第二部 13話【新たな旅立ち・・・】 | |
[ハラベエさんの犬星☆猫星(第二部)] | |
2012年10月1日 0時11分の記事 | |
ハラベエさんの犬星☆猫星 第二部 13話【新たな旅立ち・・・】 UPしました〜(*´∀`*) ☆今回のお知らせイラストは 【チワワ・ロング(チョコレート&ホワイト)】 です見てね〜(^▽^)ノ
☆【第0部】【1P】 ☆【第一部】【1P】【2P】【3P】【4P】【5P】【6P】【7P】【8P】【9P】【10P】【11P】【12P】 ☆【第二部】【1P】【2P】【3P】【4P】【5P】【6P】【7P】【8P】【9P】【10P】【11P】【12P】【13P】 ☆【第三部】 【1P】【2P】【3P】【4P】【5P】【6P】【7P】 ハラベエさんの犬星☆猫星 第二部 13話【新たな旅立ち・・・】 ハラベエさんは、心ゆくまで、芝居造りに励む日が戻ってくるのを、祈るような念もいで待っています。 後悔の念も少なからずあります……今更振り返って、己を責めたからといって、取り替えしの付くものではありませんが……その頃はむしろ誇りにさえ思っていたノラな生き様が、悔やまれてならないのです。 現状に満足すると安住して大胡座、次なる策を講じることもなく、ノラクラ日を過ごしてしまう。 ちょっとしたアフター・サービス、リップ・サービスが、次なる仕事に好影響がある、とは知りつつも、そこまでする必要はない、とふんぞり返る自尊心とノラが合体して何もしない。 それではいけない、と、悔い改める気持になったのは、仕事の量が眼に見えて減ってきたからで 時既に遅し、の感はありますが……過ちを改むるに、憚る事なかれ……です。 と、殊勝な心構えといったところですが、その反面、頭の片隅に……全て人生成り行き次第、なるようにしかならないものなら、このまま終わるも良しとしよう……という、いささかふて腐れ気味に居直った想いも巣くっています。 命終わる日が、まだまだ先と思うから、好き勝手なことをほざいていられるのでしょうか、といって慌てふためいてる己の姿など、一向に浮かんでこないのです。 生来楽天的なハラベエさんの性格に、拍車をかけるように、仕事が入ってきました。 ますますノラを決め込む下地が出来上がっていったと言えます。 一時は、往時の花登筐さんを想起するほどの多忙な日々を送りました、それも舞台の脚本演出だけで、年間休む暇もなく東西の大劇場の公演と、その延長での地方公演に携わったのです。 緊張と緩和の、繰り返しでした。 仕事の現場は、其れこそ張りつめた時間の中に、物作りの楽しみ苦しみが凝縮されて、喩えようもない喜びを感じます。 一方、そんな仕事の桎梏から解放されたときの緩和、思いっきり怠惰に過ごせる、心地のいい時間と空間がいかに貴重なものか。 緊張時に費消したエネルギーが、緩和のときに一気に補充されて、次なる緊張時に燃えさかる、いい循環です。 数年間はその循環の繰り返しでした。 だが……そこへ、忍び寄る不況の蔭。 全盛を誇っていた商業演劇の各分野の旗頭たち……老兵たちは、それこそ櫛の歯が欠けるように、姿を消して行き、後継者不足を嘆く声のなか、劇団そのものが消えていったのです。 加えて、歌手芝居にも限界が来ていました。 有名歌手による恒例の公演にも陰りが見られました。 やがて、大劇場からの撤退していきましたが、哀しいことに大劇場そのものが、その看板を下ろすことになっていったのです。 劇団の消滅、劇場の閉館。 その為仕事場を失った、数多くの有為な人材に、光り輝く復活の日がやってくることを祈るハラベエさんです。 一方、犬星猫星に関して、その精査研究に、もっと大幅に時間を割く必要があるのじゃないか、とも思っていますが、何分にも、目下は相手の出方を待っている状態なので、焦燥感のみが募ります。 ショウちゃんが言っていた、新しい解説者も未だ姿を現しません。 焦る気持ちを抑えての日々、長いことご無沙汰していた、浅草界隈の仲間たちに会いたくなり、その目的だけに上京しました。 