まずは9月3日の抗日戦争勝利記念軍事パレードを控え、中国政府自らが株価の下支えに動く可能性も高く、株価も先週以下にまで下がらないとの楽観的な予想も出ています。
とはいえ、50割れが予想されている製造業だけでなく、過去2ヵ月連続で改善途上にある非製造業も悪化することになると、中国内の景気悪化への懸念が再燃し、ドル/円や豪ドルの下落とユーロ/ドルの上昇につながる可能性はまだ残っています。
また、米雇用統計が良好な結果となっても米利回り、ドル/円や豪ドルの上昇はあまり期待できない状況にあります。半面、中国PMIが上振れした場合、米経済指標への注目度が上昇し、非農業部門雇用者数を中心に、市場の予想を上回る結果になると、9月利上げ説が再浮上するかもしれません。
当事務所で予想しているように、9月利上げの線が再浮上の展開となるのか――下落傾向の中国株の動きがどうなるのか、米第2四半期GDPや米コアPCEデフレータの動きがどうなるのかで、状況が大きく変わるかもしれません。
◆米ドル/円の予測レンジ ドル/円は、中国株価の下落傾向が止まるかどうかに掛かっています。インフレが上昇せず、中国の景気減速リスクがくすぶっており、Fedは9月に利上げに踏みきる必要性はあまりないとみるのが通常でしょうか。本年12月から来年1月に掛けて利上げを行う可能性は高いでしょう。
また、米経済指標の発表が目白押しで、8月31日にシカゴPMI、9月1日にISM製造業景況指数、2日にADP民間雇用統計と地区連銀報告、3日に貿易収支とISM非製造業などの発表が連日行われる予定です。米経済指標による変動のうねりが大きく振れるのか、小振れで収まるのかを占う意味でも、中国の景気動向は重要になります。
具体的な予想としては「118.50〜123.00円/米ドル」(8/24〜8/28:116.18〜122.04円、同期間の当事務所予想:122.50〜124.25、予想に比べ大幅に下振れ)で、中国株の動きから目が離せませないのは、先週と同様です。
◆ユーロ/米ドル、ユーロ/円の予測レンジ ユーロ/米ドルは「1.1105〜1.1655米ドル/ユーロ」(8/24〜8/28:米ドル/ユーロ1.1203〜1.1714米ドル、同期間の当事務所予想:1.0995〜1.1350、予想に比べ大幅に下振れ)、ユーロ/円は「133.85〜136.85円/ユーロ」(8/24〜8/28:135.26〜138.96円、同期間の当事務所予想:136.85〜140.05円、予想に比べやや下振れ)とそれぞれ予測します。
まずは8月31日に発表されるユーロ圏8月HICPの動向です。前月の前年比でプラス0.2%から鈍化した場合、ECB高官が指摘しているように、インフレ低下リスクを裏付ける格好になってしまいます。
その動きを踏まえ、9月3日に開催されるECB政策理事会で、量的緩和の継続なり、拡大への期待なりが大きくなるかもしれません。追加緩和措置を決定する可能性は低いようです。
また、中国PMIが悪化したり、世界株安が引き続き発生して避難通貨としてのユーロが再び上昇したりする場合も、ユーロ高へのけん制としてECBが追加緩和措置を講じやすくなるかもしれません。
◆豪ドル/米ドル、豪ドル/円の予測レンジ 豪ドル/米ドルの予測レンジは「0.7050〜0.7375米ドル/豪ドル」(8/24〜8/28:0.7050〜0.7318米ドル/豪ドル、同期間の当事務所予想:0.7250〜0.7365、ほぼ予想の範囲内)、豪ドル/円の予測レンジは「82.50〜88.85円/豪ドル」(8/24〜8/28:82.10〜89.31円、同期間の当事務所予想:90.00〜92.40、予想に比べ大幅に下振れ)と予測します。
豪ドルも、中国PMI(9月1日)の結果を受けた原油や銅などのコモディティ価格動向、豪第2四半期GDP(9月2日)をはじめ、雇用統計(9月4日)と経済指標の結果を強く反映した展開となりそうです。
なかでも、中国PMIの悪化や豪州経済指標の悪化、RBA理事会(9月1日)後の声明文の姿勢によっては、豪ドル安に振れるかもしれません。一方で、中国株価の持ち直しや豪の経済指標の改善が豪ドル高の圧力になるとの見方もあります。
また、米経済指標の悪化は、対米ドルでの豪ドル高につながるかもしれません。その意味で、豪ドル安となりやすい対円相場とセットで動きを注視する必要があるかもしれません。
RBA理事会は政策金利の変更を想定していません。現行の2.0%の据え置きとし、豪ドル安の進行と併せ、市場の豪ドル安感をさらに強める内容にはなりにくいでしょう。豪ドルも中国の株価の動きに大きく動かされているのはこれまで見てきた通りです。
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