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千載一遇のチャンスを逃したというより最悪の選択?
[日本の政治]
2018年9月14日 0時0分の記事

昨日の本ブログ「千載一遇のチャンスを逃したというより最悪の選択」(2018年9月13日)の続きです。

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ただ、このようなことがあっても、やはりロシアが問題視していることがあるわけで、それが以下の記事に出ています。

「過去から教訓を学ぼうとしない日本の反応は、平和条約問題の解決を妨げている=露外務省」(2018年9月6日 スプートニク)

「過去から教訓を学ぼうとしない日本」とは、戦前を肯定する復古主義の日本と言うことです。厳密に言えば日本ということではなく復古主義を標榜する安倍首相ということです。上記の記事には以下のように書かれています。


外務省によると、菅官房長官の発言は、日本が「アジアでの軍事侵略解放における軍国主義的日本の役割を忘れ去り」、第二次世界大戦の結果や、国連憲章に基づく現代の世界秩序の事物を無視し、「歴史的な健忘」に定期的に陥る傾向があることを物語っている。
ロシア外務省は、過去からしかるべき教訓を学ぼうとしない日本側の断固とした反応は「平和条約問題の解決に向けて深刻な障害とみなされている」と強調した。


この記事と今回のプーチン大統領の提案までを時系列から考えれば、戦前に戻ろうとする日本では平和条約を締結しないで領土は返せないということです。そうしないと日本がまた拡張へと動く可能性があるからで、今の安倍政権ではそのことは否定できないでしょう。そして、上記文ではロシアだけではなくアジアや国際秩序ということを問題にしていますから、ロシアのポイントはそこにあるのは明らかです。
しかし、一方で、9月6日、以下の記事のようにロシアは日露関係進展のため北方領土での軍事演習をしないとメッセージを送っているわけです。

「露が北方領土で演習実施せず」(2018年9月6日 時事通信)

上記の二つの記事とも9月6日のことですから、これら二つを足したものが明らかにロシアのメッセージです。9月12日にプーチン大統領の提案となりますから、この9月6日の段階でロシアは日露平和条約の準備を明らかにしています。領土問題も準備をしていたでしょう。恐らく9月10日の日露首脳会談で、プーチン大統領は平和条約の話を日本にしていると考えます。しかし、そこで安倍首相は拒否、もしくはうやむやにしたので、12日の東方経済フォーラムの全体会議という衆目の前でこのような提案をしたのでしょう。もしくは、上述のように年内中に平和条約を確実に結ぶためにそうしたのかもしれません。それはわかりませんが、はっきりしていることは、ロシアは日本に対して友好的に平和条約締結の提案をしたことを世界に知らせ、日本はそれを拒否したと世界に示したということです。このことを示すように以下の韓国紙・ハンギョレでは日本が拒否したと報じています。この影響は極めて大きいと考えます。
そして、この日本の反応にロシアは復古主義・戦前の系譜を見ていると考えます。歴史的に見てもそれは当然のことで、安倍首相はこの系譜ですから、これは過去の話ではなく現在進行形のお話しであるのです。

「プーチンの条件を付けない露日平和条約締結要求…日本は拒否」(2018年9月12日 ハンギョレ)

朝鮮戦争が終焉すると米軍は東アジアから撤退します。そもそも米軍が日本に駐留した主因は朝鮮戦争のためです。これまでの日米同盟もそこにポイントがあるわけで、朝鮮戦争が終われば当然、撤退するわけです。まさに東アジアはこれまでとは全く違う状況になるわけです。そういう状況で、日本にとって平和条約を結んでいないロシアと平和条約を結ぶことは極めて重要なことです。そうでなければ、これからはロシアといつ戦争になってもおかしくはありません。まさに死活問題なのですが、安倍首相及び日本政府の今回の対応は、まさにロシアと戦争をするのかというレベルのものです。そのようなことになれば、まさに日本は地獄と化します。
安倍政権は、これまでロシアだけではなく、韓国、北朝鮮、中国に対して敵対的に接してきました。台湾においても最近、右翼と思われる人物の慰安婦像への行為で反感が高まっています。ほぼ敵だらけなのですが、米軍が去ったあとの状況において、誰が日本の味方をするのかという状況です。まさに過去の教訓を学んでいないということになります。そういう中で10月の安倍首相訪中で、今回、プーチン大統領と蜜月を示した習近平主席の中国が日本の味方として応じなければ、日本は万事休すとなります。そして、そのような追い詰められた状況の日本は、普通に考えて、中国に足下を見られますから、色々な要求を突きつけられることになるのは目に見えています。まさに国益に反します。今後の日本には全方位的な善隣外交しかないのです。それが平和国家たる道です。
なぜ、安倍首相は今回のプーチン大統領の提案を拒否をしないで、前向きな対応をしなかったか、本当に問われることです。安倍首相がこれまで反露政策をとっていなければ、日本にとって有利な形で日露関係を進展できたのにそれを潰してきたと、これまでザ・フナイの連載では指摘してきました。2013年4月に締結した日露2+2からロシアとの関係をしっかり構築できていれば、日本はアジアにおいて非常に良いポジションをとることができたと考えます。しかし、安倍首相の対露姿勢の実相は、ロシアとの関係構築を何もしていないばかりか、壊しているというものです。安倍首相はプーチン大統領と日露首脳会談を20回以上もやっていますが、まさにやっているようで何もやっていないという、昨日の本ブログ「今さらながら」(2018年9月12日)で書いたように安倍首相お得意の二律背反です。ただ、安倍首相の本音・目的はロシアとの関係を結ばないということでしょう。それは、8月26日に「しっかり薩摩と長州で力を合わせ、新たな時代を切り開いていきたい」といった明治維新の構造・戦前の構造の系譜の安倍首相では歴史的に見ても当然のことなのです。そして、そこには英国というキーワードがあるのです。

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片桐 勇治(かたぎり ゆうじ)プロフィール
1967年生まれ。東京都出身。中央大学法学部政治学科卒。高校がミッションスクールの聖学院高校で高校・大学時代は聖書研究に没頭。
大学在学中から元航空自衛隊幹部の田村秀昭元参議院議員の秘書、以来、元防衛庁出身の鈴木正孝元参議院議員、元防衛大臣の愛知和男元衆議院議員の秘書、一貫して政界の防衛畑を歩む。
2005年から国民新党選挙対策本部事務局次長、広報部長を歴任。2010年より保守系論壇で政治評論を行う。 yujikatagiri111@yahoo.co.jp
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