ファンタスティック・ノベルです。

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