不思議なもので、住人としていた頃は、ごく自然に慣れ親しみ馴染んでいた町並みが、その土地を離れていた僅かな間に、他人行儀な、以前のように自然に溶けこめる場所ではなくなったような気がします。 歩き慣れている筈の、路地の一つひとつに、初めて訪れた町のように感じる、よそよそしさがあるのです。 (おいおい、そんなに冷たくするなよ……いずれはここ浅草に戻ってくるんだから……) と、誰にともなく、弁解するハラベエさんでした。 よそよそしいのは町だけではありませんでした。 尻尾を激しく振って、歓迎してくれる筈の仲間が一向に現れないのです。 いや、現れてはいるのですが、近寄ってこないのです。 ざっと見渡したところ,周囲には犬類猫類,周囲には犬類猫類四・五十の頭数が数えられ、その内十ほどが仲間でした。 その仲間は、いつものようにまとわりつこうとはせず、みんな一定の距離を置いて、ハラベエさんを見守っています。 (よそよそしいな……どうしたんだよ) と、問いつめるように視線を、その雄大な体躯から一番先に目につくリンに向けました。 一瞬、二つの視線が絡み合います。 次の瞬間、リンは慌てて目を伏せると微動だにせず、その場で何かを待つ姿勢と見えます。 次に、リンに付き従うプーとクーです。 ふたりとも、、リンと全く同じ所作で反応しました。 モモやバド、それにフーちゃんなど、既にあの世に誘(いざな)われて、浅草の町中へ現れること自体面妖な、人間世界では有り得ない事象に、疑問を差し挟む暇もなく、仲間たちのよそよそしさの所以を追求するハラベエさんでした。 みんな等しく、眼を伏せますが、ハラベエさんと眼を合わせるのを嫌がってる訳ではなさそうです。 むしろ、畏敬の念を抱いて見守ろうとするものの、何かこう、眩しいものでも見たように、慌てて眼を伏せてしまう……そんな感じでした。 ハラベエさんには何の覚えもありませんが、どうやら仲間たちは、何らかのプレッシャーを感じている様子です。 何かあったかなあ……と、ハラベエさんは、身辺の様々な出来事に想いを巡らしました。 そうして、漸く辿り着いたのは、ショウちゃんが先日別れ際に残していった言葉でした。 『私たちは大きな期待をあなたに寄せています、これからの地球を支えていく優れた人材だと』 何を意味する言葉なのか、理解するまでには至らなかったものの、何やらことの重大さを匂わせる一言でした。 改めて見回してみると、伏し目がちにハラベエさんを見守っている仲間の眼には、心なしか期待感が溢れているようです。 ハラベエさんには、その期待感に応える術を知りません。 だが、腹の底から、沸き上がってくるような、力強い衝動を覚え、今はその衝動のままに行動すべきだと直感しました。 一歩進み出るハラベエさん、拳を突き上げました。 そして、無意識にハラベエさんの口から飛び出したのは、 行こう!……の、一言でした。 仲間たちは、言い合わせたかのように、一斉にハラベエさんの膝下に駈け寄りました。 それぞれの、天に向かっての遠吠えが魂を揺すります。 そして今、ハラベエさんは、嘗て犬類猫類が旅立って行った、黒い霧の底の草原に仲間たちと立っています。 物語の後半、ハラベエさんの真実探求の長い旅が始まります。 ☆お知らせ次回から、新章開始(*´∀`*)です。 →ハラベエさん徒然草ヘ〜 ☆【第0部】【1P】 ☆【第一部】【1P】【2P】【3P】【4P】【5P】【6P】【7P】【8P】【9P】【10P】【11P】【12P】 ☆【第二部】【1P】【2P】【3P】【4P】【5P】【6P】【7P】【8P】【9P】【10P】【11P】【12P】【13P】 ☆【第三部】 【1P】【2P】【3P】【4P】【5P】【6P】【7P】 ランキング参加中 ポチっとお願いします〜(*´д`*)ノ くる天 人気ブログランキング フルーツメール | |
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