信州の災害――東京からではわからないこともある | |
[日本の政治] | |
2019年10月14日 23時55分の記事 | |
昨日の13日から長野県の伊那地方に来ています。それは以前から予定されていた本日開かれた会合に出席するためですが、昨日は、昼過ぎに東京を出て、伊那地方に着いたのは午後9時、8時間かかりました。それは、東京から長野県に入るルートである中央道(八王子―大月)と上信越道が通行止めとなっていたからです。一般道も昨日は、国道20号は通行止めで、上信越道に沿う一般道も基本的には厳しい状況であったと考えます。そこで東名高速で名古屋まで行って利用できる中央道を使って伊那地方まできました。 そして、この状況は二つのことを明確に示しています。
ひとつは東京・関東圏から今回の台風19号で被害が大きかった千曲川沿いへの物資の輸送は厳しい状況になっているということです。これは基本的に名古屋と関越・北陸道からの距離に比例して厳しさが増すということになります。したがって、特に佐久地方、軽井沢などはもっとも困難な状態にあると考えられます。東京に一番近い地域です。 もうひとつは、東京・関東圏への西からの輸送は東名高速と関越・北陸道になっているということです。 水害で低い気温という要素 東京を出発した13日の昼頃は台風一過で晴れ渡り、蒸し暑い感じでしたが、夜に伊那地方に着くと肌寒い、東京でいえば11月初旬から中旬にかけての初冬という感じでした。暑がりの私がそう感じるのですから、一般的にはとても寒く感じただろうと思います。 やはり東京とは違うのですが、これが今回の水害の特徴といえるものです。多くの場合、水害は気温が高い時期に生じ、被災しても高温での災害の拡大が考えられるリスクですが、今回は低温での災害の拡大が考えられます。状況としては東日本大震災と同じ要素がありますが、季節としてはこれから日に日に気温が低くなっていきますので、災害対応のポイントのひとつとしてこの低い気温があります。 報道の内容とテレビでの時間配分 伊那地方のホテルでニュース報道を観ていると、ほとんどすべて長野での台風被害の報道ばかりです。全国放送の部分はそのままその放送の部分が流されますが、ローカル局にきり変わるとすべて台風被害についての報道です。それほど甚大な災害であるのですから当然です。 ただ、ふと首都圏はどうなのだろうかと考えます。観ていないのでよくわかりませんが、今回の台風被害は、信越地方以外に、東海圏、関東圏、東北圏に及びます。これほどの大規模災害ですから、全国放送のキー局は、時間を大幅に割いて各地の災害を総合的に報道するのは義務でしょう。 そういうところから様々な対応が生まれ、教訓が引き出されていくわけです。教訓とは報道する側が見いだして伝えるだけではなく、生の情報を視聴者が観て考えていくことも大事です。むしろ、圧倒的に後者の方が大事です。 また、実態を省略されて災害報道がなされれば、視聴者は災害を過小評価して受け取り、災害対応への必要性を感じなくなります。それは、被災地の人々の命に関わる人災を招く可能性があります。そして、同時にその視聴者の将来もまた危うくするのです。 | |
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